Re: 行長は全角の整数倍であらねばならないか

木田さんと、敏先生・太郎さんの感じ方の違いは、両端揃えを読んでいる割合の違いじゃないでしょうか?
Webでは、日本語でも両端揃えは極端に少ないので、行末が揃わないことに不自然さを感じないという点では、私も木田さんの感じ方に近いです。

それでも整数倍にする意味がある、という話をこの本で読みました。
オンスクリーン タイポグラフィ 事例と論説から考えるウェブの文字表現
https://books.rakuten.co.jp/rk/0c967e647bea36be8d4195f556ffb7ff


図版等がある時に、その端が、行の最大長に揃っていることを良しとしています。これも欧文のようにすべての行が異なる場合には通用しないとは思いますが、例えば和欧混植だとしても、半分なり1/3なりの行数の最大長が揃っていると仮定できるなら、そこに図版の右端が揃うことに意義はありそうに感じます。

こういうウェブ表現を考えている人たちからも、考えを教えてほしいですね。

On Wed, Sep 6, 2023 at 7:18 PM Taro Yamamoto <tyamamot@adobe.com> wrote:

> コメントをいただきありがとうございます。
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> > プロポーショナルでデザインされて、欧文の部分をロー
> > カルかつ局所的に対処できない時代に対しての何らかの提言をいまから考えておく、そしてそれに必要とさ
> > れる機能をCSSに突っ込んでいくというのが一つの目標なのではないのかな、と。
>
> これは以前に述べたことですが、行長を文字サイズの整数倍に制約しないことを許容すること、に反対しているわけではありません。
> また、日本語でもジャスティファイしない組み方、つまり行頭揃え・行末成り行きの組み方を許容すること、に反対もしていません。
>
>
> したがって、どのような場合に、どのように許容することが望ましいかを考える必要はあると思います。(これらを許容することの、必ずしも好ましくない副作用については議論が必要ですが)。
>
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> 反対していることがあるとすれば、それは、行長を文字サイズの整数倍に設定するか、しないか、ジャスティファイするか、しないか、の二者択一の問題にしてしまって、その上で、現代のWebでは、行長を文字サイズの整数倍に設定しないで、ジャスティファイしない方法を許容すべき場合が多い、そして、それが将来主流になるに違いないのだから、それだけを奨励すべきだ、という考えがあるとしたら、それには反対だ、というのが私の考えです。
>
>
> 例えば、欧文の単語が多用される文章の場合、欧文だけで何行も続く場合には、当然欧文のことだけを考えれば良いかもしれません。しかし、文書全体として見た場合に、日本語で書かれたテキストが、現在の大多数のフォントがそうである全角ベースの日本語フォントで組まれていた場合には、その中の漢字や仮名が全角を基準にデザインされたものであることを無視して文字を組むことはできません。欧文が入らない行が現れた途端に、従来の日本語組版に戻ってしまうわけですから(特に改行位置の決定・字間調整を行単位で行った場合)。しかも、文章全体が外国語で書かれていなければ、日本語で用いる漢字と仮名が多数を占めることは必然的です。
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>
> とはいえ、ダイナミックに版面の領域が変化するような場合には、行長を文字サイズの整数倍に制約しない方が良い場合が多いかもしれません。また、その場合には、ジャスティファイしない方が良いかもしれません。しかし、ダイナミックかスタティックかというのは、必ずしもWebか紙の上の印刷かの二極に分かれるわけではないでしょう。Web上や掲示デバイス上の表示でも、一定の書式に従って、あるテキストブロックに対して、一定の行長を指定する必要がある場合はあるはずです。そのような場合に、日本語のテキストを適正なスペーシングで表示するためには、行長を文字サイズの整数倍で指定することができ、その制約が有効になることが必要となります。同様にWebだからといって、行頭揃え・行末成り行きで組むのが最適である場合だけとは限らないのではないでしょうか。
>
> つまり、表示環境がstatic < - >
> dynamicのグラデーションの中のどの位置にあったとしても、その与えられた環境で最適の文字組版を提供できる選択肢が与えられる必要があると考えています。Webだから、基本的なところを省略しても良い、ということではなくて。基本的なところをカバーしつつ、よりdynamicに変化する表示環境では、何が必要となるかを考える必要がある、というのが私の考えです。私の考え方の方向が逆なのかも知れませんが、新しい状況に対応することの重要性を否定しているわけではありません。
>
> 山本
>
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Received on Wednesday, 6 September 2023 11:45:25 UTC