- From: Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp>
- Date: Mon, 24 May 2021 11:53:36 +0900
- To: 木田泰夫 <kida@mac.com>
- Cc: JLReq TF 日本語 <public-i18n-japanese@w3.org>
木田泰夫 様 みなさま 小林 敏 です. 行長が短い利点は,親しみやすさ,読みやすさに影響があるのでしょう.もっと も大きな理由は,段組にして行長が短いと行間を狭めることが可能になり,文字 収容字数が増やせるからということが大きいと思います.1行の字数が少ないと 文字サイズも小さくできます.雑誌では,例えば2段や3段は9ポイントとするが, 4段組では8ポイントにするといった例があります. 紙に印刷する場合,ページに収容する字数は原価に大きく影響します.Webでは, そうした配慮は必要性が少ないので,ケースにもよりますが,ある程度は望まし 行長(1行に配置する字数)を考えていくことが大切のように思います. ついでに段組に関連して,F.G.ケニオン著,高津春繁訳“古代の書物 ギリシ ア・ローマの書物と読者"(岩波書店(岩波新書),1958年)に,以下のような ことが書かれています. 巻子本(巻物)から冊子本に変わる段階で,冊子本には巻子本から写された痕跡 がある.それは段の幅の狭い3段組であったという.その後,経験をつむに従い, 段の幅が広くなった(つまり,1行の行長が長くなった).2段組になり,なかに は1段組も出てきた. 日本語とは異なり,横組の巻子本は,段組で処理しないといけないので,それに ならったようです.ですから,西洋の冊子本では,最初は段組であったようです. 木田泰夫 さんwrote >行が短いと、読みやすさか、美しさか、の妥協点が低くならざるを得ませんね。それ >なのに、新聞はずっとそうですね。英語でも紙の新聞は両端揃えかつ行が短い。何か >理由があるんでしょうかね。両端揃えは読みての慣れと紙面の節約、と想像がつくの >ですが、行長の短いのはなぜなんでしょう。 > >こう、時間の隙間にちょこっと読むような場合、行が長いと次の行を見つけるのが大 >変、とかそういう理由でしょうかね。 > >木田
Received on Monday, 24 May 2021 03:56:17 UTC