ルビ: 親文字とルビの二重読み

皆さん、

ルビを読み上げのときにどう利用するかはさまざまの
選択肢があるわけですが、現実には最悪の選択が
なされることが多いようです。それは、親文字を読み
上げ、ルビも読み上げるという選択です。

両方読み上げられると理解不能になることがしば
しばあります。どちらも同じ音になれば理解できます
が、そういう場合だけでしょう。

親文字とルビの両方を読み上げると意味が変わって
しまうということもあります。以前、ルビタグ(Unicode)のとき
の故樋浦さんからの検討資料には以下の例がありました
(木田さん、小林さんも一緒に検討していましたよね?)。

          でわない
彼の名前は 出羽内 です -> 彼の名前は出羽内でわないです。
His name is Dewanai.   -> His name is NOT Dewanai.

はむし
 羽虫 です。           ->  羽虫はむしです。
This is an insect.         Ignore the insects.

    はなし
いい  話  ですよ。     ->  いい話はなしですよ。
This is a good deal        There is no good deal

はなし
  話  にならない       ->  話はなしにならない
Nonsense!                  You have to deal with it.

以下は、サイパックの工藤さんからいただいた情報です。

スクリーンリーダにDOMツリーを渡してくれないアプリだと、
二重読みを回避するのは困難です。

逆に言えば、渡してくれればスクリーンリーダさえちゃんと作れば回避できま
す。しかし、現状はそうではありません。iOSではVoiceOverはDOMツリーを
受け取れるようですが二重読みをします。これはAnddroidのTalkBackでも同じ
だと聞いています。

というわけで、二重読みは駄目!という注意を喚起する
資料を急いで作るべきではないかと考えています。W3C, APL,
DAISY, WAICなどが候補です。

村田 真

Received on Sunday, 5 July 2020 10:56:42 UTC