縦書き中のアルファベットや記号類

矢田さま、高田さま、
小林龍生です。

ご無沙汰しています。コロナ禍の中、いろいろ大変なことと拝察します。
いささか漠然としていますが、ちょっとご教示いただきたいことが。

現在、W3Cの国際化活動の一環として進められているJapanese Requirements for Japanese
Language(JLreq)というタスクフォースに係わっています。このタスクフォースで、長い間懸案となってきた日本語文脈の中での記号類(非漢字)の扱いについて、検討を進めています。その過程で、どうも、日本語文脈の中の記号類を、短兵急に、欧文の(ユニコードの)記号類に当てはめてしまったことが、混乱の根っこにあるのではないか、という疑念に逢着しました。そこで、この際、一度、ユニコードの符号位置との関係を横に置いておいて、日本語文脈の中での記号類の扱い/振る舞いについて、整理してみてはどうか、ということになりました。

ここからがお願いの段。
そもそも、記号類(いわゆる約物)の扱い方/振る舞いについて、日本語の表記史といった観点からの研究といったものは存在するのでしょうか。
実務に近いところでは、小学館の「句読点、記号・符号活用辞典」が大いに参考になっていますが、やはり、実務家(校正・校閲を専門とする編集プロダクションの経営者)の手になるもので、現状の混乱に引きずられているところが散見されます。
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ぼくたちが、直面している具体的な問題点を、いくつか挙げておきます。
・《くの字点》は、JIX X
0213にもユニコードにもあるが、そのそも《くの字点》を横組で表記するのは、どうすればいいのだろう。⇒ぼく個人としては、横組でくの字点なんか使うな、繰り返しをそのまま開いて表記しろ!という立場。
・縦組み専用の飲用符号と考えられているダブルミュート(〝〟)が、横組で出て来たらどうするか
・縦組み柱に、IBMといった固有名詞がでてきたらどうするか
・「わたしはΑでありΩである」といったときの、《Α》や《Ω》は、日本語なの、それともギリシャ語なの
・「ぎゃ〜、助けて」の《〜》って、いったい何なのさ。「ぎゃー、助けて」ではいけないの
脈絡もない雑駁な例ですが、ぼくたちの関心の拡がりは、何となくお分かりいただけたかと。

お忙しいことは重々承知。速答可能な範囲でお返事いただければ幸甚です。

Received on Thursday, 17 December 2020 23:54:11 UTC