Re: ルビと行間注の違い

村田 様
みなさま

   小林敏です

MURATA Makoto さん wrote

> 行間注をWebに入れるべきかというと、とうぜん議論になります。頭注、傍注が
> ないのに、なぜ行間注という気もします。おそらくWHATWGを突破できない
> と予想します。
> 
> 村田 真

行間注をWebに入れるかどうかの判断は,私には無理ですが,使用
頻度は縦組の頭注・脚注,横組のサイドノートに比べると,行間注
は少ないと思いますが,根強い要望はあるでしょう.

そして,行間注の機能が採用できなく,なにか行間注の機能を記述
できないかとした場合,私に考えられることは以下です.

1 ルビの機能を拡張して,ルビ注(行間注のこと)が処理できる
機能の記述を追加する.
名前を“行間注”としないで,ルビとの関連を残すために“ルビ注”と
変更する.

2 ルビ注であることを示す方法としては,次の2つがある.
1)指定による.
2)少しだけ使い勝手が悪くなるが,親文字の指定で区別できる
   ようにする.

前者の1)の場合は,親文字列は,いかようにも指定できるという
ものです.

指定によるという事態を避ける後者の2)の方法は,モノルビ,熟
語ルビ,グループルビが,親文字列とルビ文字列との組み合わせ方
(対応のさせ方)で決まるということを維持するものです.つま
り,1字の親文字列の場合はモノルビ,2字以上の個々の漢字とルビ
を対応させ,さらに2字以上の漢字全体のまとまりも示すものが熟
語ルビ,2字以上の親文字列とルビ文字列を直接に対応させるもの
がグループルビということになります.

これに対し,ルビ注(行間注)は,本文の対応させる位置だけが指
定されているものと限定する.注と考えれば,本文の対応位置だけ
が特定できれば可能になります(一般の注でも合印などで指定する
場合,位置だけが指定されています).親文字列でいえば,親文字
列が0(ゼロ)の場合ということです.これで指定がなくてもルビ
注は特定できます.

ルビ注(親文字列が0(ゼロ)の場合)の配置ルールを以下とす
る.なお,ルビ注の文字サイズは,変更できることが前提です.

1 ルビ注の行送り方向の配置位置は,先頭側をデフォルトとし
て,指定により末尾側にも配置できるものとする.(縦組では右
側,横組では下側の例があるので)

2 ルビ注文字列と指定された親文字の前後の文字に対し,行送り
方向のそれぞれの文字の外枠を接して配置する.

3 ルビ注文字列の字間処理は,本文と同じとする.ただし,先頭
又は末尾に配置する括弧類,句読点の前又は後ろの二分アキは確保
しないものとする.また,2行に分割する場合の処理は,本文の処
理と同じとし(つまり,2行への分割な可能な位置では分割でき
る),行末にアキがでた場合には,そのアキを確保し,行の調整処
理は行わない.

4 ルビ注の親文字に対する字詰め方向の配置位置は,次とする.
デフォルトは4.1とする.
4.1 親文字の位置に対し,ルビ注文字列の字詰め方向の中心をそ
える.
4.2 親文字の位置に対し,ルビ注文字列の字詰め方向の先頭をそ
ろえる.
4.3 親文字の位置に対し,ルビ注文字列の字詰め方向の末尾をそ
ろえる.
 *末尾を選べば,行間に配置する注番号も,これで処理できま
 す.

5 ルビ注文字列が親文字のある行の先頭又は末尾よりはみ出した
場合は,次の順序ではみ出したルビ注文字列を配置する.
5.1 ルビ注文字列の字詰め方向の中心をそえる場合は,親文字の
位置から両側に延ばし,行の先頭又は末尾を超えるときは,親文字
の逆方向の前又は後ろに延ばし,それでも配置できないときは,段
落の先頭行の先頭及び末尾行の両方向に延ばす.段落の先頭行の先
頭又は末尾行の末尾に達した場合は,逆方向に延ばす.
5.2 ルビ注文字列の字詰め方向の先頭をそえる場合は,親文字の
位置から末尾側に延ばし,行の末尾を超えるときは,その行の前方
向に延ばし,それでも配置できないときは,段落の末尾側の行に伸
ばし,段落の最終行の末尾に達したときは,先頭側に延ばす.
5.3 ルビ注文字列の字詰め方向の末尾をそえる場合は,親文字の
位置から先頭側に延ばし,行の先頭を超えるときは,その行の後ろ
方向に延ばし,それでも配置できないときは,段落の先頭側の行に
伸ばし,段落の先頭行の先頭に達したときは,末尾側に延ばす.
なお,ルビ注文字列が,段落の先頭及び末尾よりはみ出した場合
は,上記と同様にして,前後の段落に延ばす.

以上です.

Received on Friday, 31 July 2020 01:01:00 UTC