- From: Kazuyuki Ashimura <ashimura@w3.org>
- Date: Thu, 20 Nov 2008 18:36:39 +0900
- To: W3C SVG IG Japan <public-svg-ig-jp@w3.org>
皆様,
W3Cの芦村です.
お世話になっております.
11月11日に開催された第二回 SVG IG Japan ミーティングの議事録をお送りい
たしますのでご確認ください.
なお,以下の宿題事項につきましては,設立の目的等,SVG IG Japanの活動に関する
記述を,すでに SVG IG Japan Wiki
(http://www.w3.org/Graphics/SVG/IG/wiki/Japan) に追加してございますので
ご確認ください.
> ACTION: 芦村: 日本会員会議で使用したSVG IG Japan活動紹介のスライドを公
> 開できないか検討
なお,上記Wikiには,メーリングリストの登録方法等,SVG IG Japan へのご参
加に必要な各種手続きに関しても記述してございます.
以上
よろしくお願いいたします.
Kazuyuki
--- ここから ---
第二回 SVG IG Japanミーティング
2008.11.11@機械振興会館(JIPDEC)
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出席者 (以下,本文とも敬称略)
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* 藤沢 (キヤノン)
* 高嶋 (JIPDEC)
* 須永 (JIPDEC)
* 川野 (JIPDEC)
* Doug Schepers (W3C)
* 芦村 (W3C) - 議事録
オブザーバ:
* 田端 (国際航業)
* 矢倉 (ミツエーリンクス)
* 五寳 (マイクロソフト)
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宿題事項のまとめ
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ACTION: 芦村: 日本会員会議で使用したSVG IG Japan活動紹介のスライドを公
開できないか検討
=> 同等の内容を SVG IG Japan Wiki に記述:
http://www.w3.org/Graphics/SVG/IG/wiki/Japan
ACTION: 高木: MapモジュールとGeolocation API との関係を明らかにするため
に,MapモジュールとGeolocation APIを組み合わせたユースケースを説明する
ACTION: Doug: SVGのISO化等に関連して,ISOのGeolocation関連委員会やW3Cの
Geolocation WGとの連携について確認する
ACTION: Doug & 芦村: SVG IG Trackerの1プロダクトとして利用するのか等,
利用形態について検討の上で,SVG IG Japanのための,Web上のIssue Tracker
を作成する.
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議事概要
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* キヤノン藤沢より,先日開催された,W3C関連の会議であるTPAC2008ミーティ
ングおよびW3C日本会員ミーティングについて簡単に報告
* W3C Doug Schepersより,SVG IGおよびWGの活動に関して紹介.その後,参加
者との質疑応答.
* KDDI高木より,SVG Mapモジュールに関して,今後のJIS化およびSVG本体への
機能追加にあたって必要な仕様検討のための概要説明.
=> Mapモジュール仕様をW3Cドラフト形式に整形した上で,次回SVG IG
Japanミーティングにてレビュー.
=>Mapモジュールの正式な仕様名称について検討.
* 次回ミーティングは, 2009年1月30日@JIPDEC 16:30-18:00を予定.
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議事詳細
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TPAC2008ミーティング報告 - 藤沢
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* 2008年10月22日,フランスのCannes-Mandelieuで開催された,TPACミーティ
ングについて
* TPACは,TP (Technical Plenary) ミーティングおよび AC (Advisory
Committee) ミーティングを合わせた,W3Cの年次総会
* TPミーティングの議事録は一般に公開:
http://www.w3.org/2008/10/22-tp-minutes.html
* ACミーティングの議事録はW3C会員にのみ公開
* HTMLに関しては,XHTML(XML化)のみならずHTMLの利用(HTML5)に関する動き
* HTML WGはIRC上では90人が参加
* SVG WGとの合同ミーティング(SVGの表示方法等について, 非XMLシリアライゼー
ションの扱い)
* その他,Web上で利用するためのフォント形式などについて
W3C日本会員ミーティング報告 - 藤沢
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* 2008年11月6日,慶應義塾大学三田キャンパスで開催された,W3C日本会員ミー
ティングについて
