Re: 縦書きなど日本語組版に関係するCSS3仕様について話し合える場を

村上様,林様,矢倉様,皆様,

W3C/慶應の芦村です.

お世話になっております.

ご提案いただいている,「縦書きなど日本語組版に関係するCSS仕様について話
し合う場」について,W3Cチーム内で以下の担当者と議論いたしました.

  * Mike Smith (HTML Activity Lead)
  * Bert Bos (Style Activity Lead)
  * Richard Ishida (I18N Activity Lead)
  * 一色正男 (W3C/慶應サイトマネージャ)

その結果,以下のような結論を得ました.もし,本IG JPのモデレータを担当い
ただいている矢倉様にご異存ないようでしたら,この方針で進めさせていただけ
れば幸いです.

1. 例えばRubyのようにCSSとHTML5の両方にまたがった仕様について,一つの同
   じメーリングリスト上で議論すること,特に日本の技術者の皆さんに母国語
   である日本語で議論いただくことは非常に有意義と考えられる.

2. Rubyや日本語レイアウトの扱いについては,すでに専門に議論するタスク
   フォースである日本語レイアウト・タスクフォース(JLTF)があり,そちらか
   らHTML WGおよびCSS WGへ提案していくという案も考えられるが,JLTFの議
   論は「日本語組版処理の要件」をまとめることに特化している上に,そのメー
   リングリストへの参加はW3C会員に限定されているため,JLTFリスト上で
   HTMLやCSSに関する議論を深めるのは必ずしも妥当ではない.

3. 一方,皆様ご存知の通り,新しいIG JPを作る場合は,HTML5 IG JPを作った
   時と同様の手続きを経る必要がある.すなわち,まず活動憲章(Charter)を
   作成した上で,W3C Advisory Committee Representativeのレビューにか
   け,W3C全体での同意を得る必要がある.

4. したがって,当面,「(Rubyを含めた)縦書きなど日本語組版に関係する仕様」
   については,構文的側面(HTML5)およびスタイル的側面(CSS)の両方を含め
   て,HTML5 IG JPリスト上で議論いただき,必要に応じて関連のWG等(HTML,
   CSS, JLTF)へフィードバックいただくのがよいと考えられる.その際,CSS
   およびJLTFについては,各グループに既に参加してくださっている村上様か
   らフィードバックいただくのがよいのではないかと思われる. 

以上
よろしくお願いいたします.

Kazuyuki


林 佳孝 - カウンタースペース wrote:
> 皆様初めまして、林と申します。
> 
> いつも大変感謝しつつ、勉強させていただいております。
> 特にルビについての議論は興味深く、意見を出したいと思いながら手を出せずに 
> いたものです。
> 
> 村上様のポストを読んでいて、言いたかったのはまさにこれだと感じました。
> 
>> 最近、「HTML5+CSS3」のようにセットにされて話題になることが多くなりました。
>> もちろん別々の仕様であり、混同するべきものではありません。
>> 本来 CSS 仕様についてはそれ専用の ML で話し合われるべきというのが
>> まっとうな答えであるという気はしています。
> 
> こちらに強く同意します。
> 私などは知識もなく、「そこはCSSに任せればどうだろう」と感じたりしても、
> なんだか場違いのようで、HTMLを中心とした議論に口を挟む余地がなかったのです。
> 
> 私は「どう表示するのか」に関わる部分は、可能な限り(すべて、ではありません)
> CSSに任せるべきで、HTML5でもそうあるべきだと考えています。
> そうすることでHTML5未対応のブラウザへの対策も軽微で済む気がしますし、
> なにより文書構造やソースの可読性を犠牲にせずに済むと思うからです。
> 理想の文書構造を追いすぎるのは不毛である、とやや結論めいた空気があるよう 
> ですが、
> そこにこだわりすぎる危険は回避しても、できる限りそこに近づこうという努力は
> 無駄ではないはずです。
> 
> ルビのように、特にレイアウトに関わる部分の多いものなら、まずCSSを念頭に
> 考えるべきだと考えます。
> 
>> スタイルシート仕様について日本語で議論するための IG を新たに作るのが
>> 最善と思っています。そのために、私にできる役割があれば引き受けたいと
>> 思っています。
>> (W3C のスタイルシート仕様は CSS のほか XSL もあります。JLTF の成果は
>> 両方に反映されるべきものなので、同じところで議論できるのが望ましいと
>> 思います。)
> 
> 
> 「こうあればいいな」「それなら自分も意見を出せるのに」と思っていたのですが、
> そこまでの知識と牽引力を持たないため、恥ずかしながら黙って見ておりました。
> 勇気ある提案、すばらしいと感じました。
> 
> 当然ながら、私はCSSを介さないHTMLのレンダリングについての議論が不毛だと
> 言っているわけではありません。
> #極端な例であれば、ヘッダ要素と段落でのレンダリングだって違うわけですし、
> #最低限のレンダリング結果についてはまだ話し合いの余地はあると思います。
> 
> ただ、どこまでをHTMLが担当し、どこからをCSSに担当させるかという視点での
> 議論もあっていいと思います。
> 最低限のルールさえ決めてしまえば、あとはオーサーの自由を奪わないという
> 観点でも、HTMLの議論とCSSの議論は分離させるべきではないと思います。
> 
> HTMLにもレンダリング結果(レイアウト)がつきまといますので、CSSとの棲み 
> 分けは
> 難しい問題ですね。
> 
>> それが実現できるまで、この HTML5 Japanese IG で、CSS3、とくに縦書きなど
>> 日本語レイアウトについての話題も扱うことを認めてはどうかというのが私の
>> 考えなのですが、いかがでしょうか。
> 
> 
> HTML5 IGで、一部CSSも含めての議論ができるようになることを、いちオーサー 
> として大変期待します。
> それでは。
> 
> 
> ---
> 
> 林 佳孝(ハヤシカイエ)
> Hayashi Cahier(kaier)
> 株式会社カウンタースペース
> 〒560-0025
> 大阪府豊中市立花町3丁目12-51
> スリーセブンオオグシビル301
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> Mobile Mail :cahier@i.softbank.jp <mailto:cahier@i.softbank.jp>
> 
> 
> 
> 

-- 
Kazuyuki Ashimura / W3C Multimodal & Voice Activity Lead
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Received on Wednesday, 31 March 2010 06:15:26 UTC