Re: [jlreq] 落語ネタ:アクセシビリティへの道 (#325)

ネットワーク環境はアクセシビリティと何の関係もありませんよ。

>1 2019年に“視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律”が出来ましたが,これの結果,アクセシビリティの向上が,どの程度すすんでいるんでしょうか.その現況というか,評価を知りたい.

商用電子出版では実態としてほとんど進んでません。やらなきゃいけないという気分だけは国内でも醸成されました。

これまでの改善は、アメリカでの社会的な運動のおこぼれ(つまりAmazonやAppleなどの実装に反映されたもの)にあずかっているだけです。

デジタル教科書については日本でも変化がありましたが迷走気味でもあります。ここでは割愛します。

>2 いろいろと課題は多いのでしょうが,どんなことが問題ですか.視覚障害者等といっても多様ですし,レベルも様々ですので,アクセシビリティの向上といっても,その要求も様々です.その点は,どう考えたらいいんでしょうか.

誰がどの程度困っているのかという基本的なことすら本当のところは誰も分かりません。プリントディスアビリティを持つ人は人口の5%? 10%? 20%?  30%? どの数字も見たり聞いたりしたことはあります。そして、その内訳は?

もっとも情報を体系的に把握しようと思えば把握できるのは政府だと思います。

なお、以前に[APLでまとめた文書](https://github.com/Advanced-Publishing-Laboratory/A11Y/wiki/%E7%B4%99%E3%81%AE%E6%9C%AC%E3%81%8C%E8%AA%AD%E3%82%81%E3%81%AA%E3%81%84-%E8%AA%AD%E3%81%BF%E9%9B%A3%E3%81%84%E7%8A%B6%E6%B3%81%E3%81%A8%E3%81%9D%E3%81%AE%E5%8E%9F%E5%9B%A0)がもっとも包括的でしょうか。



なお、アクセシビリティ関係の団体は一つの種類の障害(たとえば視覚障害)しか扱わないし、年齢構成などにも偏りが激しいので、包括的な把握はしていません。

>3 アクセシビリティの問題については,政府というか制度の問題として取り組んでいかなければならない課題と,出版社では取り組むべき課題は異なっていると思います.それぞれの課題には,どんなことがあり,どの程度すすんでいますか.政府には,もっと予算を多くしろということになるでしょうが,それだけで解決しない問題はありますか.

問題の把握すらできていないので課題の体系的把握はもちろんありません。

しかし、イタリアLIAの取り組みがもっとも参考になります。これについては[APLのセミナー](https://www.aplab.jp/lia)と、LIAホワイトペーパ(私の翻訳したもの)が有益です。

>4 問題の解決が十分にすすんでいない面があるとすれば,それはなぜですか.どうしたらすすむと考えられますか.

まずは問題把握からですね。そしてアクセシビリティとは何かの共通理解からです。その意味で、アクセシビリティという語を訳が分からなくしたデジタル庁は許しがたい。

>5 最後に,組版処理の問題として,どのような具体的な課題がありますか.それを解決する方法なり手段は,どう考えたらよいのですか.

WCAG, EPUB Accessibility仕様、EPUB Accessibility Techniquesなどの仕様に書かれていること、私がこれまで
いろんな機会に話してきたことでしょうか。[日本DAISYコンソーシアム技術委員会のWebページ](https://www.normanet.ne.jp/~jdc/tech/index.html)をご覧ください。





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