* 日本会員ミーティングの議事録はW3C会員にのみ公開
* 話題:
1. SVG IG Japanの活動紹介: 日本におけるSVG技術への期待, Canvasとの関
係など
2. HTML5の主要機能の実装状況など
ACTION: 芦村: 日本会員会議で使用したSVG IG Japan活動紹介のスライドを公開
できないか検討
SVG IG/WG 活動紹介 - Doug Schepers
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W3CのSVG WG, WebApps WGおよびCDF WG担当スタッフであり,SVG IGの座長も務
めるDoug Schepersより,SVG IGおよびWGの活動に関する紹介
* 情報提供Webページ: 現状のSVG.orgより有用なもの(Planet SVG)を作りたい
* 相互運用性の保証: Achid テストのような標準化対応状況確認テスト
* アクセシビリティ, 国際化への対応
* SVG Open 2009@California
* SVG Tiny 1.2 のJIS化が完了すれば,SVGに関するよいニュースになる
* SVG IG Japanについて:
- ユースケースと要求仕様の収集が重要と考えている
- 現状の実装は欧米中心なので,日本の技術を吸い上げることが重要
- 今まで参加していた専門家のみならず,広くSVG技術に関わるみなさんからの
意見を歓迎したい
* SVGの進捗状況:
- SVG Tiny 1.2 PR が間もなく公開の予定(11月半ば)
- Tiny 1.2については,キーボードイベントなどに関してDOM3への依存性があっ
たが,当該部分を削除し,関連の機能を直接SVG Tiny 1.2仕様に盛り込んだ
* SVGの次期バージョン:
- SVG 2.0として検討している
- 名称は,「Tiny」から「Coreモジュール」へと変更になる
- Tinyを策定した際は携帯デバイスの処理能力の問題もあり,「小さい」仕様
としたが,近年の携帯デバイスの性能向上を考慮すると,SVG言語仕様は一本
化し,必要な機能をCore自体に盛り込んでいく予定
- 今までは,MobileとDesktopのプロファイルがあったが,Core+Moduleへ一本
化する
- また,CanvasをSVGで利用できるようにしていく
- 2.5Dのトランスフォームやアニメーション
- アニメーションについては,CSSアニメーションとも協調している
- HTMLへのより簡単な組み込み方法についても検討: SVGブラウザでも,Webブ
ラウザでも表示できるように
- 相対的座標による位置指定
- WAI ARIAとの連携: role属性を用いて,丸図形に「地下鉄の駅」などの意味
情報を付与するなど
- ユーザーインタフェースへの利用
* SVG 2.0のデモ (role, 2.5D, State Machine)
- 今まではスクリプトを利用しなければならなかった機能を簡単に実現
- メニューの履歴管理
- ボタンのオブジェクト自体が「押された/押されてない」という状態を記憶
Doug Schepersを囲んでQ&A
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矢倉:
SVGの中にHTMLを入れるときはどのようにするのか?
SVGの文法が大幅に変わるのでは?
Doug:
文法は変わらない.エラー処理で対応可能
ただし,XLinkについては仕様を変えて,名前空間なしで利用できるようにしな
いといけ
ないかもしれない
矢倉:
SVG WGの関係者から「SVGの要素を大文字/小文字を変える必要があるかもしれ
ない」という意見もあったが.
Doug:
現時点では,そのような必要はないと思われる.
川野:
SVG 2.0勧告化のスケジュールは?
Doug:
おそらく,来年LC化されると思う(2009年の今ごろ).
また,LCレビューには2か月程度が見込まれる.
CR期間についてはは,1.2バージョンほどは長くならないと考えている
したがって,***(仕様策定上,実装上の問題が一切発生せず)うまくいけば***,
2年程度で勧告まで到達できるのではないか(SVG 2.0 Coreの勧告化: 2010 Q4).
矢倉:
test suitesは,1.2のものが流用できるのか?
藤沢:
その予定.
川野:
SVG 2.0勧告化に関して質問する背景として,W3C標準とJISとの関係に関する問
題がある.
W3C標準(デファクト標準)とJIS(デジュール標準)との間には,かなり温度差が
ある.(W3C勧告と異なり)JISは一度確定すると変更しにくい.3年ごと程度の見
直しは可能だが.
(現状の計画では)SVG JIS化については,バージョンアップや参照しやすさのた
めに,「SVG Tiny 1.2とMapモジュールを個別のJIS標準とする」方針を取って
いるが,SVG 2.0で記述や機能が洗練され,また構成も変わる(=1.2のJISからの
差分が大きい)のであれば,SVG 2.0の勧告化を待ってからJIS化する方がよい可
能性がある.
また,ISO化(JTC1)との兼ね合いもある.
Doug:
上述したWG側の見積り(SVG 2.0 Coreの勧告化: 2010 Q4)はかなり楽観的なもの
といえる.今までの経験にもとづくと,予定よりも延びる可能性はある.
SVG 2.0に追加される機能が(現状想定されているように)限られたものであるな
らば,見積り程度の期間で策定可能と思われるが,もしさらに機能が追加され
るならば,期間が伸びる可能性がある.
いずれにせよ,「1.2をJIS化している最中に2.0がW3Cから公開される」といっ
た,バージョンの食い違いが発生する状況は避けたいと考えている.
1.2 モジュールと2.0モジュールの互換性は,JIS化への影響を含めて非常に重
要だと思われる.
