Re: 日本語組版のアクセシビリティ

木田さん、

> DAISY関係者内での合意はないようです。
>
>
> JLReq-d
> で言及する場合に、行間など合意が確立されているものや論文のあるもの以外は、ここで伝えてくださったように「こういう実装がある、こういう声がある」的に書くのが良いのでしょうかね…
>

今のところ、そう書くしかないでしょうね。


>
> もしくは反対に、読みにくいとわかっている組み方をそのように指摘するというアプローチの方が良いかもしれませんね。何名かに聞いてペケならペケだろうとわかるので。
>

うーん、例えば平仮名のほうを苦手とする人と、
漢字はすべて真っ黒に見える人がいるようです。
何人かに聞いても、たまたま一方の陣営
の人に偏っているかも知れません。

別の例では、分かち書きについての大阪医科歯科
大学での実験では 、苦手とする人も、得意とする
人もいることが分かりました。なかなか
一筋縄では行きません。


> 文節の途中で別の行になってしまうのは困るとはっきり言っていました。
>
> 右端をそろえるために行ごとに字間が変わってしまうと単語の認識の妨げになるようです。
>
>
> DAISY の教科書や一般書籍(ある?)は文節で改行なんですか?
>

いえ、文節改行はまだほとんど使われていないで
しょうし、 DAISY教科書ですらそうです。最近に
なって実装されるようになってきました。分かち
書きされている本なのに、文節の途中で改行する
ものもいっぱいありますよね。


> グループルビの途中での改行は、少なくとも初出の語については止めてほしいと言っていました。
>
>
> 文節単位での改行にすると、ルビ内での改行の必要性は自動的にほぼなくなりますよね。
>

そうですね。


>
> 長ーいものは致し方ないでしょうけれど、そのようなものは改行関係なく私にだって読みにくいですので、識字障害のある方にとっては余計に読みにくいのではと想像します。どんなもんでしょう。
>

たとえば「胡麻がら」という言葉がごんぎつねには
出てきますが、たまたま「が」の後で改行される
ことがあります。「が」は助詞だと思って読んで、
次の行が「ら」で始まっていて、意味が不明になる。
そして、「がら」と繋げて読まないと意味が通ら
ないことに気づく。これは、先日の会議であった
例です。

村田 真



> 木田
>
> 2022/10/01 22:26、MURATA <eb2mmrt@gmail.com>のメール:
>
> 皆さん、
>
> 10/1の日本DAISYコンソーシアム技術委員会で、日本語組版のアクセシビリティについていくつかの情報を得ました。
>
> 「マルチメディアDAISY教科書製作にあたってのガイドライン」
> <https://www.dinf.ne.jp/doc/daisy/activities/daisykanren/daisytextGuideline.html>には、「行間は2.6
> を基本とする。」という文面があります。これは、line-height:260%を意味しています。これについては関係者が協議して、これなら読めると合意した値です。ルビが多めに入っていることを前提としています。
>
>
> letter-spacingについては、「マルチメディアDAISY教科書製作にあたってのガイドライン」には記述はありません。フォントの大きさに関するものだけです。ChattyBooksというDAISYリーダのデフォールトでは0.2emになっていますが、ユーザインタフェースから変更可能です。一方、CYPAC社のDAISYリーダではコンテンツの指定に任せているそうです。letter-spacingを0.2emとすることについて、DAISY関係者内での合意はないようです。
>
>
> その他、ディスレクシアの方(二名)から出た話を書きます。ディスレクシアと言っても、いろいろなタイプがあり、症状も違うので、参考情報としてお聞きください。
>
> 行の右端が揃っているかどうかを問題視はしていないようです。しかし、揃えることに関連する問題はあります。
>
>    - 文節の途中で別の行になってしまうのは困るとはっきり言っていました。
>    - 右端をそろえるために行ごとに字間が変わってしまうと単語の認識の妨げになるようです。
>    - グループルビの途中での改行は、少なくとも初出の語については止めてほしいと言っていました。
>
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>  --
> 慶應義塾大学政策・メディア研究科特任教授
> 村田 真
>
>
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慶應義塾大学政策・メディア研究科特任教授
村田 真

Received on Sunday, 2 October 2022 14:04:11 UTC