- From: Taro Yamamoto <tyamamot@adobe.com>
- Date: Wed, 6 Sep 2023 08:11:34 +0000
- To: 木田泰夫 <kida@mac.com>
- CC: Tatsuo KOBAYASHI <tlk@kobysh.com>, JLReq TF 日本語 <public-i18n-japanese@w3.org>
Received on Wednesday, 6 September 2023 08:11:43 UTC
木田さん * 行の調整を避けるために多段組にして行長を短くするテクニックがあるんですね。勉強になります。 そういう意味ではなくて、ジャスティフィケーションして多段組みにした場合に行長を短くせざるを得ない場合でも、禁則処理が発生時に字間を開く方向ではなくて、できるだけ詰まる方向で、そしてできる限り字間調整がパラグラフ全体のスペーシングに影響を与えない方法を選択する必要があるという意味でした。 Ø 日本語の文字の組み方を考える場合に、和欧混植の例を基準に考えることはできません。それは、禁則処理が例外的に発生する状況に対する措置であるのと同様に、和欧混植は、日本語の組み方にとっては例外なのです。 * 敏先生への返答に書いたように、私はこの前提自体が成り立たなくなっていると考えています。例外ではなく、それが常態であるテキストが多く存在し、その流れを止めることはできないということです。 「和欧混植の発生頻度が増えていく」ということと「日本語組版の位置と寸法の指定においては、全角ボディが基準であり、それが制約条件を課している」という原理的な事柄とは、論点が異なります。もし、前者が後者の前提を不要にしていくことがあるとすれば、それは大多数の日本語書体のデザインがプロポーショナルでデザインされて、新聞や単行本、雑誌、Webページなどがすべて、かつての古活字版における仮名のようなカリグラフィックでプロポーショナルな書体ばかりで組まれるようになった時でしょう。和欧混植という日本語組版における例外に対しては、既に、欧文の部分をプロポーショナルな欧文グリフを用いて組むことで、ローカルに局所的に対処してきたのです。しかし和欧混植の頻度が増えることが、日本語組版の基本的な原則を直ぐに無意味にしはしないのです。 山本太郎
Received on Wednesday, 6 September 2023 08:11:43 UTC