- From: Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp>
- Date: Wed, 21 Sep 2022 09:31:30 +0900
- To: public-i18n-japanese@w3.org
みなさま 小林 敏 です. 昨日問題となった和文と欧文の約物の連続についてまとめてみました. 和文と欧文の約物の連続 句読点や括弧類について,和文用と欧文用の文字が連続するケースは例は少ないがある. 例:…である(Washington, D.C.)。 “.”は欧文用,“)”は和文用である. この場合の組版処理(和文用と欧文用の約物の字間)の問題についてまとめておく.なお,和文用と欧文用の文字の混用が意味のうえで問題がないかどうかについて,原稿執筆や原稿編集(原稿整理)の段階で検討する必要がある. *以下では,和文用の句読点や括弧類の字幅は半角(二分)と考え,説明する. *例示用の約物として,和文用の括弧は“「」”,句読点は“。”,欧文用の括弧は“[]”,句読点は“,”で示す. 基本的な考え方 和文用が連続する,または和文用と欧文用が連続する場合 1 括弧類の内側は,例えば親文字からルビがはみ出すなど特別な場合を除いて空けない(ベタ組にする). 2 和文用の括弧類の外側の二分アキ,和文用の句読点の後ろの二分アキは,例えば親文字からルビがはみ出すなど特別な場合を除いて二分キア以上にしない. 3 和文と欧文のアキを四分アキとした場合,和文用と欧文用の句読点や括弧類は,原則としてその対象とならない. 4 欧文用の括弧や句読点は,アキを保持していない.それらの前後にアキを確保する必要がある場合は,欧文用スペースを挿入する(以下の例では欧文用スペースを挿入する例はない). ケース1 終わりと始めが連続 」[ 」と[の字間は二分アキ,特別な処理は不要 ]「 ]と「の字間は二分アキ,特別な処理は不要 。[ 。と[の字間は二分アキ,特別な処理は不要 ,「 ,と「の字間は二分アキ,特別な処理は不要 *欧文用にはアキがないので,和文用のアキはそのままでよい. ケース2 始めと始めが連続 「[ 「と[の字間はベタ,特別な処理は不要(“[”の前にアキがないので) [「 [と「の字間はベタ,“「”の前の二分アキを削除するなんらかの処理が必要 ケース3 終わりと終わりが連続 」] 」と]の字間はベタ,“」”の後ろの二分アキを削除するなんらかの処理が必要 ]」 ]と」の字間はベタ,特別な処理は不要(“]”の後ろにアキがないので) 。] 。と]の字間はベタ,“。”の後ろの二分アキを削除するなんらかの処理が必要 ,」 ,と」の字間はベタ,特別な処理は不要(“,”の後ろにアキがないので) *コーテーションマークについて,和文中に欧文用(シングルの字幅は四分,ダブルの字幅は二分)を使用する方法が,かつてあった.この場合,シングルコーテーションマークの外側は四分アキ(文字とアキを合わせて二分),ダブルコーテーションマークの外側は四分アキ(文字とアキを合わせて二分四分)としていた.最近は,この方法は,ほとんど見かけない.コーテーションマークは和文用を用い,シングル,ダブルともに字幅は二分,アキは二分としている例がほとんどほとんである.
Received on Wednesday, 21 September 2022 00:32:56 UTC