RE: CJKフォントのpalt(詰め組)とkernの関係

各位、



いまだに良く理解できないのですが、



  *   現在の仕様が曖昧なため、Windows/macOSや既存アプリケーションの多くが、20年以上これに沿わない実装をしてきました。



適合性を判断する上で、現在の仕様の文言が不正確かつ不十分であるため、理論的には、’palt’の「設計思想」と異なる実装が存在しうる可能性が排除できないことは理解できます。また、現在の’palt’の仕様の文言もまた、OpenType 1.4以前の、より不十分な記述を改善して、OpenType 1.5(2008)の時点で現在の形に定着したものであることが、web上の仕様のヴァージョン情報からわかります。その意味でこの仕様が改善されてきたものであり、今後も改善する必要があることも理解できます。

とはいえ、2008年以後の仕様において、”If kern is activated, palt must also be activated if it exists.”またはそれと類似の表現がなされているFeature interactionの記述を、その表現の不正確さ・不十分さのゆえに、抜本的に改善・書き直しをする必要があったとしても、それが警告している内容自体を削除したり、その元々の「設計思想」から乖離したものに改変してしまうことを正当化する理由はどこにもないと考えます。



そもそもこの’palt’のフィーチャーはアドビが登録したものであり、その存在意義は、既に述べましたが、手動写植機の時代の仮名ツメ文字盤に由来し、その機能をDTPアプリケーションのために、当初はフォントごとに別ファイルとして提供されていた代替メトリクス情報を、OpenTypeのフィーチャーを通してアクセス可能にすることにありました。そして多くのOpenTypeフォントの実装が、このような歴史的な経緯を背景として、この機能に対応してきました。

そのようなコンテキストにおいては、”If kern is activated, palt must also be activated if it exists.”という文言を、あたかも‘If kern is activated, palt does not need to be activated, even if it exists”.と書いてあるかのように、まったく正反対の意味に解釈して、何かを実装するということは、はなはだ荒唐無稽なことであると考えます。もし、そのような実装が存在していたとしても、そのような実装は、近い将来、この仕様の文言の改良・改訂をとおして、減少し絶滅することでしょう。またこの仕様の改良・改訂は、より妥当な解釈、意図された設計思想を忠実に反映する実装を推奨し、さらに普及させるために有効な方法で行うべきと考えます。



山本

アドビ

Received on Monday, 17 April 2023 10:47:00 UTC