- From: KobayashiToshi via GitHub <sysbot+gh@w3.org>
- Date: Mon, 06 Sep 2021 04:48:47 +0000
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縦組の波形には,線の最初が右から左という形と,左から右という形があるが,どちらが正しいですか? 波形は,もともとは数学記号(差を示す,今日では集合で同値を示すなど)であり,戦前の印刷の本では,波形を数学記号としてしか示していない本もあります.これが範囲を示す記号に代用され定着したと思われます.ですから,活字組版では,横組の字形を90度回転させ,さらに反転させた縦組用の字形はなかった.縦・横で共通.最初の線は左から右という形しかなかった(活字組版では,正方形のボディ(台)ですから,活字の向きを変えるだけで,縦組と横組に使用できた). ですので,1980年代までは,縦組に用いる場合,横組字形を単純に90度回転させて字形(最初の線が左から右に)が使用されてる例を見かけます. 例:下順二「訳」著“木下順二が語る 保元物語”(平凡社(かたりべ草子),1984.1.10,p.56) “世界”(1985.5.1,岩波書店,p.91) ところが,1980年代の中ごろから,90度回転させた字形(最初の線が左から右に)が見られるようになっており,今日では,多くがというか,すべてが反転(最初の線が右から左に)させる字形が使用されています(すくなくとも,2020年以降で刊行された本で,横組字形を単純に回転させた字形は見ていません). 例:“アステ vol.3”(1986.11.1,p.13) 宇野功芳著“クラシック名曲・名盤”(1989.5.30,講談社現代新書,p.98) どうも,手動写植やコンピュータ組版が使用されてきたことが影響されたのではと,推測しています. ですから,縦組の波形の形は,反転しない形は間違いではないので,使うのはかまわないが,反転した形が定着しているのだから,現在では反転した形を使うのがいいでしょう. -- GitHub Notification of comment by KobayashiToshi Please view or discuss this issue at https://github.com/w3c/jlreq/issues/298#issuecomment-913335888 using your GitHub account -- Sent via github-notify-ml as configured in https://github.com/w3c/github-notify-ml-config
Received on Monday, 6 September 2021 04:48:49 UTC