- From: MURATA <eb2mmrt@gmail.com>
- Date: Tue, 3 Aug 2021 08:42:38 +0900
- To: 小林龍生 <tlk@kobysh.com>
- Cc: JLReq TF <public-jlreq-admin@w3.org>
- Message-ID: <CALvn5ECxzDB4oXgWJfLvn9M6u5yaY5r35KNCuSV9zju=V5u7ag@mail.gmail.com>
小林さん、 蛮勇は功を奏しそうですね。 1つコメントします。いま、EPUB出版物には注が入っている ことがあります。結局<a href="..">13</a>のように書いて、 章の末尾にある注に飛んでいます。 アクセシビリティの点から二つ問題が指摘されています。 1) 注がついていることに気が付かない 2) 注を見に行くと戻ってこられない 問題1のほうは、"13"ではなく"注13"と書けばいいのかも 知れません。 問題2のほうは、いまは戻るためのリンクを張って対処する こともあるようです。ユーザエージェントもしくはEPUB リーダの問題かもしれません。 しかし、注のありかたを見直す(線形である文書のなかに 押し込むのをやめる)のも手ではないかと思うのです。 村田 真 2021年8月2日(月) 8:26 小林龍生 <tlk@kobysh.com>: > 木田さま、みなさま、 > 小林龍生です。 > > 木田さんに頂戴した宿題の答案。 > JLreq(次期ヴァージョンのスコープ) > > 現行版のJLreqは、まず、活字の大きさ、1行の字数(行長)と1ページの行数を決定する基本版面の設計を冒頭に置いている。 > > > 一方、電子書籍ビューアーも含め、現今の電子化文書の閲覧環境は、ディスプレーや閲覧矩形(ウィンドウ)の大きさも、フォントサイズも多様であり、行間も含め、プリファレンスも含め、ユーザー側で選択できるようになっている。 > > 次期JLreqは、このような情報の送り手側/コンテンツ制作側では、すべてをコントロールすることが出来ない環境での、〈読みやすく〉〈弱者に優しい〉読文環境(reading > environment)を目指すべきだと考える。 > > このような視点から、従来のJLreqの目次を見ると、不要な項目や重要度が下がる項目を定めやすくなる。 > 不要な項目(版面設計) > > 2.2 日本語文書の基本となる組体裁 > > 2.2.1 組体裁の設計 > > 2.2.2 基本となる組体裁 > > 2.2.3 基本となる組体裁の主な設計要素 > > 2.2.4 基本版面の設計要素 > > 2.2.5 基本版面と実際のページの設計例 > > 2.4 基本版面の設計 > > 2.4.1 基本版面の設計手順 > > 2.4.2 基本版面の設計の注意点 > > 2.5 基本版面の設計要素の各ページに対する適用 > > 2.5.1 基本版面からはみ出す例 > > 2.5.2 基本版面で設定した行位置の適用 > > 2.5.3 基本版面で設定した文字位置の適用 > リフローを前提として再考を要する項目 > > 第4章 見出し・注・図版・表・段落の配置処理 > > 4.1 見出し処理(改ページ処理も含む) > > 4.1.1 見出しの種類 > > 4.1.2 別行見出しの構成 > > 4.1.3 見出しにアクセントを付ける > > 4.1.4 改丁・改ページ・改段処理 > > 4.1.5 改ページ等の直前ページの処理 > > 4.1.6 行取りの処理例 > > 4.1.7 行取り処理した見出しがページ末にきた場合の処理 > > 4.1.8 小見出しの前を1行アキにした場合の処理 > > 4.1.9 同行見出しの処理 > > 4.1.10 窓見出しの処理 > > 4.1.11 段抜きの見出しの処理 > > 4.3 図版の配置処理 > > 4.3.1 図版配置の指定方法 > > 4.3.2 図版配置の基本的な考え方 > > 4.3.3 縦組における図版配置の条件 > > 4.3.4 横組における図版配置の条件 > > 4.3.5 JIS X 4051における図版配置の基本的な考え方 > > 4.4 表の処理 > > 4.4.1 表の構成 > > 4.4.2 表の全体の組方向 > > 4.4.3 表を配置した例 > > 4.4.4 ページへの配置からみた表の種類 > > 4.4.5 見開きに配置する表の処理 > > 4.4.6 分割を可とする表の処理 > > 4.5 行・段落などの行送り方向の配置処理 > > 4.5.1 ルビなどが付いた場合の行間の処理 > > 4.5.2 段落間処理 > > 4.5.3 行送り方向の領域の調整処理 > 別の観点(機能論的観点)から再定義すべき項目 > > 2.6 柱とノンブル > > 2.6.1 柱及びノンブルの位置 > > 2.6.2 柱及びノンブルの配置の原則 > > 2.6.3 柱及びノンブルの配置方式 > > 3.3 ルビと圏点処理 > > 3.3.1 ルビの使用 > > 3.3.2 ルビの付け方 > > 3.3.3 ルビの文字サイズ > > 3.3.4 親文字のどちら側にルビを付けるか > > 3.3.5 モノルビの親文字に対する配置位置 > > 3.3.6 グループルビの親文字に対する配置位置 > > 3.3.7 熟語ルビの親文字に対する配置位置 > > 3.3.8 ルビが親文字よりはみ出した場合の処理 > > 3.3.9 圏点の処理 > > 3.4 割注処理 > > 3.4.1 割注の利用 > > 3.4.2 割注の文字サイズと行間など > > 3.4.3 割注を本文の2行以上にわたって配置する処理 > > 4.2 注の処理 > > 4.2.1 注の種類 > > 4.2.2 注の番号 > > 4.2.3 合印の処理 > > 4.2.4 縦組又は横組の後注処理 > > 4.2.5 横組の脚注処理 > > 4.2.6 縦組の傍注処理 > > 4.2.7 頭注(縦組)・脚注(縦組)・傍注(横組)の処理 > 機能論的観点からの補注 > > 直接的に文字列を読むための機能以外に、書物によって具現化される機能は複数存在する。 > > 異論はあろうが。。。 > > ・注(annotation) > > ルビ、脚注、傍注、頭注、割注、圏点など > > ・参照(link) > > 他のドキュメントの特定個所の排他的指示 > > URL+anchor > > レガシーブックでは、書名、発行年、版、ページ、行で実現 > > ・移動(navigation) > > 目次 > > 柱 > > ノンブル > > 従来の書物の版面設計(版面デザイン)は、これらの機能論的な観点から見直す必要がある(≒従来の書物の表現方法に固執する必要はない)。 > 工藤智行氏(日本デイジーコンソーシアム、有限会社サイパック)によるアクセシビリティの観点からのnavigation > > ■ ナビゲーションとは何か > > ・本文を音声読み上げできればアクセシブルという大きな誤解 > > ・ナビゲーションは読み上げ位置の移動を中心とした操作 > > ・ナビゲーションは音声を中心とした読書で必須となる > > ・主としてリーディングシステム側の機能 > > ・スクリーンリーダ等の音声UIを通じて操作できなければならない > > ・ナビゲーション機能が不十分だと音声を中心とした読書が困難 > > ■ 具体的なナビゲーション操作 > > ・前回読み終えた場所からの再生 > > ・目次やインデックスから目的の場所への移動 > > ・しおりの場所に移動 > > ・前の章、次の章、前の節、次の節等への移動 > > ・次ページ、前ページ、指定ページへの移動 > > ・次段落、前段落、現在の段落の頭への移動 > > ・フレーズ単位での前後移動 > > ・5秒/10秒/30秒/一分といった時間単位での前後移動 > > ■ 高度なナビゲーション操作 > > ・表の読み上げ > > 縦方向、横方向、表見出しの読み上げ > > ・現在の読み上げ位置の音声での把握 > > 現在の章、節等の名前、何ページ中何ページ、全体の音声の再生時間でのパーセンテージ > -- -- 慶應義塾大学政策・メディア研究科特任教授 村田 真
Received on Monday, 2 August 2021 23:43:43 UTC