- From: Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp>
- Date: Sun, 08 Oct 2023 09:50:40 +0900
- To: 小林龍生 <tlk@kobysh.com>, W3C JLReq TF <public-i18n-japanese@w3.org>
小林龍生 様 みなさま 小林 敏 です. いくつかコメントいたします. 1 読みやすさの評価は,とても重要で,こうした調査がすすむことは大いに期待しています. 2 ただ,読みやすさの評価は,各種の要素が絡んできて,その評価は簡単でない.以下の要素が重要かと思います. 1行の字数 字間の大きさ(フォントの字面の大きさ) 漢字と仮名のバランス 文字サイズ テキストのなじみ(既存の知識で対応できる,新しい概念を含む) テキストそのものの長さ 3 1行の字数が重要です.今回のテストでは,20数字のテストのようですが,この程度であれば,1.5程度で十分読めます.1.4でもそれほど否定的でないようなので,それは言える可能性がある. 4 字面の大きさ(フォントの字面の大きさ)も重要で,一般の明朝体では,字間があいて見え,一般のゴシック体では,字間が詰まってきます.前者がより広い行間を必要とし,後者は,やや詰めてもいいように思っています.今回の調査はやや字面の大きなフォントです.それでも,1.7ということは,紙の本よりはモニタの方が広い行間を必要とするのか,そうとも思えるが,感想だけの判断からは,すぐに結論を出すということにつながらない,とも思う. 5 文字サイズは大きくなれば行間はいくか狭めることができる.これは,今回の調査でも,同様な結論になっている. 6 ところで,今回の調査ではアンケートを主に調査していますが,読みやすさの評価は何をもって判断すればよいかは,とてもむつかしい.一般には,行間が広いにこしたことはない(ただし,その量は限界があり,全角以上はあまり影響ないというのがこれまでの経験)ので,どうしても広い方がよく,その結果として1.7という数値が出たのは,ある程度予想できることです.しかし,それが本当に読みやすいのか,どうか,また,読むといことで,何が実現できればよいのか,という評価の軸も同時に考えていかないといけない. 7 読みやすさの評価は,読んだうえでの理解度,読むスピード,読む人の感想などで評価できますが,読む際の疲労度は,ある意味で読みやすさの評価の判断にとって大きいと思います.以前,詰め組(1歯ツメでなく0.25歯ツメ)を行った際に,校正者から疲れが多くなたという意見を聞いたことがある.これは読みにくくなったということでしょう.その原因は慣れの問題か,ツメ組のせいかは不明ですが. 8 また,読む人の慣れの問題も大きいが,これはどう考えていけばよいか. 9 読みたいという情報は,少々読みにくくても読んでします,ということもある. 10 読みやすさも,長いテキストと短いテキストで対応は変わる.短いテキストであれば,すぐ読んでしまうので,疲れはほとんで問題ない.が,長いテキストこそ,読みやすさが重要.この長いテキストの読みやすさの評価はどう行えばよいか. 今後,こうした調査が,より詳細に行われることを期待いたします. 小林龍生 さんwrote >ご参考までに。 >https://www.g-mark.org/gallery/winners/15570?years=2023
Received on Sunday, 8 October 2023 00:52:07 UTC