- From: Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp>
- Date: Mon, 06 Jul 2020 07:02:09 +0000
- To: MURATA Makoto <eb2m-mrt@asahi-net.or.jp>, W3C JLReq TF <public-i18n-japanese@w3.org>
MURATA Makoto 様 小林敏です 誤解は与えるのは最悪ですが,そうでない例でも,何が要求される 読みか,一義的に決まらない例がかなりあるように思います.ある いは,一瞬,理解にとまどいがでる例もあるかと思います.これら はどう考えたらいいのかな.まず,思いついた例は,送り仮名があ る例です.ルビは〈〉で示す の気持〈きも〉ちが → の きも きも ち が と読むのかな? の きもち きも が は利〈き〉けるが → は き き ける が それとも → は きける き が つまり、ルビの付く語だけで限ってよむのか,それとも単語単位 か? 尾行〈つ〉けていく → つ つ けていく それとも → つけていく つけていく → びこう つ けていく 次に カタカナのルビを付ける場合,その言葉をルビのように音に 出して読んでほしいのではなく,どちらかといえば,漢字は普通に 読んでもらい,付加情報としてカタカナのルビを付ける例もある. この場合は,どう考えららよいのかな? また,漢字はどうよんで ほしいのかな判断に迷う例もある. 平仮名のルビの例でも同じ問題があり,漢字は漢字の一般的な読み か,それともルビの読み方か? 湯泉〈ゆ〉 ゆ ゆ または おんせん ゆ これは,後の方で読んでほしい 例 校正刷〈ゲラ〉 → ゲラ ゲラ あるいは → こうせいずり ゲラ これも後の方がいいようだ? かくあれかし〈アーメン〉 →かくあれかし アーメンは,2度読 みの意味はあるし,こうとしか読めない 複合語は,どう読むか? 空襲〈くうしゅう〉警報〈けいほう〉 → くうしゅう くうしゅう けいほう けいほう → くうしゅうけいほう くうしゅうけいほう とりあえず思いついたものを示しましたが,これから,いろんな本 を読む際に注意するようにいたします. MURATA Makoto さん wrote > 皆さん、 > > ルビを読み上げのときにどう利用するかはさまざまの > 選択肢があるわけですが、現実には最悪の選択が > なされることが多いようです。それは、親文字を読み > 上げ、ルビも読み上げるという選択です。 > > 両方読み上げられると理解不能になることがしば > しばあります。どちらも同じ音になれば理解できます > が、そういう場合だけでしょう。 > > 親文字とルビの両方を読み上げると意味が変わって > しまうということもあります。以前、ルビタグ(Unicode)のとき > の故樋浦さんからの検討資料には以下の例がありました > (木田さん、小林さんも一緒に検討していましたよね?)。 > > でわない > 彼の名前は 出羽内 です -> 彼の名前は出羽内でわないです。 > His name is Dewanai. -> His name is NOT Dewanai. > > はむし > 羽虫 です。 -> 羽虫はむしです。 > This is an insect. Ignore the insects. > > はなし > いい 話 ですよ。 -> いい話はなしですよ。 > This is a good deal There is no good deal > > はなし > 話 にならない -> 話はなしにならない > Nonsense! You have to deal with it. > > 以下は、サイパックの工藤さんからいただいた情報です。 > > スクリーンリーダにDOMツリーを渡してくれないアプリだと、 > 二重読みを回避するのは困難です。 > > 逆に言えば、渡してくれればスクリーンリーダさえちゃんと作れば回避できま > す。しかし、現状はそうではありません。iOSではVoiceOverはDOMツリーを > 受け取れるようですが二重読みをします。これはAnddroidのTalkBackでも同じ > だと聞いています。 > > というわけで、二重読みは駄目!という注意を喚起する > 資料を急いで作るべきではないかと考えています。W3C, APL, > DAISY, WAICなどが候補です。 > > 村田 真 ――――――――――――――――――――― 小林 敏(toshi) 2020年 7月 6日 e-mail: binn@k.email.ne.jp ―――――――――――――――――――――
Received on Monday, 6 July 2020 07:02:09 UTC