JDLReq 内容案

JLReq TF の皆様、

宿題の JDLReq のの方針表明パラグラフ + ラフな目次案です。

方針表明パラグラフはまだ作っていないのですが、小林さんが主宰されていた研究グループで私が書いた文書が、私の考えていることをよく表しています。これをたたき台、議論・批判のベースにするのはどうでしょう。pdf にして添付しました。ビジョンのすり合わせは大切だと思うので、是非読んでいただければ。




その上で、前回議論した方針や章立ての案をアップデートして下にインラインで貼り付けてあります。元々デジタル中心に考えていたので、デジタル専用にしてもあんまり変わりませんでした。が、英語にしたときに曖昧になりそうな表現を改めたので、より明確になっているかと思います。

木田

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デジタルネイティブ JDLReq 目次案
JLReq TF

トップレベルテーマ
デジタルテキストのための組版要件を定義する
国際化ソフトウェア環境との親和性を高める
ユニバーサルデザインの視点を導入する

対象となるテキスト Intended targets and non-targets
対象
単一行メッセージ(? もし言うことがあれば)
メールやメモなど日常のプレーンテキスト
Webページ(スクロールする)
プレゼンテーション(? ページがあり、単一行を主とする)
ワードプロセッサー(ページがある)
電子書籍(書籍としてバインドされているもの、ページ、見開き)
対象外
印刷のためのページレイアウトアプリケーション

組版要件を定義する際の方針
JLReq にある機能をベースとし、デジタルでは重要でないと思われる機能でも削除せず、重要度をプライオリティで示す
批判のベースになるように、理由、考え方を説明する
代替えの手段を説明
新しい提案や将来の可能性の示唆などは、注意深く議論して重要な質の高いものを含める
デジタルにおける新しい機能(ある程度ここに網羅しておくこと)
リフローアーキテクチャ
ラグ組や空白行で区切られるパラグラフ
プロポーショナルな要素を多く含むテキスト、またプロポーショナルな和文書体の扱い
ベースラインなど欧文ベースのエンジン上での振る舞い
リンクなど、既にある程度確立されているデジタルテキストの機能を取り入れる可能性
アクセシビリティ関連の要件

国際化ソフトウェア環境との親和性を高める方法
多言語の中の日本語として記述
従来の JLReq は日本語に閉じた環境を扱っている。その意味で JIS の文字規格に似ている。JDLReq は国際化ソフトウェア環境の中の一つの言語としての日本語を扱う。外国語、数式など日本語組版の中で規定する必要のないものは対象外。界面の振る舞いだけを定義する
技術の扱いの方針
現在進行形の技術の中での組版なので、技術の前提なしに議論することは不可能である。同時に、技術の詳細からは中立に記述することによって、寿命の長いドキュメントになることを期待する
確立され、今後も使われると思われる基礎的な技術、例えば Unicode、ウェブ技術、高機能フォントなどを前提とする
それら技術に不足があれば、その不足も洗い出す。例えば約物の問題、リーダ、ダーシ類、それらのつながったもの
禁則など組版指定がなくても自動的に動くべき機能、言い換えるとプレーンテキストでも動くべき機能と、ルビのようにマークアップなどでの指定が必要な機能が見分けられるように書く
実装支援
シンプル化、プライオリティ付け、デフォルトの方法の提案などにより規格化コスト・実装コストを下げ、それにより、より早期に、より多くの、またよりベンダ間で統一の取れた実装が得られることを期待する
日本語や日本語組版の概念を知らない技術者の理解のため、基本を書く
規格化や実装が前に進んでいない機能を分析する。それらが前に進むことを支援できるように整理を行う

ユニバーサルデザインの視点を導入する方法
各項目にユニバーサルデザイン、健常者、障害者双方にとってのアクセスしやすさの視点を加える
ここ、もう少しだけ具体化

定期的なアップデート
技術、およびその上で実現される組版、双方が変化してゆく。このため、数年おきに見直され、アップデートされることを期待する

構成案
機能をページを前提としない基本組版、ページの構成、書籍の構成にわける
メールやメモ、ウェブページなどページを前提としない場合
ページを前提とする例に、ワードプロセッサ
書籍の例に、電子書籍
章立て案
まず日本語組版の基礎をカバー
第2章「日本語組版の基本」を大幅に拡充
非日本語話者のために基本から説明
欧文との整合、ベースライン、欧文書体との組み合わせ方
読みやすさアクセシビリティの観点の説明
本文の組版
プレーンテキスト
スタイルテキスト
見出し、タイトルの組版
プロポーショナルの話題、つめ組などもここ
注 = 本文と並列な構造
ここは結構日本語独特のものがある
図版と表 = テキスト以外のオブジェクト
言うことある?
ページの構成
書籍の設計
デジタルでの冊子の意味、問題意識を提示

章立て案
日本語組版の基礎
日本語を知らないエンジニアに伝わるように基礎から。基本がわかるように。機能へのガイドにもなる。
内容
日本語で使う文字
漢字(用途による文字数)、仮名
約物、英数字も
縦書き横書きの文字の向き
全角半角互換文字
日本語書体の基本
メトリック
英文書体との合わせ方(書体、相対サイズ、相対位置)
字送り方向の組版の基本
行頭行末揃え、ラグ組
段落最初の行頭の字下げ vs 欧文風パラグラフ
ベースラインシステムとの整合
縦書き横書き
縦書きの苦手なディスレクシアに対する言及
横書き縦書き変換のできるテキストを作るための考慮
(詳細は後の行組版のセクション)
行送り方向の組版の基本
読みやすさ、アクセシビリティ
機能的観点での日本語組版機能の整理
一覧で俯瞰(インデックス的にもなる)
例えば:注のための機能は、単純な括弧、割注、脚注後注の類、行間注、など
ルビは注に似るが、もっと粒度が細かく単語に内在する並列構造を示す。日本語の表記と音との並列構造がその必要性のもとであることを触れる
本文の組み
簡便な行組版ルール案を反映。連数字の記述を削除。欧文組版や化学式、数式の組版は外部へ
欧文括弧など欧文用約物を使う場合への言及?
印刷雑誌に連載の問題点など反映
現在の章立て
約物などの組版処理
和欧文混植処理(縦中横処理を含む)
ルビと圏点処理
割注処理
段落整形,そろえ及び段落末尾処理
タブ処理
その他の行組版処理
行の調整処理
文字クラスについて
見出しの組み
プレゼンテーションなど、一行ものもここでカバー?
現在の4章は見出し、注、図版と表、に分離。「4.5 行・段落などの行送り方向の配置処理」は?
注
本文と並列な構造
図版と表
動画やその他、外部オブジェクト
ページの構成
ここにページを前提とする機能を入れる
Web やワードプロセッサのように「仕上りサイズと四方のマージンを設定する」方法での考え方
リフローアーキテクチャでの考え方
書籍の設計
ここに両開き含め書籍向けの内容を入れる
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Received on Monday, 1 November 2021 13:58:35 UTC