Re: ルビについて(利用者からの若干の経験)

自宅アドレスも登録しました。

河村先生がお詳しいと思うのですが、

これまでの視覚障害者のための図書館蔵書は古典・名作や男性中途視覚障害者の要望で「***捕物帳」などの図書が多かったように思います。

このところ、発達障害青年に「何が読みたい?」と聞くと、表紙は漫画になっている文庫(一般名称がわからない・・)とかロック・ミュージッシャンの自伝が多く挙げられます。ある読み書きが苦手なその青年はロック・ミュージッシャンになることを将来の夢にしていましたので、ロック・ミュージッシャンの自伝はある種の進路ガイダンスにもなるので、是非、読んでほしいと思います。が、図書館にはない。
そういう本に、漢字本来の読みと違うルビが予想以上に目立ちました。
意図的に使っているのだと思います。

失語症の方の場合は、漢字は読めないけれどひらがなは読める方だったので、ルビが多い本を選んだのかと思うくらいに、たくさんルビのある文庫の電子化を希望されました。ほとんどは従来の読み方なのですが、キーワードのような語に違う読み方が当ててある印象がありました。
ご指摘のように、一般にも変わった読み方が増えていますので、そう大げさではない考慮が少しあれば、と思いました。
そもそも読めない人が読めるようになることを優先させれば、枝葉末節にこだわっている場合ではないかもしれません。

著者の立場や他の人と同じ文書についての理解を共有するには、「宇宙」は「そら」と読む方がよさそうですが、
危険といえば、「宇宙」を「そら」と覚えてしまう可能性は危惧されるかもしれません。

北村

Received on Thursday, 13 January 2011 12:38:01 UTC