Re: 行長は全角の整数倍であらねばならないか

山本さんのフィードバック、および敏先生の「英単語等が入る場合の調整処理」も組み込んでアップデートしました。

A. 日本語書体は、ベタ組みを基準として設計されている。これは英語書体が設計された文字間隔を持っているのと同じ。よって組版においても、ベタ組みを達成できることが重要である
大多数の書体は漢字と仮名が同じ統一的な幅で設計されている(以降等幅書体と呼ぶ)
漢字と仮名がそれぞれ異なる幅で統一されているもの(例:AXIS Concensed / Compressed)
それぞれの文字が独自の幅を持つプロポーショナル書体も存在する(縦書きではかづらぎ、横書きで存在する?)
B. 等幅書体を使い、かつ外国語などの非全角要素、禁則やルビ、文字サイズの変化などによって調整の入る行が例外的であるとみなせる場合、下の二つの方法が両方とも可能なことが望ましい:
B1. 両端揃えにし、Aを達成するため行長は等幅の整数倍にする。これは日本語の書籍などで伝統的に行われている方法である
英語と異なり空白文字での調節が不可能なので、ジャスティフィケーションを行う場合はベタ組みを達成するために行長が文字の幅の合計ぴったりにスナップされる必要がある
ツメ組み、アケ組みの場合には、一文字の幅が変化し、行長をその整数倍にする。
別の要素が、テキストの矩形にかかったり、内包される場合、テキストが回り込む位置はまた整数倍の位置である必要がある
日本語と例えば英語のジャスティフィケーションの効果の違いは、一行に存在する調整可能箇所が日本語は英語に比べて数倍多いので調整量がそれだけ分散され、かつ均等に分散しているので、英語で見られるような river の問題が存在しないことである。そもそも、ジャスティフィケーションされた日本語の一番理想的な状態は縦横に river のあることである
行の調整が入る例外的な行について、その調整量を少なくするための工夫(詳細は省略)
外国語単語に対してハイフネーションを許すなど、日本語コンテキスト中の外国語部分に対する工夫
仮名や漢字を詰める方向に調整する
これらとともにパラグラフ単位の調整を行う
縦書きで英字が正立する場合に任意の場所での分割を認める
例外の行が多くなってくると、B の方法は破綻するので、C を使う
Q: 基本版面の考えがない中、かつマルチフォント、マルチサイズの環境で、「等幅の整数倍」とは具体的に何の整数倍?
B2. 行頭揃えにする。行長は任意。ただし、行頭揃えの場合に問題となりうることは xyz。
C. 等幅書体でない場合、または、等幅書体であっても、外国語などの非全角要素、禁則やルビ、文字サイズの変化などが例外的でない場合は:
C1. 両端揃えにする。行長は任意。両端揃えであること自体を優先する場合にはこの方法
C2. 行頭揃えにする。行長は任意。ベタ組みであることを優先する場合にはこの方法



> o    B2. 行頭揃えにする。行長は文字サイズの整数倍とする。ただし、行頭揃えの場合に問題となりうることは xyz。


以前言われた、両端揃えに変えた時に困らないように、は「両端揃え」でカバーされているので不要だと思います。それ以外の意味で「行頭揃え」に対して行長を文字サイズの整数倍にする意味ありますか? 

木田

Received on Saturday, 9 September 2023 07:53:52 UTC