Meeting notes 2020·12·01

中国ですなるという日付の間の中黒を、私もしてみむとするなり by 紀貫之。ということで、日付の区切りに中黒 U+00B7 を使ってみました。なかなかいい感じですね。

さて今日 2020·12·01のミーティングメモです。

1. 今日の一番大きなポイントはおそらく、JLReq の示しているコードポイント、ひいては JIS X 0213 & Unicode の合意によるアサインメントにはてなマークをつけた、つまりお国に反旗を翻したことでしょう。ハイフン類、三点リーダ、クオーテーションなどにおいて、お互いに似た和文、欧文の約物が統合されているのだけれど、グリフの設計が異なるだけではなくて、振る舞いが異なるということです。「プロポーショナルな文字に欧文空白を組み合わせて全角っぽくするのは間違ってる!」という小林さんの叫びも聞こえてきました。

はてなマークを付けたのは下の文字たちです:
cl-02/cl-27
34
A
R
closingBracket_other

westernChar
右シングル引用符,右シングルクォーテーションマーク

’
U+2019?
RIGHT SINGLE QUOTATION MARK
cl-02/cl-27
35
A
R
closingBracket_other


右ダブル引用符,右ダブルクォーテーションマーク

”
U+201D?
RIGHT DOUBLE QUOTATION MARK
cl-03/cl-27
40
A
R
hyphen_middlePunctuation


ハイフン(四分)/ハイフン

‐
U+2010?
HYPHEN
cl-03/cl-27
41
A
R
hyphen_middlePunctuation


二分ダーシ,ダッシュ(二分)
1-03-92
–
U+2013?
EN DASH
cl-08/cl-27
68
A
R
inseparable_emDash
ideographic

ダッシュ(全角)/ダッシュ
1-01-29
—
U+2014?
EM DASH
cl-08/cl-27
69
A
R
inseparable_twoDotLeader
ideographic

二点リーダ

‥
U+2025?
TWO DOT LEADER
cl-08/cl-27
70
A
R
inseparable_ellipsis
ideographic

三点リーダ

…
U+2026?
HORIZONTAL ELLIPSIS
また、全角二倍、全角三倍ダーシも、JLReq の表にはありませんがこの範疇です。

(横道ですが、「はてな」マークって、はんなり、京都っぽい名前ですね)

2. 同様なカテゴリの問題として、波線を長音として使う用法は振る舞いが長音と同じになるべきであって、つまり cl-03 ハイフン類としての波線とは別ではないかという問題提起がありました。

3. いくつかの約物を欧文専用として和文用のクラスから抜くことになり、
cl-01/cl-27
15
N
R
openingBracket_other


始め二重山括弧引用記号,始めギュメ
1-09-08
«
U+00AB
LEFT-POINTING DOUBLE ANGLE QUOTATION MARK

cl-02/cl-27
33
N
R
closingBracket_other


終わり二重山括弧引用記号,終わりギュメ
1-09-18
»
U+00BB
RIGHT-POINTING DOUBLE ANGLE QUOTATION MARK


4. また cl-12 前置省略記号、cl-13後置省略記号、のクラスを削除し、全角のものは漢字と同じ扱い、欧文幅のものは cl-27 (日本語以外の放り込み場所)に分配することになりました。この区別は UAX 50 の Vertical Orientation が R のものは欧文、U/Tu は和文ということで明確です。

5. 今日は Eric の提案についての議論は行わなかったのですが、縦組みだから和文ルール、横組みだから欧文ルールというわけには行かない、という話が敏先生から何度か聞こえました。

6. その他の細かい点
	・U+4EDD 仝、の挙動は?→漢字と同じ


次回二週間後の 12/15 は cl-15 ひらがなからです。

抜けや間違いがあったら教えてください。後で英文の meeting minutes を書きます。

木田

Received on Tuesday, 1 December 2020 07:28:54 UTC