Re: CSS の left/right/top/bottom と縦書きの関係について

石井さん

1.「論理」と「物理」

整理すると、

・位置・方向(→←↑↓)の指定方法は、「物理」と「論理」の2系統が存在すべき。
・「物理」は組方向被依存。absolute, world, global, fixみたいな意味あい。
・「論理」は組方向依存。relative, local, flexible, context-dependentみたいな意味合い
・主に混乱を避けるという理由から、それぞれ別のプロパティ名系列を使用している
・「物理」:left,right,top,bottom系統
・「論理」:before,after,start,end系統

2.「論理」導入のメリット

・「組方向中立的」な指定方法なので縦組、横組切替が容易になる。

に尽きるのでしょう。

しかし、

・英語(L2R)やアラビア語(R2L)、モンゴル語(T2B)など、
組方向切り替えが事実上、不必要な圧倒的多数の言語には、ほとんどメリットはない。

・さらにCJK言語(T2B/L2R併用)であっても、縦横切替の必要性は、
大陸、朝鮮半島北・南、日本、台湾では異なり、一様ではない。

3.デメリット

・「左右上下」のような、単純明快な位置関係概念ではないため、
理解しずらい。

・「論理」「物理」の併用により、さらなる複雑化や混乱を招き易い。

ということでしょうか。

4.directional-mode=logical

石井さんのdirectional-mode=logicalは、

現実の利用シーンとしては、位置関係がすでに『物理』で指定されて*しまって*いる、
既存の多くの日本語横組み用ドキュメントを、*強制的*に縦組み表示する目的で、
専ら、用いられるのでしょうから、やはり、最初に書いた、

強制ローテート値(forcible-rotate=90°)

のほうが、的確かなとも思いましたが、どうでしょう。

thoton global computing 秋元
taka-akimoto@thoton.co.jp

Received on Tuesday, 13 July 2010 08:30:55 UTC