Re: 縦組と横組みについて

一條です。

藤島さん

縦組みと横組みの変換を仕組み(この言い方で適切かどうかは判断しかねています)
は必要と、CSSを利用する一制作者としては考えています。

メインがWeb系で作業していると常についてまわる制作上の条件として

・ ユーザーの閲覧環境は画一化されたものではない

ということです。

アクセスするユーザーの大半が使っている閲覧環境が同じで、その閲覧環境を中心に考えることはあっても、
その閲覧環境でしか情報・サービスにアクセスできないものを作ることはできません。
制作者側で閲覧環境をコントロールすることができない状況下での制作が一般的です。
(※敢えて閲覧環境を限定して売り出す場合は完全にコントロールできますが。 例)iPhone限定サイトにしてしまう。)

そういう状況下では、全てが制作者側の意図通りに表示されることがありませんので、
できるだけ意図通りに表示されるような設定で対応する閲覧環境も出てきます。

この時、重要視するのは

・ 最低限の情報・サービスアクセスに支障がない

ことです。
ユーザーの閲覧環境に関係なく、ユーザーが情報・サービスにアクセスできるようにすること、
これが一番にあります。(※これはアクセシビリティの考えに繋がるかと思います。)


村田さんが書かれた

>横書きしか表示できないデバイスにおいて、「縦書きでしか表示してはいけない」
>という指定の電子書籍を受け取ったときユーザはどうしたいか?

という部分が、この点の実例にあたるかと思います。

例えば、縦書きで制作者側の意図どおりに最適化された表示のコンテンツを作ったとして、
それが横書き対応のみのUAで表示された時、

・ 意図どおりの最適化された表示ではない

としても、ユーザーが情報を閲覧できることを優先します。

そのため、縦書きが有効な場合は縦書き、有効でないなら横書き表示に対応できるように、
共通指定(縦書きと横書きでそれぞれ、指定方向を変えたい内容を変換する指定というべきなのかもしれませんが)が
あれば、情報閲覧優先での制作姿勢が維持できると私は考えています。

元々、縦書きで最適化していた場合、変換することで

・ 変な結果が発生している部分がある

ということはある程度、飲み込めます。
少々、例としてはおかしいかもしれませんが、、

・ 現状のWebブラウザでサイトを見た時にどのブラウザも絶対同一ではない

というのと同じです。現行の制作では”どのブラウザでも同一の見え方”を要求されることが多いですが、
必ずしも同じにはできないのです。文字サイズをユーザーが変更だけでも違ってきますし、拡大・縮小表示された場合、ブラウザ実装のレベルによって、意図していない表示になります。
それでも情報取得の面で問題がないので、OKが出ます。(もしくは出させます。)

もちろん、この変換等で最低限の情報閲覧に支障がでるようであれば、縦書き利用自体を再検討することになるでしょう。


私は現状のメインがWebではありますが、
同じ電子データでコンテンツを提供する電子書籍も、
それ以外の電子データ利用のコンテンツ提供サービスも
同じ状況ではないでしょうか。

自動変換の仕組みは変換することそのものが目的でなく、
ユーザーの閲覧環境が画一化されない環境下で、
ユーザーが利用しているいかなる閲覧環境でもコンテンツアクセスできるようにするための
手段として必要と考えています。

さらに、コンテンツをパーソナライズして楽しむ流れがあるなか、
ユーザーが自分の好みに合わせて表示を変える、
その一手段として、変換の仕組みが利用できるならば、よりよいと考えます。


藤島さんが指摘されているように

>書字方法の違いがあっても紛れのない共通的な指定の仕方を
>探るべきと思っているものです。

共通的な指定の仕方をどうするかは、
縦・横を提供しつつ、いずれも最低限の情報・サービスアクセスに支障がないないものにすることに
重要な点だと思いますので、
分かりやすい方法があれば提示していただければ幸いです。
私自身は提示できるほどの力がないので、”その方法であった場合、どう使うか?”程度のコメントしか出せないのですけれども。


2010年7月14日10:17 MURATA Makoto (FAMILY Given) <eb2m-mrt@asahi-net.or.jp>:
>
>>
>> 少し言い過ぎましたが、要は縦組にした場合と横組みにした場合のルールは異質で、
>>自動変換に対応できる範囲は限られると思います。限られた中でも少しでも共
>>用できるようなルールを捜そうと言うことでしたら分かります。
>
> 変な結果になることがあることは、誰でも承知していると思います。
>
> XMDFやドットブックでは、「縦書きでしか表示してはいけない」という指定と
> 「縦書きが好ましい」という指定ができると聞いています。しかし、このような
> 厳密な使い分けは、コンテンツも機器も小数の企業のコントロール下にあるとき
> はうまく行くのでしょうが、今後の電子書籍で動くかどうかはちょっと疑問です
> 横書きしか表示できないデバイスにおいて、「縦書きでしか表示してはいけない」
> という指定の電子書籍を受け取ったときユーザはどうしたいか?
>
> 企業によっては、縦書きと書いてあれば縦書き表示しかしないし、横書き
> と書いてあれば横書き表示しかしないという立場のところもあります。
> 変な結果になることがあるなら、縦と横の両方を提供しようということ
> でしょう。
>
> --
> 国際大学
> 村田 真 <EB2M-MRT@asahi-net.or.jp>
>
>
>



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Received on Wednesday, 14 July 2010 06:25:41 UTC