日本語組版のアクセシビリティ

皆さん、

10/1の日本DAISYコンソーシアム技術委員会で、日本語組版のアクセシビリティについていくつかの情報を得ました。

「マルチメディアDAISY教科書製作にあたってのガイドライン」
<https://www.dinf.ne.jp/doc/daisy/activities/daisykanren/daisytextGuideline.html>には、「行間は2.6
を基本とする。」という文面があります。これは、line-height:260%を意味しています。これについては関係者が協議して、これなら読めると合意した値です。ルビが多めに入っていることを前提としています。

letter-spacingについては、「マルチメディアDAISY教科書製作にあたってのガイドライン」には記述はありません。フォントの大きさに関するものだけです。ChattyBooksというDAISYリーダのデフォールトでは0.2emになっていますが、ユーザインタフェースから変更可能です。一方、CYPAC社のDAISYリーダではコンテンツの指定に任せているそうです。letter-spacingを0.2emとすることについて、DAISY関係者内での合意はないようです。

その他、ディスレクシアの方(二名)から出た話を書きます。ディスレクシアと言っても、いろいろなタイプがあり、症状も違うので、参考情報としてお聞きください。

行の右端が揃っているかどうかを問題視はしていないようです。しかし、揃えることに関連する問題はあります。

   - 文節の途中で別の行になってしまうのは困るとはっきり言っていました。
   - 右端をそろえるために行ごとに字間が変わってしまうと単語の認識の妨げになるようです。
   - グループルビの途中での改行は、少なくとも初出の語については止めてほしいと言っていました。


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慶應義塾大学政策・メディア研究科特任教授
村田 真

Received on Saturday, 1 October 2022 13:27:26 UTC