- From: Ishii Koji <kojiishi@gluesoft.co.jp>
- Date: Sun, 18 Jul 2010 08:49:28 -0400
- To: "MURATA Makoto (FAMILY Given)" <eb2m-mrt@asahi-net.or.jp>, "public-html-ig-jp@w3.org" <public-html-ig-jp@w3.org>
> > > なお、縦書きと横書きの両方に対応するスタイルシートも、alternate > > > styelsheetとするのでよければ、つまり完全に二つスタイルシートを用意 > > > するのなら、今の仕様のままでも対応できます。これではあんまりだと > > > 思うコンテンツ作成者は多いですか? > > > > 僕は職業的なコンテンツ作成者ではありませんが、所々の事情を踏まえれば、 > >これは「あり」だと思います。 > > 有難うございます。そういう意見をほかにも聞いたことがあります。どうせ、き > ちんと縦書きと横書きの両方に対応するスタイルシートを用意しようとすると、 > 二つ作るしかないということのようですね。きちんとやるなら専用スタイルシ > ートが必要だけれど、だいたい読めればいいというなら一つで済ませたいという > ところでしょうか。 この点についてはまったく合意で、逆に異議はないのではないでしょうか。 私も別々に用意するのは「あり」だと思います。一つにできる技術があったとしても、別々に作る方もいらっしゃると思います。 村田さんがおっしゃっているもう一つの「大体読めればいいので一つにしたい」という要求にどこまで応えるか、というのが、落としどころを探る必要がある点ですよね。 > この前のSC34/WG4会議で、欧文組版では本文レイアウトはマージンから > 指定すると私が発言したところ、イギリスの代表から、それは一つのやり方に過ぎ > ないとたしなめられました。本文の幅と高さを最初に決めるというやり方もある > らしい。 実は日本語でも同じだと思います。X4051で決めているのはあくまで日本語組版のやり方の一つで、英語でも日本語でも、単行本を作る時と、ファッション雑誌を作る時ではものごとを決める順序が違うようです。新書の装丁デザイナーと、マガジンハウスのレイアウトデザイナーに話を聞いた時では、まったく考え方が違いました。手法としては案外世界的に共通項が多く、あとはその優先度というか、どちらの手法がその国でどれだけ広く利用されるかが違う、という話なのだと思っています。 > ただ、左は先頭を表し、下は次の行を示す、と決めておけばどの言語でも共通 > の土台とはなるので、「そう解釈を拡張する」程度なら話は通じると思います。 > 「程度」と書きましたが、実装時にはフローがその時々でかわりますから、単 > 純ではないと予想されます。 > > 僕は、この意味で、新たなプロパティを導入するまでもないという立場です。 実はここが問題なのですよね。ご存知のこととは思いますが私の知っている範囲で歴史的経緯をおさらいさせていただくと、およそ13年前に「左は先頭ですよね」というところで議論が勃発しました。W3Cにおいて「左は常にページの左を表す」という点について譲れない、という議論が強かったのです。「左はページの左」か、鎌田さんのおっしゃるように「左は先頭」か、という議論において、13年もの間一歩も譲歩がなかったことから、どちらかひとつに統一するのは困難だと私は感じています。 このため、両者の主張を取り、「左がページの左を表す」モードと「左が先頭を表す」モードの両方を用意しましょう、というのが論理プロパティであり、directional-modeの提案です。つまり、「左が先頭を表す」で私個人的にはまったく異論はないのですが、それを実現するには、最低限一つのプロパティを追加しないと、受け入れられない可能性が高いのではないか、ということです。
Received on Sunday, 18 July 2010 12:50:05 UTC