Re: デジタルテキストの組版がどのように違うかの整理

木田泰夫 様

 小林 敏 です.

思いつくままメモしてみました.旧はこれまで,デはデジタルテキスト

1 企画段階,刊行の目的
旧:書籍でいえば,ある程度はまとまりのある内容,分量もそれなりにある.読者対象も,ある程度しぼられる.多くは販売されるので,品質も,それなりに必要.
デ:目的は,種々雑多,分量は,概して書籍ほどではなく,短い.読者対象も決まっているものもあるが,そうでないことも多い.誰に読まれるか不明なことも多い.販売されないケースが多い.したがって,品質も雑多.

2 執筆者
旧:ある程度の経験者
デ:経験者から,そうでない場合もある.

3 原稿の執筆
旧:いちおうプロが多い
デ:雑多

4 原稿の整理(原稿編集)
旧:内容面と形式面で,建前からいえば,整理の作業が行われている.
デ:整理の作業が行われている場合もあるが,行われていないケースも多い.

5 原稿データの形式面
旧:組版以前で,誰が行うかは別にして,なんらかの整理が行われる.
デ:整理作業はあまり期待できない.問題の表記や文字・記号の使用で問題のあるデータもある

6 最終の出力と原稿
旧:DTPや活版では,一般に見本組を作成して,ほぼそれに従い,いろんな作業が進む
デ:最終結果を考える場合もあれば,考えない場合もある.組方向がDTPや活版では,変わることはないが,デジタルテキストでは変わることもあるし,また逆に変えることもできる.

7 原稿と体裁の指示
旧:データにタグを入れる場合もあるが,多くはテキストに組版段階又はその準備段階で体裁指示のタグなどを入力
デ:どうするんでしょうか.誰が入れるのか.そもそも体裁指示の必要ない場合がある.

8 組版とそのエンジン
旧:ある程度,高機能のエンジンを使用
デ:テキストエディタのように,組版は最低な機能しかないものから,高機能なものまで雑多

9 組版処理の要求レベル
旧:出版社によるが,ある程度要求レベルは高い
デ:雑多,しょうがないとあきらめている面もあるが,これはどう考えるのか

10 組版処理
旧:自動処理が原則だが,手作業的な処理もできる場合がある.
デ:自動処理が原則

11 組版処理の費用
旧:必要.ページ数も費用との関係で,おさえる必要がある場合が多い.
デ:必要な場合もあれば,そうでない場合もある.費用という面ではページ数は考慮しなくてよい.

12 組版結果の出力方法
旧:決まっている
デ:決まっていない

13 実際の読書
旧:読者は変更できない.
デ:読者が変更できる場合も多い.

14 読書の際のガイダンス
旧:ノンブル,柱,目次,索引など,慣習として決まっており,読者もそれを知っている
デ:方法も読む人の理解も雑多.まだ読者の経験多いケースもあれば,そうでない場合もある.

15 引用の方法
旧:ほぼ決まっており,ページも指示できる
デ:あるURLの指示方法や読んだ日時に指示などある程度は確立されているが,特定箇所の指示方法は,ある程度は可能であるが,さて,

16 データの利用
旧:基本的にデジタルデータとしての利用は,技術的に制限されている.
デ:基本的にデジタルデータとしての再利用は,比較的に簡単.その際に問題が出る場合もあるが,

  木田泰夫 さんwrote

>jlreq-dドラフト第一章で説明している、デジタルテキストの組版は印刷とどのように異なるか、の部分がどうも未整理なので、グラフにして整理してみました。横に広いのでクリックして大きくしてみてください。

Received on Tuesday, 23 April 2024 09:44:41 UTC