- From: Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp>
- Date: Thu, 28 Oct 2021 15:43:39 +0900
- To: "Atsushi Shimono (W3C Team)" <atsushi@w3.org>, W3C JLReq TF <public-i18n-japanese@w3.org>
下農 様 みなさま 小林 敏 です. 問題は複数あり,考えないといけない事項もいろいろあります.下農さんの整理に沿っていないかもしれませんが,1つ1つ,考えていくことにします.その最初に行間注の問題を考えてみました.私の考えは,分量の問題ではなく,ルビなり注記なりの内容の問題です. ルビには,必ず親文字列が対応いたします.そして親文字列は字または単語であり,その字または単語の読み,別語での言い直しなどです.あくまで親文字は字または単語(複合語を含む)が対象で,ルビも単語(複合語を含む)でしょう.ですから,親文字とルビの対応は強く,親文字からルビのはみ出しは,親文字列の前後の文字には掛からないのが望ましいのですが,ある条件では認める場合があります. これに対し,行間注は,注記ですから,対象は様々ですし,注記の内容も様々で,注記の文字種も様々です(ルビの場合は限られていますが,最近ではルビ文字列の漢字を含む例も出ていますが).字または単語の読みまたは別語の言い換えを注記で付ければ,まったくルビと同じことになります.ただし,一般的にいえば,単語の読みまたは別語の言い換えを注記とするケースは少ないでしょう.やるとすれば括弧書きの補足(注記)となるでしょう. 注記の対象(ルビでいう親文字)は,段落でも文でも,単語でもありえるし,その対象の指示は,通常は,該当箇所(ルビでいう親文字)の末尾,先頭などと,ある1点になる場合が多いでしょう.ある場合は,漠然とこのへんよ,とい場合もあります.その結果として,行間注は,該当箇所(ルビでいう親文字)からのはみ出しは問題となりません. まとめると,形式面でいえば,親文字または該当箇所の指示,親文字または該当箇所からのはみ出しが問題になるか,ならないか,という点にあるように思います. なお,補足するならば,どんな内容であっても,どの注の形式を選択してよいのではなく,ある程度,注記の内容なり,注記の分量により注記の形式は選択されなければならないでしょう.分量のとても多い注記を横組の脚注は,縦組の傍注にするのではなく,ある程度の分量であっても処理に自由度がある後注にするのが望ましいでしょう. なお,参考までに,私のイメージする行間注がいかなるものかを示すために,行間注の処理方法として考えたものを以下に掲げておきます. 行間注は,本文の対応させる位置だけが指定されているものと限定する.注と考えれば,本文の指定位置だけが特定できれば可能になります(一般の注でも合印などで指定する場合,位置だけが指定されています).親文字列でいえば,親文字列が0(ゼロ)の場合ということです.これで指定がなくても行間注は特定できます.行間注の文字サイズは,変更できることが前提です. 1 行間注の行送り方向の配置位置は,先頭側をデフォルトとして,指定により末尾側にも配置できるものとする.(縦組では右側,横組では下側の例があるので) 2 行間注文字列と指定された本文の指定位置の前後の文字列に対し,行送り方向のそれぞれの文字の外枠を接して配置することをデフォルトとする.(本文と行間注との間は空けないということ.) 3 行間注文字列の字間処理は,本文と同じとする.ただし,先頭又は末尾に配置する括弧類,句読点の前又は後ろの二分アキは確保しないものとする.また,2行に分割する場合の処理は,本文の処理と同じとし(つまり,2行への分割な可能な位置では分割できる),行末にアキがでた場合には,そのアキを確保し,行の調整処理は行わない. 4 行間注の本文の指定位置に対する字詰め方向の配置位置は,次とする.デフォルトは4.1とする. 4.1 本文の指定位置に対し,行間注文字列の字詰め方向の中心をそえる. 4.2 本文の指定位置に対し,行間注文字列の字詰め方向の先頭をそろえる. 4.3 本文の指定位置に対し,行間注文字列の字詰め方向の末尾をそろえる. *末尾を選べば,後注や脚注の行間に配置する注番号も,これで処理できる. 5 行間注文字列が本文の指定のある行の先頭又は末尾よりはみ出した場合は,次の順序ではみ出した行間注文字列を配置する. 5.1 行間注文字列の字詰め方向の中心をそえる場合は,本文の指定位置から両側に延ばし,行の先頭又は末尾を超えるときは,親文字の逆方向の前又は後ろに延ばし,それでも配置できないときは,段落の先頭行の先頭及び末尾行の両方向に延ばす.段落の先頭行の先頭又は末尾行の末尾に達した場合は,逆方向に延ばす. 5.2 行間注文字列の字詰め方向の先頭をそえる場合は,本文の指定位置から末尾側に延ばし,行の末尾を超えるときは,その行の前方向に延ばし,それでも配置できないときは,段落の末尾側の行に伸ばし,段落の最終行の末尾に達したときは,先頭側に延ばす. 5.3 行間注文字列の字詰め方向の末尾をそえる場合は,本文の指定位置から先頭側に延ばし,行の先頭を超えるときは,その行の後ろ方向に延ばし,それでも配置できないときは,段落の先頭側の行に伸ばし,段落の先頭行の先頭に達したときは,末尾側に延ばす.なお,行間注文字列が,段落の先頭及び末尾よりはみ出した場合は,上記と同様にして,前後の段落に延ばす. 以上です. "Atsushi Shimono (W3C Team)" さんwrote > JL-TFのMLにも去年に流れていましたが、simple-rubyのFP-NOTEを出してコメントが >https://github.com/w3c/simple-ruby/issues/46 (discussion) >https://github.com/w3c/simple-ruby/issues/44 (editorial; RichardがPR #45でほ >ぼ修正) >と来ております、というので、いまさらになってしまいましたが対応しようとしてい >ます。
Received on Thursday, 28 October 2021 06:46:09 UTC