- From: 道広 勇司 <neniu@moji.gr.jp>
- Date: Sat, 02 Apr 2011 10:33:21 +0900
- To: "public-html-ig-jp@w3.org" <public-html-ig-jp@w3.org>
道広です。 強制ぶら下げを含めて,日本語組版の行末処理モードを組織的に整理した 最初の文献は下記の物ではないかと思います。 コマーシャルフォトシリーズ 『明解 クリエイターのための印刷ガイドブック DTP実践編』 「日本語文字組版とDTPのための画像処理術」 玄光社企画編集部 編,玄光社(1999) 強制ぶら下げは日本語組版において,比較的新しい提案であると思います。 いずれにしても,行長が十分に長くて,かつ欧文などが入ってこない,破 綻しにくいものにのみ使うべきです。 ウェブや電子書籍のように行長が動的に変わる組版で force-end を選択す るのは慎重であるべきでしょう。 英語組版では,やはり日本語と同様,行末がぴしっと揃って見えるように するために使われるようです。 私は D.E Knuth の『TeXブック』(アスキー)で初めて知りました。 ピリオド,カンマの類いはグリフの天地が小さいため,たまたま折り返し 行末にくると,遠目にはそこがへこんで見える,これを回避したいという ことです。 (11/03/22 21:11), Koji Ishii wrote: > 「強制ぶら下げ組」という言葉が正しいかどうかわかりませんが、現在のCSS3 Textでは二種類のぶら下げ組[1]を定義しています。 > > ''allow-end'' が通常のぶら下げ組で、''force-end'' は、句読点が行の最後にあった場合にもぶら下げ、その分行を伸ばす処理を行う、というものです。 > > これに対し、現在の仕様では > ●そのことが明確に書かれていないこと > ●text-alignがjustify以外でも動作するように記載されているが、実質動作できない > ●段落の最後に位置する場合でもぶら下げるかどうかが明確でない > ため、仕様を修正する旨のメール[2]を英語MLに出しました。これで大きな反対が付かなければ、仕様を修正します。 > > JLREQでは3.8.2[3]の注1でぶら下げに触れられていますが、強制ぶら下げについては否定的な見解としています。 > > またぶら下げは行長の短い新聞などでより多く使われますが、今日朝日新聞の方とお話しする機会があり、ぶら下げ組はぜひ実現してください、とおっしゃられていましたが、強制ぶら下げについては、興味をお持ちでないようでした。 > > 資料や知人をたどり、''force-end'' の正しい仕様についての調査は薦めますが、要望として小さいようであれば、削除する可能性も含めて議論を進めるつもりですので、ご意見や正しい挙動をご存知の方はご教示いただけると幸いです。 > > よろしくお願いいたします。 > > [1] http://dev.w3.org/csswg/css3-text/#hanging-punctuation > [2] http://lists.w3.org/Archives/Public/www-style/2011Mar/0488.html > [3] http://www.w3.org/TR/2009/NOTE-jlreq-20090604/ja/#ja-subheading2_8_2 > > -- 道広勇司 http://moji.gr.jp/ http://moji.gr.jp/cafe/ http://twitter.com/horuf/
Received on Saturday, 2 April 2011 01:33:50 UTC