- From: Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp>
- Date: Thu, 03 Dec 2020 09:00:49 +0900
- To: 小林龍生 <tlk@kobysh.com>, 木田泰夫 <kida@mac.com>, JLReq TF <public-jlreq-admin@w3.org>
小林龍生 様 木田泰夫 様 みなさま 小林 敏 です. 小林龍生 さんwrote >ところが、今回、敏さん・木田さんテーブルとJISとの対応付けを試みてみて、抑えき >れない妄想が湧き上がってきたのですね。 >すなわち、(いまでも引きずっている)シフトJIS的環境(もしくは指に染みついた慣 >習)による非漢字の運用と、JIS >X0213の非漢字全体を対象とした非漢字の運用との間に、何とも表現しがたい深淵が潜 >んでいるのではないか、という。 >前回のミーティングで、ぼくが提起した問題を、ぼくなりに敷衍すると、以上のよう >なことになります。 私も,今回の議論をしていて,いままでの考え方を基本的に変えないといけない な,という感じでいます.それをうまく表現できないのですが,文字クラスを Unicodeに対応したものに変えるということは,これまでの活版的な考え方,電 算植字的な考え方,あるいはDTP的な考え方でとは違った考え方をしないといけ ないかと思っています.もちろん,こうした過去の技術で考えてきたことには, ある種の合理性があり,それを学ぶ必要はもちろんあろいうことは前提です. 別にいえば,小林さんのいうシフト“JIS的環境……”での運用ではいけないと 思うようになっています.いくつか例を挙げます. 1 連数字問題 これはJIS的環境ではなく,電算植字的環境の問題.Unicodeには,そんなもの は存在しない.一般のアラビア数字として扱っている.これは単純に連数字の文 字クラスを削除すればよい. 2 欧⽂⽤⽂字(cl-27)という言い方 これはまさにJIS的環境を前提にしている.下農さんがいう“アジアの諸言語 とかアラビア語とかも混植になることはあると思う”を考えれば,文字クラス名 を変えないといけない.今,私の考えているのは“ラテン文字”といえば,とい うこと.それ以外のものの扱いは,必要なら,別の文字クラスを考えればよいし, とりあえず,ベタ組にして,2行にわたる分割はUnicodeを参照すればすむことと 思います. 3 非漢字 これがもっとも問題が多い.そこで,以下のように分けて,その対応を考えて いけばよいのではと思っています.その先には,前置省略記号(cl-12)と後置 省略記号(cl-13)だけでなく,ハイフン類(cl-03)や分離禁⽌⽂字(cl-08) の文字クラスの削除,あるいは分類を考え直す必要があるように思っています. この問題は,英文などの影響から,英文の非漢字が和文でも使用されるように なっている.しかし,その定着度が異なり,以下の分類でいえば,aとbは和文ま たは英文のルールでよいが,cとdが問題.dは,和文での使用が定着し,和文の ルールが必要である.これに対し,cは,使用例も少なく,ルールも,ある意味 であいまいであるし,いろんな配置方法がとられている(最も詳しく,こうした 非漢字の配置法を記述したものに“校正技術”(日本エディタースクール出版 部)という本があり,これでは明確に示しているが). a 和文としか用いない 例 ※,【】,〈〉など b ラテン文字などでしか扱わない 例 アポストロフィ c ラテン文字で主に使うが,わずかに和文でも例がある ハイフン,二分ダーシ d ラテン文字が由来であるが,和文で定着している パーレン,アステリスク,疑問符,%など これとはすこし違いが,縦組と横組の問題がある.縦組では和文的な全角のラテ ン文字アラビア数字があり,横組で,これらの使用を避けた方がよいという考え 方があり,その意味では,縦組はより和文的,横組はより英文組版的ともいえる ので,それをどう考えるか,という点もでてくる.
Received on Thursday, 3 December 2020 00:01:11 UTC