- From: Kazuyuki Ashimura <ashimura@w3.org>
- Date: Tue, 13 Oct 2009 22:56:11 +0900
- To: W3C SVG IG Japan <public-svg-ig-jp@w3.org>
皆様, W3C/慶應の芦村です. いつもお世話になっております. 10月日に開催されたミーティングの議事録をお送りいたしますので, よろしくお願いいたします. 以上 よろしくお願いいたします. Kazuyuki --- 第6回 SVG IG Japan ミーティング 日時: 2009年10月2日 16:00-18:00 場所: 機械振興会館4F, データベース振興センター第3会議室 ------------------ 参加者 (敬称略) ------------------ JIPDEC 南 JIPDEC 高嶋 JIPDEC 川野 IPA 小林 Microsoft 五寳 KDDI 高木 インディゴ 松澤 SAL 佐々木 - オブザーバ Mentor 峯 - オブザーバ キヤノン 藤沢 W3C/慶應 芦村 ---------------------------------------- オブザーバ Mentor Graphics峯さんから ---------------------------------------- SVG利用上の課題 ------------------ * IE+Adobe SVG Viewerでの表示 - 業務利用においては,IEでの使用が望ましいがネイティブサポートされてい ない... * IE6+Adobe SVG Viewerの問題 - パフォーマンスが悪い (遅い) - 長期的なサポートの問題 (今後のIEではどうか) - 日本語フォントの表示 - 大規模SVG表示時に不安定になる - 印刷の問題 要望 ------ * 表示したままに印刷 - 印刷に関しては,標準化が止まっており,今のところブラウザ任せになって しまっている. * 日本語を含む多言語フォントの表示 - Windows Vista上で日本語が表示できない (文字化けではなく,何もでない) - そのため,現在は(SVGフォントによる)グリフを埋め込んでいるが面倒 - Adobe SVG Viewerのフォントの扱いが不適当??? - Google SVG WebやMap Toolkit等,他の実装系の利用も検討されたい. * レンダリング順序の制御 - クライアント側で順序を制御したい (上書きで隠れる図があるため). - SVG WGでも検討中だが,基本的には記述順に応じて上書きしていくもの. - DOMツリー上で枝の順序を入れ替える方法は,現状のSVG DOM APIでも可能. - アニメーションのような利用を考えると,動的に描画順序を入れ替えること が必要. - Z-IndexについてはSVG WGで新機能として導入を検討している. 質問 ------ * <image> を利用したハイパーレイヤリングでのSVGへのDOMアクセス - SVG Map Toolkitでは,SVG 1.1レベルのDOMにアクセス可能 (ただし隠しAPIかも) - SVG仕様上はアクセスできるはず. * IE9へのSVGネイティブ実装 - MSで検討中 (HTML5およびSVGサポート) * SVG Map Toolkit正式リリース - 今日はSECさんが不参加なので詳しくは不明 - 4月から,三重県のGISサービスを提供している - Map Toolkitの公開は,SVG Map Consortiumの事情で一時的に停止中 - 年内には再開したい. - 非営利な利用には自由に使用可能となるはず. - 営利的な利用には別途応談. - Tiling & Layeringという位置づけで,地図利用も想定した作り. --------------------- FIT2009報告 (芦村) --------------------- * 9/2-4の3日間,仙台の東北工業大学にて開催されたFIT2009に参加 FIT2009ページ: http://www.ipsj.or.jp/10jigyo/fit/fit2009/ * 9/4(土),「マルチモーダルWeb」に関するW3C主催のパネルセッションを開催 W3Cセッション資料: http://www.w3.org/2009/Talks/0904-fit2009/multimodal-web-ka/ * HTML5, SVG等を含めた,様々なモダリティのWebアプリケーションにおける統 合化について検討.今後の課題を洗い出した. ----------------- SVG Open (藤沢) ----------------- * 2009年10月2-4日,Mountain View (USA) のGoogleキャンパスにて開催 - HTML5への関心の高まりの影響か,今回は参加登録者が急増 * 話題 - GoogleのSVG Web, Chrome Frame - HTML5におけるSVGサポート ---------------------------------------------------------------- SVG Web/Chrome Frame - GoogleによるSVG表示の取り組み (藤沢) ---------------------------------------------------------------- * Google SVG Web http://code.google.com/p/svgweb/ - Adobe Flashの描画エンジンを利用 - SVG基本描画, SMILアニメ, SVGフォント, ビデオ, オーディオ, DOM API ス クリプトをサポート - ただしSVGの解釈はActionScriptでおこなっているので,地図表示など大きな サイズのSVGデータでは十分なパフォーマンスが得られない可能性がある。 * Google Chrome Frame http://code.google.com/chrome/chromeframe/ - IEをChrome化するプラグイン (10MB) - SVGに対応して,HTMLとJavaScriptの処理速度が大幅に向上 - インストールすると,特定のメタ要素が記述されたHTMLファイルがChromeの描 画エンジンで描画されるようになる. - URLの先頭に"cf:"を付加すると,そのコンテンツがChromeの描画エンジンで 表示される. - IE6にも対応 (ただし,ChromeはWindows XP以降でないとインストールできない?). -------------------------------------------------- IPAフォントプロジェクトとSVGフォント (小林) -------------------------------------------------- IPAにとってのSVGフォントの位置づけ ---------------------------------------- * オープンでフリーなフォントとして,IPAフォント(オープンソフトウェアセ ンター)をリリースした. - 一方,SVGフォントについては,以下の二つの外字ソリューションのうちの一 つとして検討を進めている. ソリューション1: IVS (Ideographic Variation Sequence) => キャラクタコードを持つ異体字同士の判別のため ソリューション2: SVGフォント => キャラクタコードを持たない外字の表現のため * ただし,上記の二つの外字ソリューションの取り組みを同時にやると,本来, メインストリームであるIVSよりも,エラー処理の位置づけ(キャラクタコー ドのない字(quasi-character)のため)のSVGフォントが流行ってしまう可能性 があり,IPA内では,「SVGフォント対応は後回しにするべき」という判断が ある. - 一方で,文字の位置を適宜制御するためには,メタ情報を扱えるSVGフォント の方が都合がよい. * 以下のような質疑,コメント等があったが,SVGフォントの詳細な扱いについ て,今後引き続き,SVG IG Japanで議論していくことにする. 