RE: 縦組で化学式を組んだ例


コメントします。

この議論の基本的なところが良く理解できないのですが、縦組み中のラテン文字・アラビア数字その他縦組みを常用しないスクリプトを縦組みの行中に挿入する方法は、90度回転させるのが基本です。それらを正立させるのも、縦中横も、どちらも例外的な処理です。何が例外かというと、ラテン文字等やアラビア数字等の文字を、強引に正立させて、そのために縦中横でなければ多くの場合全角グリフを用います。この例外が許容されるのは、ずっと正立のラテン文字やアラビア数字が長く続かない、その行中の局所的に限定されるからです。そうでなければ、90度回転させるか、横組みで組みます。また全角グリフを使うと上付きや下付きなどの文字とのスペーシングには特別な個別特殊な処理が必要になると予想します。

縦中横についても、縦中横が可能なのは、やはり行中に局所的に孤立して、縦中横ばかりが連続することは想定していない場合に用いるはずです。

ここからどうも議論の内容が超えて行っているように感じます。

冪乗の指数が"(2+A)"のように長くなった場合にどうするのかも、決まってはいません。（また、横組みで上下方向については、活版の場合は、横組み行中の上付き・下付きの文字は親文字の半分のサイズの文字を用いて上下方向を揃えたようですが、現代では、そのような上付き・下付きの配置には拘らないでしょう。つまり上付きや下付きの形は多様となります）。

また、ベクトルの表記は文字の真上に矢印が付きますが、そのような場合も、特別な処理が必要となると思われます。

単独の文字に上付きや下付きがある場合には、正立させるには、縦中横を用いることができる場合が多いと予想します。しかし、それも、縦中横が単独で孤立している場合に限定されるでしょう。

ラテン文字やアラビア数字に上付きや下付きの数字や文字が付く場合に、縦中横を使わないとしたら、その上付きや下付きの文字まで親文字から切り離して正立させる場合には、もはやそれらの文字を半角で上付きや下付きの位置で表示することは無意味ではないでしょうか？　なぜなら、上付きでも下付きでもなくなるからです。親文字との従属関係も曖昧になります。

そのため、縦中横を使わないのであれば、上付き／下付きだった文字も全角で正立させて組むのが、縦組みの行の進行方向での視覚的な均斉を保つためには良いと考えます。

それでは役に立たず、縦中横もできない場合はどうするか。その場合には、その部分を（日本語の組版とは別問題の数式・化学式の問題として、JLREQ-Dでは言及せず）、ブラックボックスにして、数式や化学式のマークアップの処理系依存とし、その結果をその結果が必要とするスペースを行中なり行間なり指定された位置に用意して挿入するしかないのではないでしょうか。（例えば、MathMLとかをincludeできたりするのでしょうか？）

私見まで

山本

-----Original Message-----
From: Atsushi Shimono (W3C Team) <atsushi@w3.org> 
Sent: Tuesday, October 7, 2025 6:37 PM
To: public-i18n-japanese@w3.org
Subject: Re: 縦組で化学式を組んだ例

　shimonoです

On 2025/10/07 15:46, Kobayashi Toshi wrote:
>> ところで，ここでの問題は，化学式といことに限定された問題でなく，ラテン文字やアラビア数字に添え字がつく場合も含みます．
> 
> 組方向の指定がどうであろうと，まず，上付き，下付きの指定があったとします．この場合，横組にする場合は，その処理方法は決まっていますから処理ができます．縦組で横倒し又は縦中横処理も，横組の場合と同じ方法にならえばよい．
> 
>    "tajima@sanyosha.co.jp" さんwrote
> 
>> 縦組みで上付き下付き文字を含む化学式は電子書籍だと外字画像にしてますね。まあビューア次第でちゃんと表示できるかもしれないけど、ちょっと保証しきれないので安全側に倒します。
> 
> ということもあり，また，添え字の指定があるデータを縦組にした場合，これを1字1字正立したときはどうなるんでしょうか？　その処理方法は，どこにも規定されていないかと思うし，どう処理したよいかも，よくわからない．
> 
> であれば，添え字は，1字1字正立の処理はないとした方がいいよう思います．それとも，添え字の1字1字正立する場合の処理方法を，どこかで書きますか（規定しますか）？

　HTML/CSSの現状でいえば、writing-modeはblock/inline directionの方向を置き換え
る、と単純化すると言い換えられると思いますので、vertical-alignでsub/superのライ
ンに従うということになっている<sup><sub>を利用する限りは、vertical-rlの場合は置
換されたblock directionの右から左の方向に合わせて配置される、ということだと思い
ます。

　テスト例を以下に置いてみました。
　まぁ、想定通りではありますが。sub/sup両方がつく場合に頭を合わせたりとかみたい
な記述は入れてませんので、一部の方は微妙な表記と思うかもです。（もちろん、後ろ
にsupでつくイオン化度は分子全体につけるのでsubの後ろが基本ではあります）
https://jlreq.w3c.himor.in/20251007-vertsup.html


　何が望ましいかどうか、ということを考え始めると結構むつかしい気はします。
・同位体の二桁以上の数字とか、原子の入ってる数の二桁以上の数字、は縦中横がいいですよね
　　ただ、両方ついたときに縦中横が2つ並んだらものすごく混乱しそうです
・イオン化で、単純に+/-だけではない、2+とか2-とかは縦中横よりはそのまま縦に並んでほしいかも？

Received on Wednesday, 8 October 2025 02:06:58 UTC