Re: Event Updated: JLreq-d 編集会議

直前の案内を忘れましたが、今日9時から編集会議です。よろしくお願いいたします。

木田

宿題の「 欧文書体との合わせ方」の部分の荒ドラフトです。今日はこれを叩きましょう。

### 欧文書体との合わせ方 
日本語に含まれるラテン文字には、和文フォントに含まれる英字(従属欧文)を使用するのが最も安全である。これは、当該フォントの和字との複雑なバランス(サイズ・ウェイト・ベースライン・カウンタースペースなど)を考慮して設計されているためである。

しかし、国際化環境などでは、欧文書体が先に決まり、それに合わせて和文書体を選定する必要のあるケースがある。また、デザインの中で欧文が大きな比重を占めている、アクセント付きの英字が必要、など、さまざまな理由で和文書体と欧文書体を別個に選ぶ必要のある場合がある。どのように組み合わせるかは、視認性やデザインの統一感に大きな影響を与える。和文書体と欧文書体を組み合わせる際の基本的な考え方や調整のポイントを整理する。

#### 基本的な考え方
別々にデザインされた和文と欧文を完璧に一致させることはできない。したがって、以下のような視点から「近似的に」合わせることになる。

##### 書体の選定
一般的に、以下のような抽象度の高いデザインを持つ書体は比較的違和感なく組み合わせられる。

明朝体, セリフ体 (Serif)
ゴシック体, サンセリフ体 (Sans-serif)
丸ゴシック体, ラウンド体 (Round)

これ以外の書体では、文化的な背景を色濃く背負っている場合が多く、合わせるのが困難な場合が多い。例えば、筆記体の欧文書体、および楷書体や行書体などの和文書体、は双方とも筆書系書体だが、この両者は雰囲気、用途、文化背景が異なり、合わない。

この書体の範囲で、ステムの作る空きの大きさ、すなわちふところ、カウンタースペースの合うものを選ぶ。(例えばギャラモンドは合いにくいなどの例)(オールドスタイルのローマンは x-height が小さいため、和文と合わせにくい)。コンデンス欧文は和文とバランスが取りにくい(カウンタースペースやウェイト調整が難しくなる)(現代的な明朝体はカウンタースペースが大きく、コントラストが強い → 似た特性を持つ欧文書体(例: Bodoni)を選ぶ)

##### 相対サイズの調整
欧文書体は同じポイントサイズでも、和文書体と比べて小さく見えることが多い。このため、欧文が小さすぎる場合は拡大する。または和文を縮小する。相対サイズを変更すると相対的なウェイトやコントラストが変わるので、このステップを最初に行ってから、ウェイトやコントラストの比較を行う。

(サイズは単純にポイント数で合わせるのではなく、x-height や cap-height とのバランスを考慮)

サイドノート:CSSなどではfont-size-adjustプロパティを利用し、x-heightを基準にサイズ調整する方法も考えられる。

##### ウェイト(太さ)、縦画と横画のコントラストが一致するものを選ぶ
基本的にはウェイトが同じように見える組み合わせを選ぶ。欧文が記号的に使われる、商標などに使われる、など、欧文文字を目立たせたい場合には、和文よりも欧文を若干太めにする。

また縦方向と横方向のステムの幅の比率を合わせる。特に明朝体とセリフ書体を合わせる場合に重要である。

通常、ウェイトは飛び飛びの値でしか提供されておらず、またコントラストは書体デザインで固定であるので、ウェイトやコントラストを一致させることと、デザイン的な選択を両立させることが困難となることが多い。この点で、ウェイトやコントラストが連続的に調整可能なバリアブルフォントは欧文と和文を合わせる際に有用である。

##### ベースラインの調整
欧文のベースラインに対する和文のボディの位置は通常、全角の下辺から120/1000の位置になるように作られている。しかし、この相対的位置関係は歴史的、便宜的なものであり、実際には書体デザインによって最適な位置は異なる。よって、異なる和文と欧文を組み合わせる場合にはベースラインの調整が必要となる。

> InDesign では ideographic mbox を参照し、cap height を全角の中央に配置する方式を採用。しかし、多くの欧文フォントにはこの属性が含まれていないため、適切な調整が難しい。


#### まとめ
特に意図がない場合は、和文フォントに含まれる従属欧文を使うのが賢明。異なる欧文書体を使用する場合、大きさ・太さ・カウンタースペースを合わせることが重要。


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Received on Sunday, 9 March 2025 23:35:48 UTC