- From: <atsuda@fontworks.co.jp>
- Date: Thu, 28 Sep 2023 00:19:41 +0000
- To: <binn@k.email.ne.jp>, <tyamamot@adobe.com>, <public-i18n-japanese@w3.org>, <tajima@sanyosha.co.jp>
- Message-ID: <TYWPR01MB1009881F2130CCEE262B26DEB9BC2A@TYWPR01MB10098.jpnprd01.prod.outlook.co>
小林様 お世話になります。津田です。 回答が遅れました。申し訳ございません。 最初に全体の回答を捕捉するための説明を行わせてください。 フォントの各文字には字幅を設定することができます。 これは、文字の幅に左側の空き、右側の空きを足したものです。 この字幅は、横方向と縦方向を設定することが可能です。 アプリケーションはこれを利用して、文字を並べることで、ベタ組を実現できます。 このベタ組に対して、ツメ組を行うための実装が、palt、vpalの値です。 弊社では、全角の字幅を持つ文字に対して、これらの値を設定します。 プロポーショナルの字幅を持つ文字に対して、これらの値を設定することはありません。 字幅もpalt、vpalのどちらもデザインの一部ですので、弊社ではデザイナーがその値を決定いたします。 字形のデザインがそれらの値に影響を与えることになりますが、デザイナーの好みも反映されるようです。 プロポーショナルの字幅を持つ文字に、ツメ組用のデータ(paltなど)を設定しないのは、他の会社も同様ではないかと存じます。 1 palt,vpalを選び,文字間を詰める(以下,ツメ組という)場合,その詰める程度(強く,弱くなど)は,選択できますか 山本様と同じ回答とさせてください。 2 Webでは,プロポーショナルなラテン文字(以下:プロポーショナルという)の単語を1字1字縦向きにして配置できますか できるようでございます。 弊社鈴木が作成したこちらのページをご覧ください。 https://codepen.io/terkel/pen/JjwvOMW?editors=1100 3 縦組でツメ組を行うことは,プロポーショナルの単語を1字1字縦向きにして配置したときも(2の結果とも関連するが),それは可能ですか 最初に申したように、横組み、縦組みにかかわらず、ツメを行うことができるのは全角の字幅を持つグリフだけでございます。 プロポーショナルの字幅を持つ文字に対してはできません(弊社フォントに限る話かもしれませんが)。 4 縦組でツメ組を行う場合で,ラテン文字が1字のとき(このケースは多い)は,どうなりますか.以下のケースに分けられる. 4.1 全角のラテン文字 4.2 プロポーショナル 4.3 縦中横でプロポーショナルを縦向きにした場合 繰り返しになりますが、ツメが可能なのは、全角文字だけでございます。 5 全角ラテン文字の字形について(フォントの付属書体) 5.1 アラビア数字を含め,プロポーショナルと全角文字の字形は同じですか,別の設計ですか.特にその字形の幅(字詰め方向,文字の左右方向の幅) Adobe−Japan1では、アラビア数字、欧文は、 全角、半角、プロポーショナルの字幅の文字をデザインいたします。 あくまでも弊社のデザインに限ったことですが、弊社のデザイナーに確認したところ、全角とプロポーショナルの字幅の文字の字形は同じものを使用することが多いようでございます。 ただし、大文字のW、ベースラインの下にアウトラインがある文字(y,j)などは、字形を変更する場合があることがございます。 字幅はそれぞれで設定いたします。 5.2 OpenTypeでは,全角字形が選択できますが,この字形を通常の方法で入力する全角文字の字形と同じですか,別の設計ですか 同じだと存じます。 6 全角ラテン文字の行送り方向(正常な文字の向きでの上下)の位置について ベースラインで合わせます。 6.1 プロポーショナルと同じですか,別ですか 従属欧文(プロポーショナルの字幅を持つ欧文)についても、ベースラインで合わせます。 7 仮名の字間を字形に従ってツメ組にする場合,括弧類と句読点,中点のアキはどうなりますか 7.1 その前後のアキ(二分,中点は四分)を削除し,ベタにするか 7.2 その前後のアキ(二分,中点は四分)はそのままか 7.3 それ以外,例えば,四分アキなどとするか 7.4 ブラウザによるか これについてはアプリケーションがどのように実装するかになります。 弊社で全てを把握しているわけではございません。 私自身は以前テキスト編集するアプリケーションを開発したことがございます。 行末が禁則文字になる場合、あるいは、その次の行頭が禁則文字になる場合、 行末の文字を追い出すか、次の行頭の文字を追い込むかを計算することになります。 追い込む場合は、当行の文字を詰めることになるのですが、 字幅を変更するのではなく、括弧類、句読点を探し、それらを半角につめていました。 当時(1990年代後半)は、フォント側にデータが揃っていないこと、また、あったとしてもフォントの情報を取り出すことが困難であったため、括弧類、句読点の文字を決めて、エイ、ヤーで行っていました。 現在は、フォントファイルの中にhaltデータがございます。 これは、括弧類、句読点の字幅を半角の字幅に変更するためのデータですので、こちらをアプリケーションは利用するのではないかと存じます。 よろしくお願いいたします。 差出人: Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp> 日付: 日曜日, 2023年9月24日 12:06 宛先: Taro Yamamoto <tyamamot@adobe.com>, public-i18n-japanese@w3.org <public-i18n-japanese@w3.org>, tajima@sanyosha.co.jp <tajima@sanyosha.co.jp>, 津田 昭(フォントワークス) <atsuda@fontworks.co.jp> 件名: RE: palt,vpalに関連していくつか Taro Yamamoto 様 小林 敏 です. こまかい情報,いろいろとありがとうございます.大変参考になります. Taro Yamamoto さんwrote >(コメントします)。
Received on Thursday, 28 September 2023 00:22:08 UTC