縦組と横組みについて

村上様
                      藤島です。

皆さんの議論に追いつこうと思いながら、なかなか追い付けずにおります。
言うことがずれているかも知れませんが、感想的なことを言わせて下さい。

* そもそも縦組と横組みを自由に切り替える文化なんてありえません。
* 縦組は縦組であって、横組みは横組みなので、読者が任意に縦書きにして読んだり、横書きに組んで読んだりする習慣はありません。
* 偶々電子的に扱えるため、縦組と横組みとが恰も自由に変換できるように錯覚していますが、それを売りにしたり(かどうか不確かですが)、電子書籍の特徴であるかのように流布しているだけです。

世の中の文字組版を見ると、lrtb方式が主流の所と、tbrlとlrtbとのどちらも用いている所と、rltb方式の所があり、稀にtblrもあるなど方式が色々あるだけです。

見かけは違っていても、文字を逐次並べて行を作る方向と、行という単位を並べてい行く方向という見方からすると、どれにも共通した云い方があるのではないかという議論なら同意できます。
すなわち、start−end、before−afterでそれぞれの書字方式に共通に議論できるなら、また矛盾かなく、混乱しないならそれでよいと思います。

それがleft−right、top−bottomに対応するのか、top−bottom、right−leftに対応するのかをwriting-modeで決定するのならスッキリすると思います。

これらはあくまでも文字を並べていく工程の問題で、そこに付随する画像などはleft−right、top−bottomがwriting-modeに影響しないと言う括りでは拙いでしょうか。width、heightも同様です。

画像のflow位置決めなどで、start側end側という云い方とwriting-modeとの関わり合いは、必ずしも対応しないと思います。すなわち横組みで画像をstart側に置いたり、end側に置いたりすることと、縦組でstart側に置いたりend側に置いたりすることとは、単純にwrting-mode変換では扱えない違和感があります。

諄いようですが、日本には縦組と横組みという組み方が併存あるいは混在しているだけで、縦組と横組みを切り替えて読むなどと言う文化はありません。偶々そのように扱えるものもあって、それを面白がることがあっても、縦横自動変換にまで敷延できるものではあり得ないと考えます。

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         藤島 雅宏
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Received on Tuesday, 13 July 2010 12:56:39 UTC