行の調整処理の書き直し

Yasuo Kida 様
みんさま

 小林 敏 です.

行の調整処理の書き直しましたので,ご検討ください.
GitHubのも掲載してあります.

-------以下が案-------

行の調整の実際

行長に過不足が出た場合,行内の適当な箇所を詰める処理(以下,詰める処理とよぶ),または空ける処理(以下,空ける処理とよぶ)を行う必要がある.詰める処理では,その量が多くなると文字が重なってしまうので限界がある.これに対し空ける処理は,望ましい量はあるが,それを考えなければ限界がないといえる.したがって,行の調整は,大きく分ければ,次の2つになる.

    詰める処理を行い,その処理が限界に達した場合は空ける処理を行う.
    詰める処理は行わないで,空ける処理だけを行う.

しかし,詰める処理も,空ける処理も,できれば避けたい処理であり,その処理する箇所の優先順位,及びその限界量には,何を優先させるかでいくつかの考え方がある.ここでは,以下の3つに分け,その処理方法を解説する.

    a 詰める処理を優先するが,詰める量の限界値を小さくした方法.
    b 詰める処理を優先するが,詰める量の限界値を小さくしない方法.
    c 空ける処理だけを行う方法.

aの詰める量の限界値を限界値を小さくする方法は,空ける処理をいくらか避けることができ,また,詰める量が少ないことから,それほど読みやすさを損なわないと考えられる方法である.

なお,aまたはbの詰める処理が限界になった場合に行う空ける処理はcの方法と同じである.
a 詰める処理を優先し,詰める量の限界値を小さくする方法

1の処理を行い,これで処理できない場合は,この処理に加え2の該当箇所を均等に詰める.1及び2までで処理できない場合は,詰める処理は行わないで空ける処理を行う.空ける処理は,cと同じ方法である.

    1 行末に配置する読点(U+3001),コンマ(U+FF0C),句点(U+3002),ピリオド(U+FF0E),終わり括弧類の後ろを全幅の1/2まで詰める.

    2 行中にある以下の箇所を均等に詰める.詰める限界値は,全幅の1/4とする.
        読点(U+3001)又はコンマ(U+FF0C)
        始め括弧類の前
        終わり括弧類の後ろ

詰める処理のaの詳細な処理例を,Apendix〓に示した.
b 詰める処理を優先し,詰める量の限界値を小さくしない方法

1の処理を行い,これで処理できない場合は,この処理に加え2,ついで3の該当箇所を均等に詰める.1,2及び3までで処理できない場合は,詰める処理は行わないで空ける処理を行う.空ける処理は,cと同じ方法である.

    1 行末に配置する読点(U+3001),コンマ(U+FF0C),句点(U+3002),ピリオド(U+FF0E),終わり括弧類の後ろを全幅の1/2まで詰める.

    2 行中にある以下の箇所を均等に詰める.詰める限界値は,全幅の1/2とする.ただし,中点類は,行末に配置する場合も対象とし,その前後は均等に詰め,詰める限界値は,全幅の1/2とする.
        読点(U+3001)又はコンマ(U+FF0C)
        句点(U+3002)又はピリオド(U+FF0E)
        始め括弧類の前
        終わり括弧類の後ろ
        中点類

c 空ける処理だけを行う方法

    1 分割禁止等の箇所を避け,平仮名,片仮名,漢字等が連続する字間を均等に空ける.

    2 前項のまでの処理で個々の字間での空ける量が一定量を超えた場合は,その他の分割禁止等の箇所等を含めて字間を均等に空ける.

注 読点や括弧類の前後で詰める処理を行う場合,終わり括弧類や読点の後ろに初め括弧類が連続するときにも,その字間に空白がでるので,その空白を詰める処理を行う.

注 プロポーショナル幅の文字の配置における行の調整処理 プロポーショナル幅の文字の配置における行の調整処理では,確立された方法はないといえよう.通常,プロポーショナル幅の文字の処理では,すべての行で行の調整処理が発生するので,字間の調整は行われる.そもそもプロポーショナル幅の文字の配置は,視覚的に文字間を最適にしようとする処理であるから,この字間の調整は望ましいとはいえない.行頭・行末そろえを選択する場合は,約物の調整を優先するとよい.約物の前後に空白がある場合は,その空白を詰める,または約物の前後に空白がない場合は,一定の範囲内で空けるといった処理が考えられる.あるいは,行頭・行末そろえではなく,行頭そろえを選択するということも検討される必要があろう.

注 仮名の字間を均等に詰める コンピュータ組版では,仮名の字間に限り,ある限界値まで均等に詰めるという処理方法の選択により,その処理が可能な例があったが,今日では,この方法は採用されていない.これは,仮名の字間はいくらか空いているので,その字間はいくらか詰めることが可能であるという考え方による.

Received on Sunday, 15 February 2026 08:00:45 UTC