- From: Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp>
- Date: Fri, 03 Sep 2021 09:38:05 +0900
- To: 木田泰夫 <kida@mac.com>, Koji Ishii <kojii@chromium.org>
- Cc: Tatsuo KOBAYASHI <tlk@kobysh.com>, JLReq TF 日本語 <public-i18n-japanese@w3.org>
木田 様 石井 様 小林 敏 です. 問題はないのですが,歴史的な経過ということで少し書けるでしょう.つまり経過を知ることで,判断する材料になるかもしれない. 現在は,縦組では,“~”を90度回転,さらに反転させた字形を使うのが普通.つまり最初の線は右から左という形. 実は,活字組版では,縦組では,この反転させた字形はなかった.縦・横で共通.つまり最初の線は左から右という形しかなかった. 元々は,“~”は,数学記号.戦前の古い印刷の本を見ると,この記号は,数学記号として掲げられている例がある(記述記号には掲げられていない).ですから,縦組で反転する必要もなかった.これが“から”にいつのまにか使用される用法が徐々に採用されてきた.“から”を示す場合,縦組の漢字や漢数字の字間では全角ダーシ,アラビア数字では二分ダーシを使っていたし,現在でもそうであるが,私の見るところ,この2つのケースとも“~”を使う例が多くなっているように感じている. ですから,1980年代前半以前の本では,“~”の使用例は少ないが,その例を見ると“~”を90度回転させた最初の線を左から右という形が普通.(この字形は,ここ1年ほど本を読む際に注意している.) 1980年代の後半以降に,反転させて最初の線を右から左という形が,徐々に見られるようになっている.現在では,この形が全部の本で使用されているといってよい.たぶん,写植とコンピュータ組版で採用されたのではと睨んでいるが,調査しようと思っているが,手がついていない. で,範囲を示す記号の用法の面で変化があったよ.ただし,まだ用法に2つが併存しているよ,という状態.(それを私は好ましいとは思わないが,言葉は変化するものなので,やむを得ない,そういうもんだよ,と思うしかないのでしょう.) 次に形も変化したよ,この変化は,上記と違って,ほぼ定着してしまったよ,ということのようです.“~”を縦組にする場合,反転しない形は間違いではないので,使うのはかまわないが,反転した形が定着しているのだから,現在では変転した形を使うのがいいでしょう,ということでしょう. 以上です. 木田泰夫 さんwrote >これって例示字形が修正された以降、残っている問題があるんですか? >U+FF5E FULLWIDTH TILDE って一体何、という問題かな? > >> >> 2021/09/02 16:32、Koji Ishii <kojii@chromium.org>のメール: >> >> 「波の向き」問題もぜひ! >> >> https://internet.watch.impress.co.jp/docs/special/691658.html >> https://www.slideshare.net/tsudaa/ss-36658329
Received on Friday, 3 September 2021 00:44:07 UTC