- From: Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp>
- Date: Fri, 04 Dec 2020 20:25:27 +0900
- To: "Atsushi Shimono (W3C Team)" <atsushi@w3.org>, W3C JLReq TF <public-i18n-japanese@w3.org>
下農 様 小林 敏 です. "Atsushi Shimono (W3C Team)" さんwrote > shimonoです > > 最近いくつかフォントに関するissueが上がっているのですが、それについてご意見 >をお聞かせくだ >さい。 > > フォントのベースラインとem-boxについて、WHATWG/HTMLで >https://html.spec.whatwg.org/images/baselines.png >という図が >https://html.spec.whatwg.org/multipage/canvas.html#text-styles >の部分で示されていてこれについて他の記述と整合性がないじゃないか!というissue >が >https://github.com/whatwg/html/issues/6157 >にあげられています。 > 個人的には、OpenTypeのideoの定義のようにideographic baselineはem-boxの下の >境界線に(無理や >り?)相当する概念で、単純に図が間違っているだけだと思うのですが、修正のための >何か参照資料と >して出せる図や資料などご存知な方いらっしゃいませんでしょうか? 漢字がベースライン上にあるのはおかしい.原則として文字の外枠(仮想ボデ ィ)に対して天地左右中央に文字は配置する.図は,JLReqの“2.1.2 Kanji, Hiragana and Katakana 漢字等,平仮名,片仮名”に以下の説明があり,図もあ ります. “漢字等(cl-19),平仮名(cl-15)及び片仮名(cl-16)は,正方形の文字の 外枠を持っており,その文字の外枠の天地左右中央に,文字の外枠よりやや小さ くした字面を持っている(逆にいえば,字面の上下左右と文字の外枠との間には, 字面により大きさは異なるが,若干の空白を持っている).文字サイズは,この 文字の外枠のサイズで示す(Figure 3).” もちろん,ラテン文字でも微妙にラインより下に出る例もあるように,文字によ って位置の微調整はしています. > で、それに関連して、昔の活版の時代、em-boxの高さに収まるように英文字(半角・ >プロポーショナ >ルの両方、全角はem-box全体に合わせて?)のフォントがデザインされていて、縦書き >の場合は全角は >そのまま、それ以外は単純に90度回転させて(回転後のem-boxの上下が縦書きのem-box >の左右に合致す >るように)配置していたのだと理解しているのですが、フォントデザインにおいて"高 >さに収まるよう >に"という中ではどのように基準線が赤経されていたかって何か資料ありませんでしょ >うか。 和文は,仮想ボディのどの程度かは,必ずしも一定していません.フォントによ り異なり,仮想ボディにほぼ一杯のものもあれば,やや小さいものもありました. 漢字と仮名でも異なります.フォントデザインで変えていたのです. 活字の場合は,英文ではフォントサイズごとに原図を作成していたので,活字の ボディ(台,つまり仮想ボディ)を考慮して作成しますが,その完成した活字の サイズではなく,5cm程度の大きさで原図を書いて,縮小して母型を作製します. ですから母型を作製する段階で縮小率で,変えることは可能ですが,決めていた と思います. 和文は,活字サイズごとではなく,3パターンくら,小さき文字用,中くらいの 文字用,大きい文字用の原図を作成し,縮小率を変えた,各サイズの母型を作製 していました.. 厳密に書かれてものは,あまり記憶がありませんが,和文の場合,仮想ボディの 何パーセントくらいという話は,特に写植関係の本で読んだ記憶があります.こ のパーセントはフォントにより異なっていたようです. 活字では,最終的にを鋳込む際に寸法を測り,目視でも確認して,ボディ(台) に対する位置を決めていたのです.鋳込んだ活字の位置がおかしいと,寄り引き といって問題にされていたので,印刷所でも,注意して作業していたのです. > JLreqに >https://github.com/w3c/jlreq/issues/246#issuecomment-738480046 >という質問が来ているのですが、日本語の文字にベースラインなんて概念はないので、 >ベースライン >がJLreqに記述がないというのは難癖なので却下としたとしても、ここら辺の上下配置 >の参考資料を別 >途何かまとめたものをリンクしておくか、なければちょろっと程度の簡単な参考資料 >としてまとめて >おいた方がいいのかな、とふと思ったところです。 前述の文字の外枠の説明ではだめですか? ただ,DTPでは,ラテン文字のベースラインと和文の位置を揃えるため,和文に もベースラインを考えないといけない,という議論があり,たしか,和文の仮想 ボディの88パーセントという位置でよいと意見もあったことはありました. なお,以下にも説明があります. https://www.jagat.or.jp/past_archives/content/view/5636.html
Received on Friday, 4 December 2020 11:32:50 UTC