- From: 道広 勇司 <neniu@moji.gr.jp>
- Date: Sat, 02 Apr 2011 10:11:10 +0900
- To: public-html-ig-jp@w3.org
道広です。 (11/04/01 20:00), MURAKAMI Shinyu wrote: >> ただし,AH Formatter の組版結果には奇妙な点があります。 >> ぶら下げ句読点に引かれた下線が,全角のものと二分のものがあ >> るのです。 >> trim プロパティーに関係するのでしょうか。私は trim を理解 >> していません。 > > はい。text-trim プロパティによります。 > (AH Formatterの実装ではまだ旧ドラフトがベースの -ah-punctuation-trim プロパティですが、ここでは最新の CSS3 Text ドラフトの text-trim に従って記述します) > > text-trim: keep-end(InDesign の文字組み設定の「約物全角」などに相当)では、行末の句読点はぶら下げかどうかに関わらず全角幅に下線が引かれます。InDesign で試しても同じでした。 > > text-trim: force-end(InDesign の文字組み設定の「行末約物半角」などに相当)では、行末の句読点はぶら下げかどうかに関わらず半角幅に下線が引かれます。(InDesign で試しても同じ) なるほど。 text-trim プロパティーって,行末約物の全角取り固定,半角取り固定, 調整可能,を制御するものなのですね。 ただ,こういう設定の目的は,行末に約物が来たときの空きの量を制御 することであって,それはぶら下げない場合の話だと思います。 全角固定 → 行送り方向に文字が揃いやすい 半角固定 → 行末がでこぼこしないで揃って見える 調整可能 → 行全体の調整がしやすい ぶら下がった約物の字幅に影響するのはおかしいと思います。 傍線・背景色が無ければ問題は顕在化しないわけですね。 > text-trim: normal(=allow-end。InDesign の文字組み設定の「行末受け約物全角/半角」などに相当)では、ぶら下げをしない場合、行末約物が全角ドリになるのなら全角幅に下線が引かれ、半角ドリになるのならば半角幅に下線が引かれます。 > AH Formatter の今の実装では、これと hanging-punctuation: force-end (強制ぶら下げ)を組み合わせたとき、ぶら下げ処理をする前に全角ドリで行に収まるようならば全角幅に下線が引かれ、そうでないなら半角幅に下線が引かれるという不統一なことになり、よろしくありません。この処理は見直したいと思います(半角幅に下線が引かれるように統一したい)。 > InDesign の「行末受け約物全角/半角」では、「約物全角」の場合と同じく、いつも全角幅に下線が引かれるようです。行末の句読点が半角ドリでぶら下げ無しになった場合にも全角幅に下線が引かれるので行の外に下線が半角幅分はみ出して見えて、よろしくないです。 うーん。 ところで,text-trim: normal; hanging-punctuation: none の場合, 行末約物はベタ(半角取り)/二分空き(全角取り)のいずれかになる んでしょうか。それとも,ベタから二分空きの間で調整されるんでしょ うか。 >> 印刷物では,網掛け箇所がぶら下がってしまったら,詰めるか >> 追い出すかして,局所的にぶら下げを回避すると思います。 >> 固定レイアウトだからできることですね。 > > CSS では、網掛け(background)を指定するインライン要素に hanging-punctuation: none(ぶら下げ無し)を指定すれば、回避できます。 ああ,なるほど。 CSS では段落スタイル/文字スタイルという区別はなく,文字単位で指 定できるので,段落の中で局所的にぶら下げなし指定ができるわけです ね。 勉強になりました。 ※このメーリングリストって,ヘッダーに Reply-To: フィールドがつ かないんですね。 > > -- > 村上 真雄 (MURAKAMI Shinyu) > Twitter: http://twitter.com/MurakamiShinyu > Blog: http://blog.antenna.co.jp/CSSPage/ > Antenna House Formatter: > http://www.antenna.co.jp/AHF/ > > > 道広 勇司<neniu@moji.gr.jp> wrote on 2011/04/01 15:09:17 >> 道広です。ドラフトやメールを読む時間がぜんぜん取れなくて, >> 議論についていけていないのですが。 >> >> >> ■下線(傍線) >> >> 下線(傍線)が切れてしまっては意味が変わってしまいます。 >> たとえば学参もので,「傍線部Aは…」とあって,行末の句読 >> 点で傍線が切れていたら,まずいです。 >> >> ただし,AH Formatter の組版結果には奇妙な点があります。 >> ぶら下げ句読点に引かれた下線が,全角のものと二分のものがあ >> るのです。 >> trim プロパティーに関係するのでしょうか。私は trim を理解 >> していません。 >> >> ぶら下げ句読点に引かれた傍線は二分にすべきであると思います。 >> 例えば旺文社『全国高校入試問題正解 国語』はそのようなルー >> ルになっています。 >> >> 私の理解では,伝統的な組版概念では,句読点は二分と捉えます。 >> 二分の句読点の後ろの空きを必要に応じてベタから二分空きまで >> 調整するわけです。 >> であれば,ぶら下がった句読点は二分なので,下線のはみ出しも >> 二分でなければなりません。 >> >> >> ◎ぶら下げ以外の箇所では >> >> なお,そのロジックで言えば,行末に限らず,下線が句読点で終 >> わっている場合は,その下線は句読点の二分幅にだけかけるべき >> です。 >> 『全国…国語』はそのようなルールになっています。 >> >> InDesign CS 3 で試したところ,ぶら下げ句読点の傍線は二分幅 >> ですが,それ以外では奇妙な振る舞いをします。 >> 以下の文字列に対し,句点まで下線を引くとします。 >> >> (A) あああ。 ←句点で段落が終わっている。 >> (B) あああ。ううう ←句点のあとに文字が続く >> >> (A) では句点のところは下線が二分までしかかかりませんが, >> (B) では全角まで,つまり「う」の直前まで下線がかかります。 >> これはバグといってよいと思います。 >> >> http://moji.gr.jp/typo/hang-indesign.png >> 二行目までは正常。三行目は変。 >> >> >> ◎強制ぶら下げとの両立 >> >> 私の理解が正しければ,強制ぶら下げは行末をぴしっと揃える >> 意図で提案されたものです。 >> ぶら下げ句読点に傍線が引かれれば行末が揃って見えませんの >> で,両立はしないと思います。 >> つまり,行をまたぐ長い傍線が引かれうるコンテンツでは強制 >> ぶら下げは選択すべきでない,ということです。(技術的には >> できても) >> >> >> ■背景色 >> >> 背景色も基本的には同じ考えでいいと思いますが,見た目の悪 >> さは否めません。 >> >> 活版時代は網掛けなんてしなかったでしょうし,写植以降でも >> 文字単位での網掛けは学参などの限られたものでしょうし,句 >> 読点を含むような長い文字列の網掛けはかなり稀だと思います。 >> >> 印刷物では,網掛け箇所がぶら下がってしまったら,詰めるか >> 追い出すかして,局所的にぶら下げを回避すると思います。 >> 固定レイアウトだからできることですね。 >> >> (11/04/01 8:48), MURAKAMI Shinyu wrote: >>> 村上です。 >>> >>> ぶら下げ組と下線や背景について、Antenna House Formatter での結果を示し >> ます: >>> >>> サンプル >>> http://nadita.com/murakami/tests/test-hanging-punct-end.html >>> >>> 組版結果のPDF >>> http://nadita.com/murakami/tests/test-hanging-punct-end.pdf >>> >>> このように、ぶら下げ句読点にも下線が引かれるし、背景色も施されます。 >>> (ただし、背景がぶら下げ句読点に塗られるのはインラインに指定された場合 >> で、ブロック(段落)に指定された場合は違います) >>> >>>> ぶら下がった句読点にだけ引かれない、というのも奇異に感じますが、ぶら >> 下げの行だけ下線やアミ掛けがマージンまではみ出る、というのも少し奇異に感 >> じます。 >>> >>> 文字(インラインレベル)に指定した下線や背景が、ぶら下げによりマージン >> にはみ出した文字にも適用されるのは自然であると思います。 >>> >>> Antenna House の実装の hanging-punctuation では inline-box が line-box >> から外にはみ出すものとして処理しています。 >>> >>> 参考まで >>> >>> -- >>> 村上 真雄 (MURAKAMI Shinyu) >>> Twitter: http://twitter.com/MurakamiShinyu >>> Blog: http://blog.antenna.co.jp/CSSPage/ >>> Antenna House Formatter: >>> http://www.antenna.co.jp/AHF/ >>> >>> >>> Koji Ishii<kojiishi@gluesoft.co.jp> wrote on 2011/04/01 2:07:29 >>>> ぶら下げ組の部分の仕様をレビューしていて疑問が浮かんだので、もしご存 >> 知の方がいらしたら教えてください。 >>>> >>>> ぶら下げ組の文章に下線を引いた場合、あるいはアミ掛け(文字背景)を施 >> した場合、ぶら下げ句読点にも下線は引かれるべきでしょうか? >>>> >>>> ぶら下がった句読点にだけ引かれない、というのも奇異に感じますが、ぶら >> 下げの行だけ下線やアミ掛けがマージンまではみ出る、というのも少し奇異に感 >> じます。 >>>> >>>> ブラウザにおける実装の容易さなどによりどちらかに決まってしまうかもし >> れませんが、まずはどうあるべき、というのをご存知の方がいらっしゃいました >> ら、教えていただけると助かります。 >>>> >>>> よろしくお願いいたします。 >> >> -- >> 道広勇司 >> http://moji.gr.jp/ >> http://moji.gr.jp/cafe/ >> http://twitter.com/horuf/ > > > > -- 道広勇司 http://moji.gr.jp/ http://moji.gr.jp/cafe/ http://twitter.com/horuf/
Received on Saturday, 2 April 2011 01:11:43 UTC