- From: Hiroshi Kawamura <hkawa@attglobal.net>
- Date: Thu, 20 Jan 2011 10:36:20 +0900
- To: <public-html-ig-jp@w3.org>
- Message-ID: <035001cbb842$719e1950$54da4bf0$@net>
政府の「障がい者制度改革推進本部」のホームページ http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/kaikaku/kaikaku.html#kaigi には、 <http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/kaikaku/pamphlet/direction/index_pdf. html> @律(ほうりつ)や制度(せいど)をより良(よ)いものにする方向性(ほう こうせい)<わかりやすい版(ばん)> 障害者(しょうがいしゃ)制度改革(せいどかいかく)のための第二次意見(だいに じいけん)(るびつき) [ 1-2 PDF:449KB <http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/kaikaku/pdf/iken2-rubi1.pdf> 2-2PDF:429KB <http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/kaikaku/pdf/iken2-rubi2. pdf> ] などの全ルビつきのコンテンツがあります。 これはルビを必要とする知的障害者や手話を使うろう者のためと考えられています が、PDFフ@イルであり、スクリーンリーダーで読むのは困難です。 また、BLISSや絵文字をルビとして文章に入れたいと考えている北欧の研究者にも会 いました。 BLISS、絵文字(ピクトグラム)、PCS(Picture Communication System)について は, http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/access/guideline/lesersokerbok/bliss_pict ograms.html に、簡潔な説明があります。 ルビの議論には、このようなルビの使い方も考慮にいれる必要があります。 その上で、TTSによる読み上げとルビの関係について整理しなければならないと思い ます。 視覚障害者が日本語TTSを使って正確に読む環境を考えると、TTSが読み上げの対象と なる漢字かな混じりの文字列を解析して文節を切り出し、それと辞書と対照して読み を決定することを基本として、それでは読めない固有名詞や特殊な読み方をする場合 に、著者の意図を正確に伝えるための音声化情報をマークアップしてTTSに渡すとい うしくみが求められています。 現状は、そのような標準的なマークアップの方@が無いので、日本語解析エンジンの @能向上と辞書の充実を図り、同時にこのような用途に使えるマークアップの開発と 標準化を進める努力がDAISYコンソーシアム等で行われていて、村田さんが指摘する ようにEPUBにも反映されると思います。 <http://code.google.com/p/epub-revision/wiki/F2F201006LightningTalks#Solutio ns> http://code.google.com/p/epub-revision/wiki/F2F201006LightningTalks#Solution s <http://code.google.com/p/epub-revision/issues/detail?id=54> http://code.google.com/p/epub-revision/issues/detail?id=54 日本語の実装の段階では、SSMLをサポートする日本語TTSが必要になります そこで、著者が正確な読みをルビを使って記している場合はそれを活用するというこ とになります。視覚障害者が通常使うスクリーンリーダーで、常にルビを読むとルビ の部分はいつも二度読むことになるので、これではわずらわしいと思う場合と、例外 的な読みがあった場合はやはり両方読んでほしいという場合の二通りが考えられま す。外国地名や中国人名のルビの場合は、漢字の綴りも知りたいときは「詳細読み」 で確かめたいのですが、その場合、何らかの方@で、地の文が「シャンハイ」なのか それとも「上海」のルビを読んだのかを知ることができると便利だと思います。これ らの@能を、国際標準、スクリーンリーダー、TTSエンジン、あるいは電子書籍リー ダーやDAISYプレイヤーなどのアプリケーションが協調して効率よく提供することが 大事だと思います。 文芸作品は著者の創造性にゆだねられる領域なので、まずは教科書や公文書などの公 金を使っている文書の製作ガイドラインをベースに、著者の意図が正確に様々なニー ズを持つ利用者に伝えられるための技術仕様の議論をして一定の結論を導くべきだと 思います。 河村宏 www.daisy.org hkawa@atdo.jp
Received on Thursday, 20 January 2011 01:37:00 UTC