「EPUBやCSSと日本語レイアウト、HTML5と電子書籍」

アンテナハウス村上です。

昨日、「第8回HTML5とか勉強会」で発表した資料を公開しました:
「EPUBやCSSと日本語レイアウト、HTML5と電子書籍」
http://nadita.com/murakami/EPUB-CSS-JaLayout-HTML5/

このなかで、いま話題になっている次のようなことも触れています:
・CSS3 writing-mode 縦書き
・縦書きのときの方向指定問題
・論理的プロパティの議論
・論理的方向モードの議論(directional-mode: logical)

「縦組と横組みについて」の議論ですが、コメントできてなくてすみません。
鎌田さん、TeXについてご教示いただきありがとうございます。参考になります。

W3Cがすすめてきた writing-mode の考え(CSSだけでなく、XSL-FO、SVGでも
基本的に共通)を否定して別の方式にしろというのではCSSでの縦書きの標準化
は遠ざかってしまうと思います。
論理的方向モードを導入しようという案は、writing-mode の考えに基づいた
うえで、縦書きのときの方向指定問題を解決しようというものです。

回転ということに関していえば、CSS3 にはすでにその機能があって、
最新のブラウザで実装もされています:

CSS 2D Transforms Module Level 3
http://www.w3.org/TR/css3-2d-transforms/

その使用例:
http://nadita.com/murakami/tests/rotate90vertical.html
(Windows でだけ使える非標準的な方法でグリフを縦書き用に
していてブラウザによっては縦書きのように見えますが、
回転しているだけの擬似縦書きです)

縦書きの実装において、この機能を利用して実現するということはありえたと
しても、書字方向の仕様と、2D Transformsの仕様は別であるべきでしょう。


-- 
村上 真雄 (MURAKAMI Shinyu)
http://twitter.com/MurakamiShinyu
Antenna House Formatter:
http://www.antenna.co.jp/AHF/
http://www.antennahouse.com

Received on Thursday, 15 July 2010 09:03:12 UTC