Re: JLreq TF meeting notes 2022-8-16 (in Japanese)


> “自動写植”の“写植”が気になる.“写”は“写真(技術)”の意味,“植”は“植字”または“組版”の意味.最初の頃は“写真(技術)”に頼っていた時代もありますが,徐々に少なくなっている.できれば“自動組版”といった方がいいかとも思います.

グループルビの概念が生まれ、折り返しをしなくなった最初は、写真植字の時代ではなく、その後、ということですか?

> 個別箇所での手作業的作業は,かつての写研の“電算写植”の時代は,あまり考えていなかったのではないかな.たぶん,技術的に困難なので,分割禁止にしたのではないかな.

なるほど。ということは、長いグループルビが行の調整を過大にしても、それはそのまま出版されていた?

木田

> 2022/08/18 12:38、Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp>のメール:
> 
> 木田泰夫 様
> 
>  小林 敏 です.
> 
> 
>  木田泰夫 さんwrote
> 
>> 電算写植、もしくは普通の言葉で、コンピューターによる自動写植、あたりですかね。
> 
> “自動写植”の“写植”が気になる.“写”は“写真(技術)”の意味,“植”は“植字”または“組版”の意味.最初の頃は“写真(技術)”に頼っていた時代もありますが,徐々に少なくなっている.できれば“自動組版”といった方がいいかとも思います.
> 
> 以下の問題
> 
> 個別箇所での手作業的作業は,かつての写研の“電算写植”の時代は,あまり考えていなかったのではないかな.たぶん,技術的に困難なので,分割禁止にしたのではないかな.
> 
> すこし過去の事情を説明すると,当時は,編集者にとって組版処理の内容がまったくわからない,というのが現実だった.どう組版処理していたかは,ほとんどブラックボックスだった.印刷所でも出版社に説明しようという態度はほとんどなかった.“活版と同じでいいですよ.あとはおまかせください”という言い方が多かったんではないかな(極端なことをいえば,写研の“電算写植”でもポイントで指定してかまわないといっていた例がある,写研の“電算写植”では,“級”が単位で,最初は“0.5級”があるサイズは限られていた).つまり問題を回避し,現場にしわよせがいった.
> 
> ですから,個別箇所での手作業的なことは,すべておまかせ,ということで,結構
> 無理が通っていた.この現状は,私にとって理解しがたいことで,1980年代に,勉強会で10社ほど(写研,モリサワ,大日本印刷,凸版印刷など)のエンジニアを招いて,処理内容の詳細を聞いたことがある(マニュアルが入手できれば入手した).で,それを発展させ,処理内容をいろいろ議論し,公開しようということを仕組んでみたが,大方の関心がひかなかった.
> 
> その後,DTPが出てきて,マニュアルを読めるようになったが,一部の編集者を除き,主にDTPオペレーターの問題とだったんではなかったかな.
> 
> ということで,編集の現場と組版の現場の協同作業が,なかなかうまくいかなった.というのが過去です.それが改善されたのがJIS X 4051以降ということかと思います.
> 
>> 電算写植の上でグループルビという概念ができ、その分割を禁止としたのは、下の a, 
>> b どちらを目で素早く間違いなく見つけて修正しやすいかと考えると圧倒的に a であ
>> るから、ということかと想像しますが、正しい推論でしょうか?
>> a) グループルビのために行の調整が大きくなっている箇所を見つけてグループルビを
>> 手で分割するなどで対処。
>> b) 行の調整で十分対処できる場合にグループルビが分割されている箇所を見つけて分
>> 割禁止にする。また違和感のある分割がされている箇所を見つけて、手で分割をし直
>> し。
>> 
>> 私だって a に決めます。逆説的ですが、見つけやすくするために破綻を大きくする、
>> そういうルールにするわけです。仕様を決めた方はまだご存命でしょうかね。話をし
>> てみたいですね。
>> 
>> DTP含めこの段階でのコンピューター化は、自動化と言えど人の目での発見と修正を前
>> 提としている、コンピューターと人間が共同で組版作業を行うためのルールになって
>> いる、ところがデジタルテキストと対比したときに特徴的なように思います。
>> 
>> 木田

Received on Thursday, 18 August 2022 03:51:19 UTC