- From: Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp>
- Date: Thu, 11 Jul 2024 12:52:27 +0900
- To: 木田泰夫 <kida@mac.com>
- Cc: public-i18n-japanese@w3.org
木田泰夫 様 みなさま 小林 敏 です. 木田泰夫 さんwrote >> この説明と,Apendixの表(文字クラスに応じた字間の表)との関係があるので,そう簡単ではない. > >どのように難しいでしょう? 単に、連続約物で空間を削除する組み合わせを定性的に示し、量はこれこれの条件に当てはまる標準的な場合として示せば良いのではないですか? 従来の方法であれば,字形の幅を二分として説明できますが,プロポーショナルな場合はわかりません.ですので,字幅が文字サイズの場合はこうで,そうでない場合は,前者にならうということをいえばよいということです. 一般的にいうことはむつかしいので,場合分けしての説明が必要ということです. >ところで、表は、chwsの例が示したように、連続約物と和欧間は別々に実装されますので、これらは分けましょう。一般的に、現象ごとに表を分けるのが良いと思います。実装の必要に応じて統合したい人がいても、統合は簡単。混ぜられているものを分けるのは大変です。 分けるという意味がわからないのですが,…… 現行のものでも,表では,連続約物と和欧間は,別の欄に示されています(表にしたのは組合せを示しやすからにすぎません).そして,その実現方法は,特に説明していないのですが,結果はこうしてほしいということだけを示しています. そして,本文の解説でも,連続約物と和欧間は別項目です. >> また,括弧の字形の字形もフォントごとに異なる.というか,かぎ括弧の縦組でい >> えば,縦線の長さは,フォントによって異なる(つまり字形そのものだけの字幅は >> 異なる).(ちょっと,余分なこと,今日使用されている主な明朝体のかぎ括弧の >> 形は,どうも私の好みでないものが多い.ですので,できるだけかぎ括弧は使いた >> くないというのが,私の率直な感想.また,かぎ括弧の前後のアキも,本を読んで >> いて空きすぎに感じている) > >これは、半角の枠の中の字形のデザインの問題か(その場合は純然たる文字デザインの問題)、それともかぎ括弧が半角の枠の中にデザインされていて、残りの半角が隣接文字とのアキとなるという現在の作り方の問題(その場合は組版の記述にも関わる)、どちらでしょう? 基本は,デザインの問題です.たぶん,文字の外枠が文字サイズである,現在使用されているのパーレンのデザインの話です.ですけれでも,形が異なれば,“残りの半角が隣接文字とのアキとなる”という従来の方法は,そのままでいいのか,という問題提起です.(ただし,jlreq-dで書くことは考えていません.) それから,パーレンは,OpenTypeでは,いくつか異体字というか,字形の異なったものを持っているんではなかったかな.かぎ括弧には,行送り方の長さが短い俗に“小かぎ”というものがOpenTypeにはある. 「 「(これを子かぎ) 」(これを子かぎ),『(これを子かぎ) 』(これを子かぎ) 」 のように使う.引用で,原文どおりの「」と『』の形で使用できる. >上に示したように、アキの具体的な量を示さない一般的な指針を示し、典型的な場合に対する数字を示せば良いということはありませんか? 書き方の問題とも絡んできますが,それでは,以下のように考えましょう. まず,一般的のことをいう.例:括弧や句読点は文章の区切りを示すものであるので,その前後や後ろに適当なアキを確保する必要がある. 次に,文字の外枠が文字サイズである場合は,括弧や句読点の字幅は文字サイズとして配置していく.そうすれば,字形にもよるが,字形のデザインにもよるが,前後に文字サイズの1/2程度のアキが確保される.プロポーショナルな場合は,そのフォントで設定されている字幅で配置していく(どの程度のアキが出るかはフォントによるのでいわない). 約物が連続する場合,以下のケースがあり,どの場合は,どうなるということを一般的に説明する.要はアキが重なる,あるいは,不要なアキが発生する.これは調整しないといけない.文字の外枠が文字サイズである場合はこう.プロポーショナルな場合(これはいいにくいので),文字の外枠が文字サイズである場合に準じて,適宜詰めた方が望ましい,とだけいっておく. みたいにしたらどうかと思っています. >> また,補足説明を囲むパーレンは,字幅二分として考えた場合,二分アキは,アキ過ぎにも思う.でも,一般的にいえば,二分ということで,とりあえず許容している.(昔に比べれば,パーレンの円弧の深さ(つまり,その円弧の半径の大きさ)は,浅くなってきている(半径が長くなっている)ので,よけいアキが気になる. > >このようなこと、どんどん書きましょうよ。