質疑 ------ * SVGフォントによるグリフデータは,IPAのフォントデータベースへ登録しさ れるのか? それを通して,一つ一つのグリフとしてだけでなく,Web上で利 用可能なフォントセットとしてアクセスすることは可能か? - SVGフォントをIPAが提供することも,TrueType等のフォーマットから変換し て提供することも可能. * 外字フォントとしては明朝体しか提供されない場合,本文がゴシック体だと, 混在してしまうのでは? - フォントファミリーの分類をSVGフォントに指定できるとよいかもしれない. - SVGの仕組みで,太さや文字端の処理は制御できるが. - 文字をパーツから再構成するような取り組みもあったが成功していない.や はり,違う書体は両方用意するべき.ただし,フォントファミリーを指定で きるとよい. その他コメント ----------------- * HTML5では,<image>タグでグリフ記述のSVGを参照できる. - さらに,今後は,SVGフォント自体をHTML5内に<script>で直接記述できるよ うになっていく. -------------------------------- SVG JIS化の状況 (JIPDEC 高嶋) -------------------------------- * 本日10月2日,第一回のJIS化委員会を開催した. * 「SIVG Tiny1.2」および「SVG MapProfile (SVGにおける地図の表現及びサー ビス)」を個別にJIS規格化 - まず,「SVG MapProfile (SVGにおける地図の表現及びサービス)」のJIS原案 を作成.現状では,40ページ程度の仕様書. - 10月から12月に渡って,JIS化委員会の各委員よりコメントを受け,修正して いく. ----------------------------------------------- Tiling and Layering Moduleの状況 (KDDI 高木) ----------------------------------------------- * 「SVG MapProfile」の日本語ドラフト仕様文書を公開中. http://blog.svg-map.com/2009/09/svg-tiny-12svg-.html * タイトルは,「Tiling and Layering Module for SVG Tiny 1.2」でなく, 「SVG Tiling and Layering」とする. * <globalCoordinateSystem> の 'srsName' 属性は,この名称でよいか? - GMLとの互換性を意識して "srs" としているが,本来 "Spacial Reference" の意味なので,地理情報以外への利用にはあまり妥当でないかもしれない. ----------------------------------------- 「SVG Tiling and Layering」の公開方法 ----------------------------------------- * IGからWGへ提案し,WG側でWDとして公開していく. - 藤沢の方で,JIS原案の日本語仕様書を(日本語のまま)W3C WD形式にした文書 を作成完了. - 10月中に英語版をW3Cサイトにアップして,11月のTPAC(W3Cの技術総会)で HTM5およびSVG関係者に紹介. * 英語版は,いつ,どう作成するか? - Map Profileの英語版はあるが,現在のJIS原案とは整合が取れていない. - 現状の「SVG Tiling and Layering」およびJIS原案にもとづき,英語版を更 新する. - 後ほど,最終的なJIS原案とのすり合わせも再確認する. => 2009年11月(TPAC)をめどに第一案を作りたい. => 具体的な作成方針は,引き続き検討 * レビューにあたっては,本会議の参加者以外の協力も仰ぎたい. - 基本的には,公開前の文書はW3C会員のみ閲覧可能だが,SVG WG議長の判断に より,一般公開も可能と思われる. * その他「SVG Tiling and Layering」仕様に関する検討課題 - HTMLにSVGをインライン記述する方式への対応可否 - (コンテナSVGは利用せずに)HTMLをコンテナファイルとしてimg要素でインポー トSVGファイルを参照する方式への対応可否の検討 - 伸縮やスクロールなど,SVGソフトウェア用の標準的なUIは定義されるか? = WebAppsでAPIは定義されているが... --------------------- TPAC 2009 (W3C 芦村) --------------------- TPACページ: http://www.w3.org/2009/11/TPAC/ Developer Gatheringについて: http://www.w3.org/QA/2009/09/first_ever_developer_gathering * 11月2-6日,Santa Clara Marriottにて開催. - 技術総会(TP), 会員総会(AC)およびWG会議を併催 * 11月5日のTechnical Plenaryの中で,Web技術者を集めた会議 (Developer Gathering) も行われる. - 日本での開催も検討して欲しい. ------------------ 今後と次回会議 ------------------ * SVG Tiling and Layering - W3Cドラフト形式にしたJIS原案文書を公開.それをベースにレビュー. * 検討課題 - HTML5との兼ね合いについて,W3CのMike Smithを含めて議論 - SVG Web/Chorme Frame環境への対応可能性 - SVG外字ソリューションの検討 * 次回会議 - 2009年12月〜2010年1月を想定 (JIS委員会と同日) - 16:00-18:00 機械振興会館4階 JIPDEC 第三会議室を予定 以上
Received on Tuesday, 13 October 2009 13:56:43 UTC