Re: 文字クラスの国際化: Appendix B 文字間の空き量の表より

木田泰夫 様
みなさま

 小林 敏 です.

同の字点"々”やその他の仮名の繰り返し符号は,Unicodeでは記号扱いで,それ
は漢字や仮名とは別扱いでいいのではないでしょうか.

というのは,これらは行頭禁則の対象にする方法もあり,文字クラスとしては,
漢字や仮名とは別扱いしないといけないからで,現在でも別の文字クラスになっ
ています.

和欧文(アラビア数字を含む)のアキの問題

和欧文(アラビア数字を含む)のアキは,ベタ組の方法もあるかと思います.特
に和文フォントでも仮想ボディ一杯のフォントがあります.こうした場合は,ベ
タ組でも問題ない場合もあります.

空けたければ,何らかのスペースを入れればよいという方法もあるかもしれませ
んが,挿入するスペースとしては以下が考えられます.
a U+0020 SPACE
b U+2005 FOUR-PER-EM SPACE
c U+2006 SIX-PER-EM SPACE
d U+200A HAIR SPACE

b以下の入力は工夫しだいですが,簡単ではありません.
aは簡単に入力できますが,行の調整処理に使用されて,アキが大きくなる恐れ
があり,問題があります.

和文と和欧文(アラビア数字を含む)の間のアキをベタ組にする方法を選択する
ことは,私は否定しません.しかし,現在,和欧文のアキの自動処理が可能にな
っている組版エンジンも多く,実際にも,この方法も採用されている現状からは,
可能であるならば,和文と和欧文のアキを設定できる方法を規定しておく意味は
あるかと思います.できれば,ベタか四分アキかの選択だけでなく,空ける場合
のアキ量が選択できれば,なお望ましいと思っています.

その場合,ラテン文字とアラビア数字を一括の扱いでよく,分ける必要はないと
思っています.

前のメールへの補足

> 欧文空白で私の環境では漢字に比べて約三分の大きさですが、ワープロなどで
> 四分になるように調節しても印象は同じです。

これ,ひょっとしてWordで設定しての印象ですか?

実はJIS X 4051では,和文と和欧文の四分アキを空ける調整の優先事項としてい
ます(私は,好ましいと思っていません).ですので,JLReqでは,JIS X 4051
とは異なる方法も附属書の表で示しています.

ということで,Wordでは,JIS X 4051の方法を採用し,空ける調整では,和文と
欧文の間を空ける設定を行うと,行の調整処理の結果として四分アキより広がっ
てしまうケースが結構あります.(そこで,私は,これを避けるためにWordで文
章を作成する場合,和文と欧字・アラビア数字の間に四分スペースを常に挿入す
るようにしています.)


  木田泰夫 さんwrote


>ただ、Unicode は一筋縄では行かないようで、"々” の例のように、仮名や漢字の仲
>間として扱うべきであろう文字が、Unicode では記号として入っていることがありま
>す。これらが少々紛らわしいのです。そのような cl-19 文字を下に抜き出しました。
>これらはどうでしょう?

>反対意見があちこちから飛んできそうですが、:)  漢字とラテン文字との間も空けな
>い選択も私は大ありだと思っています。空けたければ空白文字を入れれば良いのです
>から。現実に、いま毎日生み出されるテキストの殆どはこのメールのように手で欲し
>い場所に空白を入れているわけです。
>
>自動で空けるのを止めればここでやっている、漢字か、ラテン文字か、それ以外か、
>なんて区分けが全く必要なくなります。空けたければ空白を入れる。どうでしょう?
> What do you think, Nat?

Received on Wednesday, 24 March 2021 04:43:56 UTC