Re: 行頭の括弧

敏先生、

分析ありがとうございます。この文章、ぜひ jlreq-d のサイドノートか何かに活用しましょう。

a/e は空白幅のコントロールする機能がない場合に、文字をベタに並べるだけで達成できるという簡便性がありますね。採用されている理由がその簡便性にあるのかどうかはわかりませんが。

添付していただいた例のように二重括弧だと問題がよりわかりやすくなりますね。

> 段落先頭を全角下ガリとする方針を前提とします.


行頭を下げない方針の場合はどうなりますか?

木田

> 2023/10/29 10:07、Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp>のメール:
> 
> 石井 様
> 木田 様
> みんさま
> 
> 行頭の括弧については,これまで何回か私の考えを記してきましたが,部分的な説明でしたので,まとめておきます.
> 
> 出てくる箇所は,以下の2つ
>  段落の先頭行(全角下ガリ)とする場合 以下,“段落先頭”という
>  段落の2行目以下とする場合 以下,“折返し先頭”という
> 
> 考えられる組合せとしては以下の7つ,なお,括弧の字幅は二分として説明
>  a 段落先頭:全角二分下ガリ 折返し先頭:二分下ガリ
>  b 段落先頭:全角二分下ガリ 折返し先頭:ベタ(以下,天付きという)
>  c 段落先頭:全角下ガリ 折返し先頭:二分下ガリ
>  d 段落先頭:全角下ガリ 折返し先頭:天付き
>  e 段落先頭:二分下ガリ 折返し先頭:天付き
>  f 段落先頭:二分下ガリ 折返し先頭:二分下ガリ
>  g 段落先頭:天付き 折返し先頭:天付き
> 
> 実際に多く見掛けるのは,a, d, eの3つです.書籍ではaはあまり見掛けませんが,Webではよく見掛けます.それ以外は,cやbもあり得ますが,整合性がとれない組み合わせですので,除外します.また,段落先頭を全角下ガリとする方針を前提とします.
> 
> まず,前提条件から
> 
> 1 縦組でいえば横の並び,横組でいえば縦の並びは,どの程度問題にすべきか
> 
> 行頭では,気になるが,2字目以下では,あまり気にしている人はいない可能性が高い.行頭での問題は,以下の2例です.小見出しと直後の段落先頭の括弧,段落先頭の括弧と折返し先頭の括弧です.
> 
>   「原稿編集」の問題 ←(行頭の全角下ガリの小見出し)
>   「原稿編集」は,著者から入手した……
>  「原稿」をどのようにして行えばよい……
>  した作業を行うには,著者の意向をま……
> 
> 2 行の調整処理は,どの程度考慮しないといけないか
> 
> 組版エンジンの負担にはなるが,それは大きな問題ではないと考える.字間の乱れは,行長や調整量にもよるが, 行頭の括弧に伴う調整量は二分です,これだけを考えると,あまり気にならないという可能性が高い.ですから,aがよいということは,この際は考えない.
> 
> 次に,“折返し先頭”から,
> 
> 最近の書籍・雑誌等の行末に配置する句読点や括弧の後ろを空けないでベタ組とする例が増えています.これは行末の並びが気になり,句読点や括弧の後ろの空きを削除した方がよいという考えからきていると思われます.一般に,縦組でいえば横の並び,横組でいえば縦の並びは,行頭の方が行末よりは揃えたいという意識が強い,と思われる.先頭は気になるが,末尾はなんとなく見てしまう,という傾向はあると思います.ですので,この行末が気になるのであれば,行頭はさらに気になる.
> 
> であれば,折返し先頭は天付きがよいとなる可能性が高い.
> 
> 段落先頭では,どうか
> 
> まず段落先頭が二分下ガリという形式について
> 
> 1)これは段落先頭を全角下ガリとする方針が前提ですが,この全角下ガリという原則のルール違反です.これはいかなる理由があるのか.それは納得できることなのか.いまのところの説明としては,会話文がある場合に下がりすぎになるのを避けたいという考えです.これは一般の場合には適用できないことでしょう.
> 
> 2)行頭では,気になる例の小見出しですが,括弧のある小見出しは全角下ガリとすることが多いので,これと行頭はそろわない.前にもお送りした画像ですが,添付いたします(行頭の括弧例.JPG).このケースは数は多いとはいえないが,私は,けっこう見ています.
> 
> 3)段落の先頭を全角下ガリとするのは,段落の区別を付けるためです.段落先頭の二分下ガリは,その区別としては,ややあいまになる可能性がある.特に問題となるケースは以下の2つの場合です.
>  ①段落の先頭に括弧のある段落の直前の末尾行が,行の末尾近くまで配置されている場合.これは,それなりにある.(私は,この経験は何回かしている.)
>  ②本を読む場合は,私は勝手に“段落読み”と読んでいるのですが,主に段落の先頭にある文だけを読んでいく方法をとることがあります.段落の構成を考えたテキストでは,これで結構意味を理解していくことが可能です.この方法は,私だけでなく,2冊ほど,この方法があるよと書いた本を読んだことがあるので,数は多くないが,こうした読者がいると予想されます.この場合に段落の先頭の括弧の二分下ガリはあいまいになる.
> 
> 次に,段落先頭が全角二分下ガリという形式について
> 
> 1)句読点や括弧が重なった場合,あるいは全角スペースと括弧が重なった場合は,そのアキを調整します.となれば,段落先頭を全角下ガリとする場合,全角二分下ガリはルール違反になります.
> 
> 2)段落先頭を二分下ガリとする方針が採用されている例が多いという現状を考慮すると,この段落先頭が全角二分下ガリは,下ガリすぎと思われる.
> 
> 3)括弧のある小見出しの全角下ガリと段落先頭が全角二分下ガリでは,行頭はそろわない.(段落先頭が全角二分下ガリとする書籍でも,小見出しの行頭は“5行頭の括弧例.JPG”と同じ形式にする例が多い).
> 
> 4)段落先頭が全角二分下ガリは,折返し先頭は二分下ガリとなります.段落先頭を二分下ガリとするeの方式が多いことから,この折返し先頭の二分下ガリを段落先頭と誤解される恐れがある.
> 
> 以上です.ですので,aとeという方式は問題が多いということです.<行頭の括弧例.JPG>

Received on Sunday, 29 October 2023 03:19:30 UTC