Fwd: TPACでのルビについての議論の報告

皆さん、

W3C TPACで、ルビについての議論を行ったので報告
します。

1. ARIA (2021/10/28)

ARIA WGの会議に出席し、二つのroleの提案を行った。

発表資料 <https://1drv.ms/p/s!An5Z79wj5AZBkaxygsvcyNZp3O-_0g?e=gGKFM1>
総ルビ専用のルビであることを示すrole <https://github.com/w3c/aria/issues/1619>
フリガナかそうでないかを示すrole <https://github.com/w3c/aria/issues/1620>

発表内容はよく理解されていたし、真摯に受け止められた
と思う。

Googleの実装者から、いまはルビ読み上げ・親文字読み上
げ・両方読み上げをユーザが選べるようにしているという
コメントがあった(この実装方法の批判は控えた)。

ARIAのroleを使うべきか、それともHTMLの属性を使うべき
かについての議論があった。

- 総ルビ専用のルビであるかを示すroleについては、HTML
  の属性とすべきであるという意見がARIA WGの大勢だっ
  た。

- フリガナかそうでないかを示すroleについては意見が
  ARIA WG内でもまとまらなかった。role="note"をrtにつ
  ければ十分という意見もあった。フリガナかそうでない
  かを示すことがアクセシビリティの役にしかたたないの
  であれば、

フリガナかそうでないかについては自動判定ができるので
はという質問があった。出来ることも多いが間違うことも
あるだろうと回答した。

2. I18N

I18N WGの会議に出席し、wikiの記事をnoteにしたい、そ
れもI18NとWAIのjointにしたいと提案した。

発表資料 <https://1drv.ms/p/s!An5Z79wj5AZBkax0dhb5thC6D1Ow8w?e=k8YiaZ>:
wiki
<https://github.com/Japan-Daisy-Consortium/documents/wiki/Text-to-Speech-of-Electronic-Documents-Containing-Ruby:-User-Requirements>

参加者には、I18N WGのメンバーのほかに、Fantasai (W3C
Advisory Board Member)とPhilippe Le Hégaretが参加し
ていた。彼は、すべてのプロジェクトに責任をもつW3Cの
重要人物である。

https://www.w3.org/People/LeHegaret/


ノートを作ること自体についてはどこからも反対はなかっ
た。問題となったのは、I18N単体のノートにするか、
jointにするかである。Jointが良いというのはFantasaiの
意見である。彼女も参加し、援護射撃をしてくれた。今後、
I18Nの議長のAddison Phillips (Amazon)が、WAIの人たち
と協議することになった。

ARIA WGの会議で、1つはHTMLの属性とする方向であること
を説明すると、それをどのように行うかが議論になった。
最初は、私がWHATWGのGitHubにissueとして上げる予定だっ
たが、W3CとWHATWGのどちらで行うかという体制上の問題
となる。W3Cで行う場合にもHTML WGか、ルビ専用の
community groupを作るという選択肢が議論された。

この件については、Fantasi, Florian(両者ともAdvisory
Board member), Richard Ishida (W3C I18N staff), PLH
たちに任せるしかない。

日本から考えられる援護射撃として、ルビのアクセシビリ
ティが不十分であることをさらにアピールすることが考え
られる。

 --
慶應義塾大学政策・メディア研究科特任教授
村田 真

P.S.
私が抜けたあとにさらに議論され、どちらもHTMLの
属性とすべきということになったようです。

https://github.com/w3c/aria/issues/1620#issuecomment-954478390

Received on Tuesday, 2 November 2021 00:43:18 UTC