- From: Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp>
- Date: Wed, 29 Sep 2021 16:18:28 +0900
- To: 木田泰夫 <kida@mac.com>, JLReq TF <public-jlreq-admin@w3.org>
木田泰夫 様 みなさま 小林 敏 です. これこれのレイアウトなり,表記なり,記号なりを選んだ場合,あるいは,こういう問題が出るよ,という言い方はできるかもしれません. 例えば,テキストのデコレーションで,複数の要素が重なった場合,問題が発生するケースがあります.代表的な例では,圏点とルビが重なる例.圏点は強調です.そして,強調には多くの方法があります.それとともに,こうした強調の多くの方法が,ある特定の強調を意味するということは多くはなく,代替可能な場合が多いのです.ですから圏点にしないで別の方法にすればよいのです. 注についても似たな問題があります.注の内容と分量により,ある程度,その形式は決まってきますが,それは決定的なことではありません.ただ,注は,読者の立場でいえば,関連する本文のできるだけ近くにあること,そして,本文を読んでいく際に邪魔になってほしくない,ということが求められています.注は,ぜひ読みたい,読む必要のあるものと,そうでないものがあります.前者であれば,こうした注の要求は実現してほしいことです.後者であれば,まあ,形式は,ある意味でどうでもよいということになるかもしれません.ただ,必要か必要ないかの判断は,特定の個人では簡単でしょうが,一般的な判断は難しいかもしれません. そういう点でいうと,印刷された書籍でいうと,横組の脚注というのは,ある意味,理想にちかい方法です.縦組でいえば傍注です.最近,縦組の傍注が増えているように感じていますが,そうしたことがあるように思っています. ただ,横組の脚注または縦組の傍注は,けっこう組版処理が面倒で,分量によっては,そのページに収まらないという問題があります.(モニタに表示する際は,こうした問題は少ないでしょう,というか,モニタでの横組の脚注または縦組の傍注は,どうすればいいの,なにか,工夫が必要でしょう.) 木田泰夫 さんwrote >もう一つミーティングを思い返して。小林さんが、実装者だけではなくて、書き手に >も読んでほしい、というようなことを言われたのに対して、国語審議会のお役目を取 >っては… と反応したことに関して。 > >考えてみれば、今の JLReq には、タイトルをどう作るか、ルビをつける方針、注の方 >法の選択、英単語の周りのスペース、数字は全角かどうか(2.3.2 b 1 i)、などにつ >いて書いてある。これらは印刷のモデルにおいては編集や組版担当者が行っていたこ >と。この人たちが組版方法を知らなければならない対象だったわけです。 > >デジタルテキストのモデルでは、これらの選択の多くはシステムの実装者が行うので >しょうけれど、残りは一人一人の書き手の選択になる。とすると、今の内容をそのま >まデジタル向けにしただけで、自然に、内容の一部の対象は書き手に向くことになり >ます。その事実に少し意識的になっても良い、というか対象が変わっていることを意 >識すべきなのかもしれない、と思いかえした次第。 > >木田
Received on Wednesday, 29 September 2021 07:20:11 UTC