Re: ルビ問題の妥協点を探る

ようやく少しわかってきました。鈴見咲です。

html5が出てきた経緯からすれば、理想のマークアップ言語を追求するのは事実
上・現状不可能なのだという理解を先にしておかなくてはいけなかったわけです
ね。ルビに限らず。

末尾の三行で紹介いただいた、CSSのボックスモデルでレイアウト仕様を先に考
え、それを実現させるためのマークアップ方法を考えるという手順は、私には目
から鱗ものでした。ある意味実装者ならでは。むしろ視覚的なデザインをやった
ことがあれば当然の発想と言えるのかもしれません。

一文字単位のルビが過剰な要求とは言い過ぎではないかしら、とか、レイアウト
を先・マークアップを後に考えるのだとしたら、HTMLの守備範囲ってそもそも何
だろう?とか、まだちょっと自分の中で整理のつかないところがありますけれ
ど、このスレッドの冒頭の提案はいったん取り下げます。

とはいうものの、昨日高山さんから http://4mat.jp/2009/07/091813 のほうを
紹介いただいたので、著者側における機械的変換が可能であることを仕様書の中
で示しておくことはある程度意義があるように思います。
-- 
Suzumizaki-Kimitaka <szmml@h12u.com>
JPN: 鈴見咲 君高

On Tue, 16 Mar 2010 22:02:52 +0900
Masayuki Nakano <masayuki@d-toybox.com> wrote:

> 中野です。
> 
> On 2010/03/15 18:38, Suzumizaki-Kimikata wrote:
> > ただし、この変換を既存文書の著者に要求するのはかなり残酷。
> 
> どういう状況なのでしょうか、既存文書で複雑なrubyを利用しているケースとい
> うのは? 考える必要のないケースについて考えていませんか?
> 
> > その上、特にこの例だとHTMLソースコードの可読性がガタ落ちします。
> 
> 私はそのような特殊なケースでのソースコードの可読性は考えなくて良いと思い
> ます。また、一文字単位でルビを振りたい、というのはWebページというメディ
> アにおいては過剰な要求だと考えます。
> 
> > 『HTML5に対応するUAは<現時点のHTML5におけるルビ仕様>の他に、XHTML Ruby
> > Annotationに基づき記述されたHTMLソースコードを解釈できなければならない。
> > ただし、<現時点のHTML5におけるルビ仕様>に翻訳した上で表示を行っても構わ
> > ない。
> 
> ナンセンスです。それならHTML5で新しい仕様を定義する必要がありません。
> XHTMLのrubyはHTML5仕様で上書きして闇に葬られるべきです。
> 
> 鈴見咲君高さんは、少しマークアップ言語としての理想論を追いすぎているよう
> に感じます。理想的なマークアップ言語を作っても、それが実現不可能だった
> り、記述するには不便すぎたりすると、いくら高機能でも誰も見向きもしませ
> ん。これはさまざまな消えていったマークアップ言語が証明してくれています。
> 
> 私は現在のHTML5のrubyすらマークアップに関しては面倒すぎると考えていま
> す。IEやruby非対応ブラウザとの互換性を考えると現在の仕様が落し所かとは思
> いますが、本来ならシンプルに属性値で読みを指定すべきものだと思います。
> # たとえばrp要素なんて本来なら無駄以外の何者でもありませんが、将来的には
> rp要素がなくて、ruby非対応ブラウザで表示すると読みにくくなるページが増え
> るのではないかという気がします
> 
> また、CSSのボックスモデルもシンプルにしないと実装が追いつきません。さら
> に処理しやすくしておかないと、webページの表示速度が低下する可能性があり
> ます。
> 
> たとえば、当初のXHTML/CSS3の仕様のように、inline-tableの劣化版のような仕
> 様/実装にしてしまうと、rubyだらけのwebページのレンダリング速度が遅くなり
> すぎて、アクセシビリティを高めるための要素が悪者扱いされるという本末転倒
> な結果に終わるでしょう(spanとか、正気を疑います)。scriptと辞書から動的に
> rubyを振る、といったこともできなくなってしまうでしょう。
> 
> 考え方としては、CSSのボックスモデルでまずはレイアウト仕様を考える、それ
> を実現するためのシンプルなマークアップ方法を考える、という方が現実的だと
> 思います。
> 
> -- 
> Masayuki Nakano <masayuki@d-toybox.com>
> Manager, Internationalization, Mozilla Japan.

Received on Wednesday, 17 March 2010 22:09:34 UTC