- From: Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp>
- Date: Thu, 01 Feb 2024 19:57:33 +0900
- To: 木田泰夫 <kida@mac.com>, Yamamoto Taro <tyamamot@adobe.com>
- Cc: Tatsuo KOBAYASHI <tlk@kobysh.com>, JLReq TF 日本語 <public-i18n-japanese@w3.org>
みなさま 小林 敏 です. 木田泰夫 さんwrote >より一般的なユーザーにとっては、そもそも、表示してくれたからって、数多あるダ >ッシュ類を、空白類を、また柿と杮の違いを、正しく選べる・選びたいかというと、 >そんなことないわけです。ゆえ、私はより広い解決策として、もっと透明で自動的な >アプローチを期待します。「書き手が間違えたら、間違ったものがそのまま伝わりま >す」ではない伝わり方。印刷の時代の校正・編集のような存在を取り戻す方向。 > >また同時に、文字列を利用する機能側ももっと賢く、文字列に間違いはないとの前提 >を捨てて、例えば検索なら間違いを許容するような検索ができるようになるべきでし >ょう。 > >木田 手で書くこととデジタルに書くことの違いが,決定的か,そうでないかは,判断が分かれるでしょう.ただ,その違いがいろいろの面で生じており,それについて,何が考えられるかを検討していく必要があるように思います. 1 文字の誤り これは,手で書くこととデジタルで書くことでは,いくつかの違い(傾向)がある. 例1:平仮名文字列の誤りは,デジタルで増えている(私の読書経験から) “されに,労働力の”→“さらに” “こえらは用途に” → “これら”(Rの押し忘れか) “たったこのれだけのもの” → “たったこれだけのもの”(最初は“この”で,“これ”に直したが“の”を残したか) *デジタルテキストでは,意外と平仮名文字列は,入力間違いが起こりやすく,また,点検でも読み飛ばす傾向があるのではないかな. 例2 漢字に似た字形の誤りは,活版とはやや傾向が違う. 活版時代は,壁・璧・劈 とくに“完璧”を“完壁”は,よくいわれる,仮名漢字変換で入力すれば,ほとんど起こる可能性は少ない. 例3 “祟”と“崇”や“酒落臭え”と“洒落臭え”も少ないと思うが,現在でもあるので,程度問題かもしれない 例4 京都議定書が発行 → 発効 以外と簡単 →意外 *このたぐいは増えている 2 デジタルテキストでは,入力が簡単でないので,代用される,または種類が多い 例 “—”と“-” デジタルテキストでは,混用が増えている.これは著者の入力データをそのまま使うからと思われる.(入力方法が簡単でない) 和文用と欧文用(数字,ラテン文字,句読点,括弧類など)の文字の使い分けは,手書き時代もあったが,文選又は入力が専門家であり,あまり間違いはなかった. 3 関係者の表記についての知識 手で書くこととデジタルの違いでというよりは,表現がある意味で民主化され,誰でもが表現できるようになったからと思われる. これまでは,誤用または避けたいとされていた表記方法が変わってきている.これは如何ともしようがない.そして,ある意味で,その誤用または避けたいとされた方法が多くなれば,それが標準となるであろう. 2・5m →2.5 m 縦組では小数点は中点で,横組で,それを使う.これは認めたくない人は,現時点では多いか? 範囲を示す方法が“—”から“~”に変わった. 省略の“・・・”も,定着するかもしれない. 【】の使用が増えているのも,それかもしれない. *強調の方法の変化 4 点検作業方法の変化 手書きでは,原稿整理(編集)段階では,読みにくい又は区別しにく文字・記号には,赤字で指示を入れることも多かった.“㐧”と原稿に書いてあれば,たぶん,横に赤字で“第”と書きそえたでしょう.“–”も“二分”と,“—”も横に赤字で正方形を書いた. 校正も手書き時代は,1字1字を読む校正は欠かせないが,今は,それはないでしょう. デジタルテキストでは,校正支援機能が,それなりに利用できる環境になってきている.
Received on Thursday, 1 February 2024 10:59:30 UTC