SVG Map機能モジュールの概要紹介 - 高木
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SVG Map Lab: http://blog.svg-map.com/
SVG Map Profile 1.0 概要:
http://blog.svg-map.com/2007/04/svg_map_profile_4df1.html
* Mapモジュール開発のきっかけ (LBSの課題)
- 連携性の不足: Web上のMapサービスにおいては,Google, Yahoo等,各サービ
スベンダでコンテンツを囲い込んでおり,Web全体で利用可能でない
- 必要なインフラのコスト: 付加的なDBやサーバが必要
* キーとなる技術
- ハイパーレイヤリング: ハイパーリンクとレイヤリング表現による,Web上の
情報ネットワーク
= 基本の地図と経路等の情報を重畳
= 特許公開: SVGでの利用に関してはロイヤリティフリー
= 本来ビットイメージをインポートするために利用されていた<image>エレメ
ントを,SVG重畳に利用
= Mashupのようなサーバ側での処理は不要であり,全てクライアント側で処
理可能
* SVG Mapモジュールの機能
- RDFのメタ情報を(マイクロフォーマットのように)SVGへ埋め込む
= dc:title="郵便局" など
= RDFをエレメントとして入れ子にするよりも,属性として埋め込む方が
efficiencyが高い
- 緯度経度を利用して重畳するための,よく知られた座標系の参照
= CRS WGS-84 を推奨
= <metadata>エレメント中でtransformを指定することにより,緯度経度への変
換も可能
- 機能の拡張
= level of detail
+ width/heightの省略: 縮尺に応じて利用するかしないか決める
= free scroll
+ 1/25000等の精密な地図を,全地球レベルで利用するには,データ量が膨大
+ 二種類のアプローチ:
1. 全体を見るときは粗い地図,個別の情報を拡大したときは精密な地図
2. 小さな精密地図をタイリングして,参照したいビューを切り替える (横
方向でのimageによる重畳; 再帰的に利用)
= figure visibility
+ 拡大/縮小すると見えたり消えたりする属性
* 処理速度の向上
- Shapefile, GML, SVG Map, GeoJSON, XML
- SVG Mapはデータが小さくなる, 速度も向上
- ローカルマシンでの動作は,災害時に必要
- Au携帯でのサービス提供(1500万台)
- 携帯端末へインストールされたSVG地図情報およびGPSによる位置特定
Map機能のJIS化とW3C提案の関係
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* 今回のMapモジュールに関する説明は,(今後のJIS化およびSVG本体への機能
追加にあたって必要な)仕様検討のための,第一回目の説明
* どのような形でJISへ取り込むか?
- 現状で,SVG仕様との整合性は考慮してある
- SVGのエキスパートの意見を取り入れて,必要に応じて修正したい
- SVG WGから見て齟齬がなければ,(SVG Tiny 1.2への)多少の機能追加はある
としても,単なる上位互換仕様として(SVG Tiny 1.2と)組み合わせていける
のではないか
= 機能追加: level of details のプロパティ等,一部の機能
- Map機能については,W3CモジュールおよびJIS仕様の両方を同時に睨んだ短期
的な取り組みととらえている
=> 半年程度の期間での完成を目指して取り組む(勧告まで到達するのは難し
いと考えられるが)
* JIS仕様を修正する場合の期間的猶予
- 今年度(2009年3月まで)は調査・検討の期間ととらえている.
- 来年夏休み程度までに修正がまとまれば,SVG JIS化の動きに取りこめる
* Map機能の,W3C提案仕様としての位置づけ
- 1.2バージョンでも2.0バージョンでも利用可能な,(互換性のある)モジュール
* Geolocation APIとの兼ね合い
- MapモジュールはGeolocation APIにも対応している
- (Geolocation APIは)プロトコル独立なAPIであり,Mapモジュールとの組み合
わせで柔軟にアプリケーションを実装できるはず
ACTION: 高木: MapモジュールとGeolocation API との関係を明らかにするため
に,MapモジュールとGeolocation APIを組み合わせたユースケースを説明する
* RDFa metadataとの関係
- RDFa metadataは現状では使っていない
今後の予定
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* (現状,SVG Map LabのWikiに記述されている)Mapモジュール仕様を,W3Cドラ
フト形式に整形する.
=> 次回SVG IG Japanミーティングにてレビューを行なう
* 仕様名称を確定する
=> "SVG Map Module" でいいかどうか決定する
* ISO との連携
- JIS化が完了すれば,ISO化にあたって,Fast trackに載せられる
- 手続き上は,W3CからISOへ持っていくのがよいのではないか
ACTION: Doug: SVGのISO化等に関連して,ISOのGeolocation関連委員会やW3Cの
Geolocation WGとの連携について確認する
* 活動促進
- public-svg-ig-jpへの参加メンバ拡大
- IG本体への参加登録促進
- SVG IG Japan Wikiページ: 活動主旨,メーリングリストの案内など
- Trackerによる問題管理
- 議事録の抄録を英訳し,IGへ送付する
ACTION: Doug & 芦村: SVG IG Trackerの1プロダクトとして利用するのか等,
利用形態について検討の上で,SVG IG Japanのための,Web上のIssue Tracker
を作成する.
次回ミーティング
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* 2009年1月30日@JIPDEC 16:30-18:00を予定
以上
--- ここまで ---
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Kazuyuki Ashimura / W3C Multimodal & Voice Activity Lead
mailto: ashimura@w3.org
voice: +81.466.49.1170 / fax: +81.466.49.1171
Received on Thursday, 20 November 2008 09:37:02 UTC