こうである、とはかけませんが、このように感じられることもあって、複数の選択できることが望まれる、とは言えると思います。 これは書く予定ですが,漢字は仮名の一般的な字間の処理の項で書くのか,約物の項で書くのか,ちょっと悩んでいますが,前者でとりあえず書いてみようと思っています. >誤解のないように:私は全角というシステムを嫌っているわけではないですよ。すばらしい設計だと思います。が、その設計前提(行の調整を避けたい、両端揃えが前提、同じ活字を縦にも横にも使いたい、など)が崩れてきているので、そうでない方法も考慮して記述したいと考えているだけです。 それは,よく分かっているつもりですが. >それにしても、長体や扁平体で組んでいるときに、行間は何を基準とするべきなんでしょうか。実装のためには精密に解釈できる必要があります。私のような素人がちょっと考えると、それは文字の行送り方向の幅かなと思いますが、どうでしょう? 字間と行間は,問題の性質がちょっと違うかな,というのが私の印象です.というのは,字間はデフォルトで,多くの場合に問題なく配置できます.いってみれば,文字の外枠を密着させていけばよい.これは文字の外枠が文字サイズの場合も,プロポーショナルな場合もです. これに対し,行間は,かならず,何らかの値を与えないといけない(行間がゼロというケースはないわけではないが,例外的).また,ラテン文字のように,例えば“三分”(もっともフォントによるので,これもそうとはいえないと思うが)という大方が納得している行間の大きさは,日本語組版にはないように思っています.そこが問題です. ただ,最近は,応用範囲というか,適用範囲の広い行間として,案外と文字サイズの1/2又は木田さんのいう,行送り方向の文字の外枠のサイズの1/2は,ちょっと狭いなと思うこともあるが,読めるか,という点では,けっこういい線をいっているように思う.ただ,行間はフォント(文字の外枠に対する字面の大きさ),字間がベタ(メールでは,専門用語は使う)か,空けるか,詰めるか,そして行長や読者,その文書の目的(例えば,ゆったりと読んでもらいたいときなどは行間は広くする)など,その使用状況を考えて,しっかり決めてほしいという点はいってもよいかもしれない. そして,行送り方向の文字の外枠のサイズの1/2という言い方は妥当だと思いますが,行間は,よく考えて決めてね,ということも大切かと思っています.なぜなら,それはテキストの印象を大きく変えるし,特に読みやすさに影響することが多いからです.(この点は紙の印刷でもいえることで,経験のある人が決めた行間は,問題がない場合はない,とは言わないが,大方はよい.ところが,どうもそうでない場合,行間が問題だなと思うことは,よくあります.) ちょっと横道,つい私は“本文”という用語を使うのですが,jlreq-dで避けるよう心掛けています(ある程度の分量のあるテキストみたいな言い方に変えている).その延長で,“ベタ組”“全角”“二分”“四分”という用語も使うのをやめてもいいかなと思っています.“アキ組”も“ツメ組”も,その用語を使わないで説明する予定です.ただ,“字間”と“行間”の用語は使用せざるがえない.“見出し”も使えると思います. >とするとどんな用語を使うと良いでしょうね。英語では字送り方向の幅の単位にemやenがあります。他にはあるでしょうか。CSSでは 次のような単位が定義されています >: >字送り方向 >- em: フォントサイズに等しい >- ch: 数字の0の送り幅。等幅フォントの幅に使う。 >- ic: "水"の幅 >行送り方向 >- ex: ex height >- cap: cap height >- lh: 空白行の高さ(フォントリストの最初のフォント(典型的にラテンフォント) >の空白文字U+0020を使って計算した値。行に内容があると、内容によって高さは変わ >ってくる) > >icが近いのですが、字下げを考えると全角空白を基準とした単位が必要です。lhの計 >算はU+0020ですから前例があると言えますかね。 >・「全角空白の字送り方向の幅」と毎回そのまんまな表現を使う >・fullwidthの訳として「全幅」。fullwidthは全角の訳ではなく、等幅なCJK文字の字 >送りの幅として定義されています。つまり、今回必要な定義に近いです。CSSの記述は、 >日本語組版の記述をより一般化して柔軟にするという意味で我々の先を行っています。 >・全角空白の字送り方向の幅、を省略して「空白幅」「全空幅」「全空白幅」。 >…… 私の現時点での考えは,あまり専門用語は増やさない.ちょっとくどいが,その場で必要な説明を行えばよい.そして,長さの単位としての“全角”の使用例は,それほどでもないので,使わないですませる.二分も四分もやめる.何々の1/2又は1/4といえば,それで済ませられる.ということで,以下でいいではないかと思っている. > 「全角空白の字送り方向の幅」と毎回そのまんまな表現を使う
Received on Thursday, 11 July 2024 03:53:40 UTC