Re: Meeting notes 2020·12·01

小林龍生 様
木田泰夫 様
みなさま

 小林 敏 です.

  小林龍生 さんwrote

>ところが、今回、敏さん・木田さんテーブルとJISとの対応付けを試みてみて、抑えき
>れない妄想が湧き上がってきたのですね。
>すなわち、(いまでも引きずっている)シフトJIS的環境(もしくは指に染みついた慣
>習)による非漢字の運用と、JIS
>X0213の非漢字全体を対象とした非漢字の運用との間に、何とも表現しがたい深淵が潜
>んでいるのではないか、という。
>前回のミーティングで、ぼくが提起した問題を、ぼくなりに敷衍すると、以上のよう
>なことになります。

私も,今回の議論をしていて,いままでの考え方を基本的に変えないといけない
な,という感じでいます.それをうまく表現できないのですが,文字クラスを
Unicodeに対応したものに変えるということは,これまでの活版的な考え方,電
算植字的な考え方,あるいはDTP的な考え方でとは違った考え方をしないといけ
ないかと思っています.もちろん,こうした過去の技術で考えてきたことには,
ある種の合理性があり,それを学ぶ必要はもちろんあろいうことは前提です.

別にいえば,小林さんのいうシフト“JIS的環境……”での運用ではいけないと
思うようになっています.いくつか例を挙げます.

1 連数字問題
 これはJIS的環境ではなく,電算植字的環境の問題.Unicodeには,そんなもの
は存在しない.一般のアラビア数字として扱っている.これは単純に連数字の文
字クラスを削除すればよい.

2 欧⽂⽤⽂字(cl-27)という言い方
 これはまさにJIS的環境を前提にしている.下農さんがいう“アジアの諸言語
とかアラビア語とかも混植になることはあると思う”を考えれば,文字クラス名
を変えないといけない.今,私の考えているのは“ラテン文字”といえば,とい
うこと.それ以外のものの扱いは,必要なら,別の文字クラスを考えればよいし,
とりあえず,ベタ組にして,2行にわたる分割はUnicodeを参照すればすむことと
思います.

3 非漢字
 これがもっとも問題が多い.そこで,以下のように分けて,その対応を考えて
いけばよいのではと思っています.その先には,前置省略記号(cl-12)と後置
省略記号(cl-13)だけでなく,ハイフン類(cl-03)や分離禁⽌⽂字(cl-08)
の文字クラスの削除,あるいは分類を考え直す必要があるように思っています.

 この問題は,英文などの影響から,英文の非漢字が和文でも使用されるように
なっている.しかし,その定着度が異なり,以下の分類でいえば,aとbは和文ま
たは英文のルールでよいが,cとdが問題.dは,和文での使用が定着し,和文の
ルールが必要である.これに対し,cは,使用例も少なく,ルールも,ある意味
であいまいであるし,いろんな配置方法がとられている(最も詳しく,こうした
非漢字の配置法を記述したものに“校正技術”(日本エディタースクール出版
部)という本があり,これでは明確に示しているが).

a 和文としか用いない
 例 ※,【】,〈〉など

b ラテン文字などでしか扱わない
 例 アポストロフィ

c ラテン文字で主に使うが,わずかに和文でも例がある
 ハイフン,二分ダーシ

d ラテン文字が由来であるが,和文で定着している
 パーレン,アステリスク,疑問符,%など

これとはすこし違いが,縦組と横組の問題がある.縦組では和文的な全角のラテ
ン文字アラビア数字があり,横組で,これらの使用を避けた方がよいという考え
方があり,その意味では,縦組はより和文的,横組はより英文組版的ともいえる
ので,それをどう考えるか,という点もでてくる.

Received on Thursday, 3 December 2020 00:01:11 UTC