Re: [jlreq] 落語ネタ:阿Q正伝から1Q84へ (#324)

>**ご隠居さん:**ありゃりゃ、今回は、大家さんかい、面倒な問題を持ち込むのは。
>魯迅の阿Q正伝が発表されたのは、1921年から1922年にかけてだから、このころすでに
>ラテンアルファベットが日本語の中に混在していたことは間違いないね。というか、
>幕末の開国以来、日本語と英語などのまさに横文字との混在は、本の執筆や出版の上
>で、まさに、頭の痛い問題だったからね。今でも、いろいろな意味で、スッキリしな
>いことがたくさんあるよ。

ラテン文字と和文の混ぜ組ですか.いわゆる和欧混植ですね.私が若い頃は縦組ではあまり欧字は使っていなかったと思うが,最近はラテン文字の使用は増加傾向にあるんじゃないかな.OECDやfMRのような頭字語,日本でもJASRACという団体もある.今はやっているのはCOVID–19だし,WindowsやWebは,昔だったら片仮名表記だったでしょう.ラテン文字が多い場合は横組を考えたものだが,今や縦組でも,けっこうラテン文字を使用している例は多いね.

このラテン文字と和文とは,文字設計の考え方が基本的に異なっている.つまり,和文とラテン文字はデザインの面からみると異質な文字である.それを組み合わせる組版では,いろいろな問題が出てくる.特に行送り方向の位置をそろえる問題については,活字組版時代から意見の相違があった.例えば,“和文に対して,ラテン文字を下げろ”,“下げるとおかしい”,“ラテン文字の文字サイズを大きくした方がよい”,“それはフォントを選ぶ際に注意すればよいことでしょう”,……,といったように,そこでは共通の認識に到達することは難しい面があった.

字詰め方向で考えても,和文では全角の文字の外枠を基本としてしており,ある程度のまとまりごとに読んでいくが,基本は1字1字で読んでいく.これに対し,ラテン文字は,プロポーショナルであり,単語を単位に読んでいくので,単語としてもまとまりが大切で,単語内の文字間も和文よりも狭く,その字間は均等に見えるように設計されている.

混植するラテン文字のフォントや文字サイズをどう選択したらよいか,そのうえで,基本はプロポーショナルのラテン文字を使用するとして,大きな問題としては次の3つがあると思う.
 1 縦組ではラテン文字の向きをどうするか.正常な向きにする場合はどのような方法によるか.
 2 ラテン文字の行送り方向の位置はどう考えたらよいか.
 3 字詰め方向では,ラテン文字と和文との字間はどうしたらよいか.

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