- From: Taro Yamamoto <tyamamot@adobe.com>
- Date: Mon, 7 Jul 2025 02:09:01 +0000
- To: Taro Yamamoto <tyamamot@adobe.com>, Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp>, Yasuo Kida <kida@mac.com>, JLReq TF 日本語 <public-i18n-japanese@w3.org>
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各位 先のコメントで、私は次のように書きましたが、 現状では、和文フォントに含まれる正立の全角欧文については、縦組みで天地方向で和文の全角の中心にくるように'VORG'テーブル内の情報を使って位置を調整している和文フォントもありますが、プロポーショナルの欧文グリフについては、そのような縦組みのための調整は行われていないと思います。また、アプリケーションもプロポーショナルの欧文グリフを縦組みで正立させて組むことは、とりあえず数字や大文字だけの短い略号であれば、(単純に全角の中心で90度回転して)和文の全角に収めただけでも、組めないわけではない、という以上の視覚的な調整はしていないように思います。 このことには、次のことが背景としてあるように考えます。 1. 特に一般の事務作業における文書作成においては、横組みの場合でも、箇条書きの先頭などで、全角数字と全角欧文を、1桁・1文字の記号として用いる場合が多い。 2. 一般事務用途で用いられるPCのテキスト編集ソフトウェアやワープロアプリでは、多くの場合、縦組みに対応していない。また縦組み機能があっても、広く使われていない。 3. プロフェッショナル用のページレイアウトソフトウェアや文字組版システムを使わない限り、多くの場合、全角数字と全角欧文を用いる以外に、数字と欧文とを縦組みで正立させる方法がない。 以上、若干補足しました。 山本 From: Taro Yamamoto <tyamamot@adobe.com> Sent: Sunday, July 6, 2025 10:16 PM To: Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp>; Yasuo Kida <kida@mac.com>; JLReq TF 日本語 <public-i18n-japanese@w3.org> Cc: 浦山毅 <urara2116@gmail.com> Subject: RE: ラテン文字のボディの大きさ 各位 アドビの山本です。 コメントします。 > A案 ボディ……現在書いているドキュメントで採用されている言い方 > つまり,ボディとは,文字を正立させた場合の文字の左右の大きさ(幅)と上下の大きさ(高さ) ボディという考え方は、和文フォントのように横組みだけでなく縦組みでも用いることができる、プロポーショナルでないフォントに含まれる、主要なグリフ集合(例えば漢字や仮名グリフ)に当てはまるものです。なぜなら、それらのグリフの字幅(字送り量)は横組みでも縦組みでも等幅だからです(これは長体・平体フォントについてもいえるでしょう)。ただし、それらの場合でも、そのフォント中に含まれる欧文のグリフは、多くの場合、和文グリフのボディの範囲内には収まらないので、それらの欧文グリフについては、横組み時の字幅しか存在しない、ということになると思います。つまりボディは存在しません。 > B案 左右の幅…字幅(これは現在書いているドキュメントでも使っている) 上下の高さ…文字の高さ 和文フォントに含まれている欧文グリフであれ、そうでない純粋な欧文フォントのグリフであれ、字幅は存在しますが、上下の高さは、欧文グリフを包含する最小の矩形(BBOX)の上辺と下辺との間の距離をグリフの高さと考えることは可能です。そして、この寸法には通常descenderからascenderまでの距離を計測して決めることになります。ただし、字幅とは異なり、この寸法はサイドベアリングを含みません。 > 問題2 文字の幅と高さ,特に“高さ”とは何か? > ここまではよいが,問題はラテン文字ではどうなるか,これを議論したい.縦組を考えた場合,どうしても文字の高さを決めないといけないから. >ラテン文字の高さとは >例1 活字の例 > 一般に字面+上下のサイドベアリング(と言っていいのかわからないが,いくらかの余白というか,字面とボディの間の斜面の大きさ) 活字の場合、正立した鏡像の字面のある側面を上向けにした場合、字面最下端より下方向が、活字の正面(front)の上端で終わるまでをBeardといい、字面の最上端より上方向で、活字の裏面(back)の上端で終わるまでをShoulderと呼んでいます (Legros & Grant, Typographical Printing-Surfaces, (London: Longmans, Green & Co., 1916), p. 11 にその記述があります)。しかし、これは活字の字面の下部の空白と上部の空白部分という意味であって、あまり寸法的に厳密なことを言っているのではないよう私には思えます。活字の場合には、物理的なボディの縦方向の寸法(Body Height)はボディの大きさで固定なので、寸法的にはベースラインの位置、x-height、Cap height、descender、ascender以外には重要なものは縦方向にはないと思われます。サイドベアリングという語は、文字を側面(side)から保持する(bearing)活字ボディのマージンを意味しているため、伝統的には天地方向には使いません。しかし、漢字や仮名のようなグリフの場合には、天地のマージンのこともサイドベアリングと便宜上呼んでいる場合もなくはありません。ただ、それは欧文のグリフにはあてはまりません。 > 例2 アッセンダーとデッセンダーの距離 > これは正しいのか? それしかデータはないのか. 日本語フォントの中に入っているプロポーショナルの欧文グリフには当てはまりませんが、欧文フォントの'OS/2'テーブルのsTypoAscenderとsTypoDescender(および’hhea’テーブルのAscenderとDescender)には上記の意味でのascenderとdescenderの情報が含まれています。 現状では、和文フォントに含まれる正立の全角欧文については、縦組みで天地方向で和文の全角の中心にくるように'VORG'テーブル内の情報を使って位置を調整している和文フォントもありますが、プロポーショナルの欧文グリフについては、そのような縦組みのための調整は行われていないと思います。また、アプリケーションもプロポーショナルの欧文グリフを縦組みで正立させて組むことは、とりあえず数字や大文字だけの短い略号であれば、(単純に全角の中心で90度回転して)和文の全角に収めただけでも、組めないわけではない、という以上の視覚的な調整はしていないように思います。(Nat might correct me if I make any errors about this.) 山本太郎
Received on Monday, 7 July 2025 02:09:09 UTC