Re: 手で書くこととデジタルに書くことの違い

木田泰夫 様
みなさま

 小林 敏 です.

  木田泰夫 さんwrote

>このようにデジタルテキストにおいては、手書きの時代と違う意味で、書き手の責任がとても大きい。書くということは、文字の意味を選択することだから。しかるに、正しい意味を持った文字を選択するのは場合によって困難である。さてどうするか。そこに、jlreq-d の最初の章、テキストの書き方、の章の必要性が生まれます。
>
>というストーリーができました。

この流れはいいと思います.

>さて、この「テキストの書き方」の章では文字の選択についてどの程度のことをカバーすべきでしょうか? 言語の書き方は国語審議会に任せるとして、おそらく約物が主体になるかと思いますが、個別の約物の使い方を説明するかどうか。どの程度まで個別に踏み込むか。
>
>それ以外に、例が挙がったような誤用しやすい例、「〜」の例のような使い手による意味の拡大、余分なスペースの意図しない混入、などここで議論されているその他の問題もカバーすべきですね。

漢字の異体字の扱いは,多少はふれてもよいと思うが,約物が主になるかと思います.どこまで書くか,何か書くかは,むつかしいので,一般的な方針ではなく,組版として問題になる事項を具体的に挙げていくなかで考えるしかないかな,とも思っています.

なお,国語審議会(今は,名称が変わっている,文化審議会の国語分科会)でも,約物についてルールを書いたもの,例えば,横組の句読点の使用法もあるが,横組の句読点は,jlreq-dで触れた方がいいかもしれない.どう使うかという方針だけでなく,何が,どのように問題を引き起こすかを説明する必要がある.

なお,国語審議会なり文化審議会の国語分科会でいっていることを,きちんと理解していない方もけっこういるように思います.そもそも内閣訓令は,公務員に対する命令ではあるが,民間に対する命令ではありません.また,告示は,ただお知らせするよ,ということでしょう.ただ,“常用漢字表”の“前書き”では,“法令,公⽤⽂書,新聞,雑誌,放送など,⼀般の社会⽣活において,現代の国語を書き表す場合の漢字使⽤の⽬安を⽰す”とは説明している(“書籍”と“Web”は例示に示されていません).

Received on Monday, 29 January 2024 03:57:42 UTC